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購入客の衝撃発言「もう外食はできない」週2日だけ「街中の商店」に届く「謎の高級野菜」の正体/藤沢市

ころんころライター(藤沢市)

【藤沢の農家さんシリーズ第25弾】

藤沢市辻堂東海岸に店を構えるオーガニックショップ『KISSAKO lab&pantry(キッサコ ラボ&パントリー)』。

『KISSAKO lab&pantry』
『KISSAKO lab&pantry』

この店は、店主が厳選したさまざまなオーガニック食材を扱う、言わば“セレクト商店”のような存在。ここに、“少々値の張る商品”が売られています。それがこちら。

量り売り野菜(価格は時価)
量り売り野菜(価格は時価)

力強さみなぎる地場野菜たち

なかでも週2回(水曜・日曜)のみ入荷する『まるほ農園』の野菜は、無農薬で「味が濃い」と評判の、知る人ぞ知る逸品。今回は『まるほ農園』の野菜が、どこでどのように作られているのかを調べてきました。

猛暑日のある日。取材場所として指定されたのは、足の踏み場もないほど草が生い茂った農地。足元に注意しないと、雑草に隠れた野菜をうっかり踏んでしまいそうに。。。

目を凝らすと、ニンジンの葉が…
目を凝らすと、ニンジンの葉が…

そんな個性的な畑から、まさかの“素足”で姿を現したのは『まるほ農園』の北條貴久さん。

『まるほ農園』北條貴久さん
『まるほ農園』北條貴久さん

10年前まで、藤沢市内の小学校教員として教育現場に従事していた北條さん。2011年に起きた東日本大震災でのボランティア経験などを通じ、次のような想いを抱くようになったと言います。

「畑をさまざまな人と共有し、人と人、人と自然(草や生き物)との繋がりを深め、人と環境が共に持続可能な形で共生し、調和の取れた関係と環境を築きたい。そしてこれからの人生は、心身の健康をより大切に考え、豊かな日々をていねいに送りたい」

その考えから決意したのが、どの時代においても欠かせない産業である「農業」にゼロから挑戦すること。

写真中央左「ウコン(葉)」写真中央右「サトイモ(葉)」
写真中央左「ウコン(葉)」写真中央右「サトイモ(葉)」

化学肥料はもとより、肥料その他畑には何も投入せず、耕作も行わない「自然栽培」を取り入れ、人間と自然(土壌)の健やかさを最優先に考えた、Sustainable(サスティナブル/持続可能)な野菜づくりに日々没頭しています。9年目となる現在は、年間50種類以上の野菜を栽培しているのだとか。

この日畑に実っていたのは、「赤オクラ」「薩摩白長ナス」「ピーマン」などの夏野菜。

「赤オクラ」
「赤オクラ」

「薩摩白長ナス」
「薩摩白長ナス」

「ピーマン」
「ピーマン」

先述した通り、どの野菜も農薬や化学肥料を使用せず、耕作も行わずに育てるため、「夏は勢い良く育つ雑草との闘いだった」と振り返る北條さん。「作物に必要な栄養や日照を確保するため、とにかく手入れが必要な農法ですが、根気強く向き合うことが大切」と言います。

草を残すことで、土の保湿や保温、やがて微生物達が分解し土に還っていくとのこと。そのため足元は比較的ふかふかとしていて、素足でも問題なく歩けるのだとか。

教師時代、児童の提出物に“まるいマークに「ほ」(通称「まるほ」)”を書いた確認サインからデザインが生まれた『まるほ農園』の屋号ロゴ
教師時代、児童の提出物に“まるいマークに「ほ」(通称「まるほ」)”を書いた確認サインからデザインが生まれた『まるほ農園』の屋号ロゴ

こうして自然の力のみで育った『まるほ農園』の野菜は、野菜本来がもつ純粋な味わいが濃く、食したお客さんが「もう外食はできない(ほかの野菜は食べられない)」と評するほど。スーパーのものよりは少々お値段が高くても、買い求める人が後を絶たないというわけです。

北條さんは、「農業にはさまざまな栽培方法がありますが、うちの育て方は、大型農機具を購入する必要がなく、誰もが始めやすいシンプルなノウハウが身につく点も魅力です。畑作業・田植え・稲刈りなどの農園体験・援農もできますので、農法ついてより詳しく知りたい方は、ぜひ公式ホームページ(外部リンク)からお問い合わせください」とも話します。

実は...

先日記事にした、農業と染物作家の“二足の草鞋を履く”「然月(ねんげつ/屋号)」の端山(はやま)さんは、教員時代の教え子。

「然月」の端山さん
「然月」の端山さん

「今でも教え子たちが訪ねてきてくれます。教えたり、教えられたりして、とてもいい関係が続いていますよ」と、嬉しそうに語る北條さん。取材当日も、栽培方法を学びに来た方の姿が見られました。

今後の収穫についてお聞きすると、「小松菜」「水菜」などの葉物野菜に加え、「カブ」「ニンジン」「ダイコン」といった根菜類も採れる予定とのこと。小規模農家ならではの強みを活かし、「カブ」「ダイコン」は10種類前後、「ニンジン」も5種類前後と、さまざまな品種の野菜作りに挑戦する予定だそうです。

題して、週2日だけ「街中の商店」に届く「謎の高級野菜」の正体。それは、「自然栽培」でじっくりと育て上げた、『まるほ農園』の無農薬野菜とわかりました。

販売先は、文頭でご紹介した辻堂東海岸の『KISSAKO lab&pantry』ほか、鵠沼商店街の『2525HOMEMADE(ニコニコホームメイド) 』、城南の『ecomo(エコモ)』、藤沢駅前北口広場で開催される『MARKET251』など。

販売予定については、『まるほ農園』の公式ホームページ(直売所情報/外部リンク)よりご確認ください(天候や端境期などにより、販売していない場合もあります)。

基本情報
農園名:まるほ農園
※まるほ農園の畑で直接野菜をご購入されたい方は下記メールアドレスまでご連絡を。
maruhofarm2016@gmail.com

公式 ホームページ(外部リンク)
公式 Instagram(外部リンク)

取材・校正協力 まるほ農園 北條様

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ライター(藤沢市)

湘南エリアの複数メディアや紙面、昭文社「まっぷるトラベルガイド」などで、記事執筆&撮影を担当。取材スポットは1000ヶ所超え。そんな取材後記や、徒然なるままのゆるゆる日暮らしを、Instagramに綴っています。ほわっとあたたかくなる「神奈川県藤沢市」の情報をお届けできたら幸いです。※毎週日曜の20時10分に、LINEを通じて1週間分の記事を「まとめてお届け (ダイジェスト配信)」しています。友だち追加すると、藤沢市の話題(特に美味しいもの情報)に困りません。

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