【神戸市中央区】神戸にもこんな身近にある戦争の跡
毎年8月は終戦記念日があることで戦争に関する報道や番組が多くなる月です。神戸にも日ごろ私たちが行き交う身近なところに戦争の跡が残った場所がいくつかあります。
加納町第1架道橋に残る銃弾で撃ち抜かれた跡
JR三ノ宮駅の線路に沿って架けられた歩道橋からすぐ見ることができる青く塗装された鉄橋、正式名称は加納町第1架道橋と明記されています。この青色の鉄橋に銃弾で撃ち抜かれた跡が残っています。
歩道橋に立つと金網越しに青色の加納町第1架道橋は間近に見ることができます。
この鉄橋部分をじっくりと見ていくと何か所かにいびつに開けられた穴を見つけることができます。これは第二次世界大戦時に米軍の軍機による機銃掃射によって撃ち抜かれた跡とのこと。この機銃掃射がどれだけの威力を持っていたのかは、この厚い鉄板をえぐるように貫通させた跡を見るだけでも想像ができます。また銃弾の抜け方から山側(北側)から撃っていることもわかります。この痕跡はいろいろなことを現代の私たちに教えてくれます。
海岸ビルなど旧居留地ビルに残る銃弾跡
旧居留地に残るビルにも銃弾の跡が残されています。そのひとつが海岸ビル。大戦時、海岸ビルには海軍武官府が置かれていました。
海岸ビルの外壁には至る所に穴を埋めた箇所を見ることができます。これらは米軍のグラマン機による機銃掃射により撃たれた銃弾の跡とのことです。
海岸ビルから少し離れた場所にある神戸市立博物館の外壁にも銃弾の跡とみられるものが残っています。ここにも広範囲に渡り穴を修復した箇所が見られます。
神戸では戦前につくられた通称ガリバートンネルが年内に壊される予定など歴史的な建造物が年々壊されていく傾向があります。戦争跡地とは悲惨な出来事の遺物ですが、それだからこそ後世に残す価値があるものではないでしょうか。この跡地が伝えてくれるものははかり知れません。
海岸ビルヂング
神戸市中央区海岸通3-1-5
神戸市立博物館
神戸市中央区京町24番地