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【神戸市中央区】阪急「神戸三宮駅」で宝探し!?構内の柱や壁面には化石がいっぱいです!

くりあんぱん神戸の日常系webライター(神戸市)

阪急電鉄「神戸三宮駅」をご紹介します。神戸三宮中心街のシンボルの1つで、高級感あふれる空間が魅力の「阪急 神戸三宮駅」。構内の柱や壁面で、様々な化石を見つけることができます!

公式HP:阪急電鉄 | 鉄道・沿線おでかけ・ファン向け情報など

※今回の化石判別に関し、阪急電鉄の許可の元、「兵庫県立人と自然の博物館」の研究員さんに当所で撮影した写真を提供しご協力頂きました。この場を借りて心よりお礼申し上げます。
公式HP:兵庫県立 人と自然の博物館(ひとはく)

※構内は多くの方の往来がある場所です。危険や他利用者様とのトラブルに繋がらないよう、十分にご留意ください。

使用されている石材は、ドイツのバイエルン州ゾルンホーフェンで産出された「ゾルンホーフェン石灰岩(別名ジュラストーン)」。ゾルンホーフェンは、別名の通りジュラ紀後期の化石が多く産出される、始祖鳥の化石の産出地としても有名な地域です。

東改札口側からご紹介します。

化石を探すなら、アンモナイトは見たいですよね! 渦巻き模様を各所で見つけることができます。

中心部にのみ渦巻き模様が残っているのが面白いです。このように見えるのは、巻きの成長方向に対して垂直でない(斜交した)断面が見えているのと、巻きの後半(写真で言えば外側)は隔壁と呼ばれる仕切りがない部分(仕切りがある部分は「気房」、ない部分は「住房」と呼びます)である為との事。下記、研究員さんが教えて下さった参考サイトをご参照ください。

参考サイト:アンモナイト博士と一緒に東京で化石探し! ~入門編~ | 日本未来科学館 科学コミュニケーターブログ(外部サイト)

見つけやすさでいえばこちらが一番でしょう。構内で最初に目に入ると思います。ベレムナイトというイカに近い生物の鞘の部分の化石です。「鉛筆キャップ」や「銃弾」のような形をしており、棒状の化石を切る角度によって長く見えたり、短く見えたりします。

こちらは垂直に近い断面です。ちなみに、平行な断面は片側の先端のみが尖る形に見えます。代表的な断面形状は、下記、研究員さんが教えて下さった参考サイトをご参照ください。

参考サイト:ベレムナイト - 英国地質調査所(外部サイト)
※イギリスの機関「英国地質調査所(British Geological Survey)」の公式ホームページで海外サイト・英語表記となります。リンク先の「Belemnite forms, shapes and structures」という箇所に図が載っています。なお、ページを日本語訳した場合は「ベレムナイトの形、形、構造」というフレーズに訳される場合が多いようです。

こちらはとても状態が良いです! 細い先端部分まできれいに残っています。

左は厚歯二枚貝と呼ばれる、「ソフトクリームのコーンに蓋をかぶせた」「先が尖ったウツボカズラ」みたいな形の貝類です。右は、表面がギザギザした二枚貝か、アンモナイトやウニである可能性もあるとの事。共に輪切り状の断面。

左は厚歯二枚貝、右は二枚貝、それぞれ上の写真とは別角度からの断面。

こちらも二枚貝と思われます。より輪郭がハッキリしていますね。

アジフライやアヒルの足跡みたいな形が面白いです!
左は、厚歯二枚貝か、もしかすると、アンモナイトの顎(いわゆるカラストンビの部分)かもしれないとの事。
右は二枚貝か、腕足類と呼ばれる生物のどちらかだと思われるそうです。

