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台風11号で大東島地方は最大瞬間風速70メートルの烈風が吹くおそれ

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風11号の雲の様子(ウェザーマップ)

沖縄の大東島地方を直撃へ

台風11号の予報円(ウェザーマップ)
台風11号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風11号はコンパクトながらも非常に強い勢力に発達し、日本の南海上を西寄りに進んでいます。タイトル画像の雲の様子をみても、台風の中心付近に針でつついたような明瞭な眼が見えており、勢力がかなり強いことを物語っています。

きょう30日(火)午前9時現在の勢力は、中心気圧950hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速65メートルとなっており、今後さらに発達しながら西寄りに進み、予報円の真ん中を進むと、あす31日(水)午前9時頃に、沖縄の南大東島付近を直撃する予想です。

この時点の中心気圧は940hPaで、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルに達していると見られ、大東島地方は記録的な烈風に見舞われるおそれがあります。

なお大東島地方を通過した後は、沖縄本島の南海上で動きが遅くなり、しばらく停滞するような感じになったあと、今度は北寄りに進み、4日(日)頃に沖縄地方を北上する見込みです。

大東島地方は最大瞬間風速70メートルの烈風が吹くおそれ

風の強さと吹き方(気象庁発表資料を筆者加筆)
風の強さと吹き方(気象庁発表資料を筆者加筆)

気象庁の発表によると、大東島地方では、あす31日(水)に最大瞬間風速70メートルの烈風が吹く予想となっています。

これまでに観測された大東島地方での最大瞬間風速の記録は、南大東島で1961年10月2日に記録した65.4メートルですから、予想通りならば、この記録に匹敵するか、あるいはこれを上回るような記録的な暴風、烈風に見舞われるおそれがあります。

上図は気象庁が発表している風の強さと吹き方ですが、最大瞬間風速が60メートルを超えると、住家で倒壊するものがあったり、ブロック壁で倒壊するものがあったり、命に関わるような被害が発生する可能性があります。

今回の台風11号は、今のところコンパクトな台風で、接近すると急激に風が強まる特徴があるため、風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど、暴風に対して厳重な警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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