豊かな水郷景観が広がる水元公園の小合溜では、10月下旬から冬の渡り鳥の「ヒドリガモ」や「キンクロハジロ」、「ホシハジロ」などが見られるようになりました。現在、水辺の一角は、シベリアから帰ってきたカモたちを見守る来園客でにぎわっています。

青い水をたたえる小合溜の中で、現在カモが多く集まっているのは花菖蒲園の東側。特に小合溜の南の角から、大きなあずまやが建つあたりは、絶好の観察ポイントです。このエリアの護岸から水面をのぞむと、既に数百羽のカモたちが水に浮かんでいる様子が見えます。

これらのカモたちは、夏の間はシベリアなどで過ごし、越冬のために日本へやってきたもの。はるかに長い距離を飛んで水元公園までやってきたんだなーと思うと、「おかえりなさい！」と声をかけたくなります。

いま小合溜の岸辺の近くで、比較的よく見られるのはヒドリガモ。オスは頭部が赤褐色で、額の部分だけ白いため、遠くから見ても目立ちます。「ピューイピューイ」という澄んだ鳴き声も愛らしく、来園客の人気を集めています。

さらに水面の奥にじっと目を凝らすと、キンクロハジロやホシハジロも多数飛来していることがわかります。キンクロハジロのオスは頭や背中の羽が黒く、翼の部分に白い帯が入っているため、慣れると探しやすいカモです。よく見ると目が金色で、とても印象的な姿をしています。
ホシハジロのオスは赤茶色の頭と黒い胸を持ち、体の側面の羽は白です。赤茶と黒のダークカラーと、白い部分の対比が、ひときわ目を引くカモです。

立冬を過ぎると、ますます多くのカモが小合溜に集まってきます。水元公園を彩る背の高い木々の紅葉も徐々に進んでおり、いよいよ晩秋の華やかな光景が見られますよ。

遠くからはるばる帰ってきたカモたちでにぎわう小合溜の様子を見に、水元公園へ足を運んでみてくださいね。水辺を彩る木々が色付く様子も必見です！

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