【富士宮市】広い境内にクリーム色と朱色の社殿が目を引く!災難から身をまもってくれそうな『内野神社』
田貫湖に行く少し手前ののどかな田園が続く場所で、クリーム色と朱色の社殿が目を引く『内野神社』。
広い境内では、子どもたちが遊んでいる姿も度々見かけます。
内野神社はこの辺りにあった5つの神社を合祀して、1971年に創建されたそうです。
参道にある6基の灯籠があり、「山神宮」と記されていました。
また社殿左には2基の石祠が祀られています。文字などは読めませんでしたが、合祀された旧神社だと思われます。
社殿前にある石碑には「横手沢氏神社」「山神社」「大神宮」「足形氏神社」「内野神社」の5つの神社名が記されていました。
「横手沢氏神社」と「足形氏神社」に記された熊野三社大権現と言う神様の名前が気になったので、少し調べてみると、熊野三社大権現とは、家都御子大神(けつみこのおおかみ)、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)という神様のことでした。
神仏習合の時代に家都御子大神は阿弥陀如来、熊野速玉大神は薬師如来、熊野夫須美大神は千手観音にあてられ、日本の神々は、様々な仏が化身として現れたとする考えが、全国に広まったそうです。
奈良時代から始まったと言われる神仏習合の神様、熊野三社大権現を祀っていた神社というと、とても歴史のある神社を合祀しているということなんですね。
その昔、熊野神社に泊まった浮浪者の火の不始末で神社が火事になったことがあるそうです。
その火が原因なのかは定かではありませんが、集落全体が火事にあったことがあり、そのような災難が二度と起きないようにと願って「火伏念仏」が行われているそうです。「火伏念仏」とは、毎年新築の家を当家として火災防除・家門繁栄・招福災攘の願いを込めて行う念仏講で富士宮市指定無形民俗文化財になっています。
白糸小学校では伝統を受け継いでいけるように昔から引き継がれて来た「火伏念仏」のいわれや独特の太鼓や鐘の叩き方などを学んでいるのだそうです。
また、1820年に完成した地誌『駿河記』の中で、1781年に病が流行った際、山神社に詣でて祈誓した者は災を免れたと記されています。
多くの歴史が詰まった神社を合祀した内野神社。お参りしたらいろいろな災いから守ってくれそうです。
また道を訪ねたくて立ち寄った白糸会館には、見上げる程大きな巨木が展示されていました。
この巨木は白糸財産区有林で発掘されたもので、「神代杉」と呼ばれ、樹齢は約600年だそうです。思わず手を合わせたくなる「神代杉」。内野神社から白糸会館はすぐ近くなので、お参りに行く際には、こちらも必見です。
内野神社:富士宮市内野388-1
白糸会館:富士宮市原1113