続いて、西改札口側をご紹介します。

東口側より低い柱が多く、お子様の視線の高さで探しやすいスポットです。

大きな三角形のものは厚歯二枚貝。右下の小さな三角形は、東口側のアジフライ形のものに似ていますね。

二枚貝、輪切り状の断面の化石です。牡蠣みたいな形と、周囲の石との間に僅かに隙間があり浮き上がって見えるのが印象的です。

片面が平らである点から、ウニの化石かもしれないとの事。

西口側にもアンモナイトがありますが、東口側よりは少ない印象です。

一方、輪切り状の断面を多くみられます。

こちらは、恐らく海綿動物との事。下記、研究員さんが教えて下さった参考サイトです。
参考サイト:放送内容|所さんの目がテン!|日本テレビ(外部サイト)

自力調査時、見た目から「四射サンゴ? ウミユリの茎? 巻いていないタイプのアンモナイト?」と悩みましたが、四射サンゴは「もっと昔(古生代末)に絶滅している」、ウミユリは「ゾルンホーフェンでよく見られるウミユリは『サッココーマ』という浮遊性の種類で、写真のような太い茎は持っていない」、巻いていないアンモナイト(異常巻アンモナイト)は「ゾルンホーフェンでの産出例を聞いたことがない」という事でした。産出地や時代がいかに重要な情報であるかが分かるエピソードです。

サンゴの輪切り断面と思われます。直径が1cm前後であればベレムナイトの垂直断面である可能性もあるとの事。

繊細な層が綺麗な化石。自力調査時は「貨幣石?」と思っていたのですが、研究員さんから「貨幣石と呼ばれている有孔虫は新生代古第三紀にのみに生息していたので、時代が異なります」と教えて頂きました。ただ、こちらが何の化石なのかは不明との事。

厚歯二枚貝である可能性があります。お花のような、ゴーヤの断面のような模様が綺麗です。

こちらも厚歯二枚貝である可能性があります。何かの生物が這った跡のようにも見えますね。


石材の産地は同じでも、見られる模様(化石)がこんなにも違うというのが興味深いです。とても生物多様で豊かな自然環境だったことが伺えます。観察するうちに柱や壁面が「大きな水槽」に見えてきます。石材の中に化石があるのではなく、石材そのものが「かつて海だったエリアをそのまま切り取ったもの」なのだと実感しました。地球や生命って、本当に不思議で尊いです。


本記事では、皆様に現場で「期待以上に大きい!」「予想より小さくて探すのが大変だった」等いろいろ体感して頂きたいという意図から、あえてサイズ情報は載せていません。実際の化石判別では大きさも重要な情報になりますので、目的により長さを測る道具があると役立ちます。
また、所々「~である可能性があります」「不明です」等と表現しているように、専門家でも判別が困難なケースは珍しくありません。私が自力調査時参考にした書籍にも「詳細不明」と掲載されている写真が多々ありました。解明したい、でも分からない…そんなもどかしさもロマンですね。


以上、阪急電鉄「神戸三宮駅」の化石たちをご紹介しました。「広い場所で探したい」「アンモナイトをたくさん見付けたい」という方は東口側、「低い視線で探したい」「形や模様を楽しみたい」という方は西口側がよりお勧めですが、東と西でかなり見られるものに違いがあるので、ぜひ両方訪れて頂きたいです! 普段の生活の中で阪急神戸三宮駅を利用される際にはもちろん、夏休みのレジャーで駅を利用される際などに観察するのも良いと思います。

沿線おでかけ情報 | 阪急電鉄


普段何気なく利用している場所にこんな新鮮な発見が隠れているだなんて、実に感動的です。皆様もどうぞ、日常の宝探しや、ワクワクに満ちた素敵な夏を楽しまれてくださいね!

●阪急電鉄 神戸三宮駅●
〒650-0001 兵庫県神戸市中央区加納町4丁目2番1号
公式ホームページ 阪急電鉄 | 鉄道・沿線おでかけ・ファン向け情報など

神戸の日常系webライター(神戸市)

神戸でささやかに暮らしている一市民。大好きな町神戸の魅力を、心地よい日常から拾い上げて大切にお届けしていきます。記事を通して皆様と「わくわく」「ほっこり」な気持ちを分かち合えたら嬉しいです。よろしくお願いします!

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