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ガザ、ウクライナ危機、日本国憲法が果たし得る役割とは?

志葉玲フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
右はガザ、左はウクライナで筆者撮影

 イスラエル軍による、パレスチナ自治区ガザへの攻撃は、なおも続いており、犠牲者数は増える一方。また、ロシアによるウクライナ侵攻も2年目を迎えた。この二つの大きな危機を語る上で、キーワードになるのが、「ダブルスタンダード」(二重基準)だ。ロシアによる侵略に抵抗するウクライナを支持し支援する欧米は、一方でガザを抑圧し続け、昨年10月以降、大量虐殺とも言えるような無差別攻撃を行っているイスラエルを支持している。他方、ロシアは自国の侵略を棚に上げながら、イスラエル寄りの欧米を批判する。こうしたダブルスタンダードとそれによる分断は、パレスチナやウクライナの市民にとっては勿論のこと、国際秩序にとっても極めて深刻な事態だ。そこで、パレスチナとウクライナの両方を取材した筆者が「ダブルスタンダードで分断される世界」をテーマに語ったイベントの内容を紹介する。以下、前回の記事*からの続き。

*パレスチナとウクライナ~ダブルスタンダードで分断される日本と世界

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c8fe5b75552d238d8842bdad8fcf61c34ba52196

〇好き嫌いではなく、大事なのは「法」

 要するに私が言いたいことは、国連憲章だとか国際人道法だとかその他、人権関係の様々な条約から考えて、ロシアのプーチン大統領を支持することもイスラエルのネタニヤフ首相を支持することも、ありえないっていうことですよね。はい、好き嫌いとかじゃなくて、法というものに従って言えば、そういう様な見方ができるということです。

 私は 自分が取材を行う時にそういう原理原則に基づいて取材をしてるんですよね。だから偏見なく、いろんな国のいろんな地域で取材することができる。もちろん、その国に対する愛着だとかシンパシーというものも、大事だと思いますよ。大事だと思うんだけど、それだけに頼ってると、結局「好き嫌い」で物事を判断してしまう。だから、そこの限界っていうものも気がつくべきかなと思うわけです。

 例えば、私もYahooニュースなどでよく記事書いるんですけど、ガザで今何が起きてるのか、私の知り合いが動画を送ってくれ たんですけど、イスラエル軍は難民キャンプとか空爆しているわけですよ。無茶苦茶ですよね。

 さっきも言った通り、民間人がいるところに攻撃するということは、国際人道法上、禁止されてることで、仮にそこに軍事目標があったとしてもですよ、そこにあのハマスがいたからと言っても、国際人道法上どういう風に解釈されるかっていうと、その攻撃目標を攻撃する際に民間人を巻き込まないようちゃんと配慮することが求められる。専門的な言い方で言うと「均衡」というのですけど、要は、釣り合いが取れてるか、軍事目標を攻撃する際にそれに伴う民間人の被害が大きすぎてはだめですよということは、ちゃんと決まってるわけです。でも、ガザの状況は、どう見ても釣り合いが取れていない、不均衡な状況です。

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フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)

パレスチナやイラク、ウクライナなどの紛争地での現地取材のほか、脱原発・温暖化対策の取材、入管による在日外国人への人権侵害etcも取材、幅広く活動するジャーナリスト。週刊誌や新聞、通信社などに写真や記事、テレビ局に映像を提供。著書に『ウクライナ危機から問う日本と世界の平和 戦場ジャーナリストの提言』(あけび書房)、『難民鎖国ニッポン』、『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう!ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共著に共編著に『イラク戦争を知らない君たちへ』(あけび書房)、『原発依存国家』(扶桑社新書)など。

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