無業期間が3年を越えると、90%以上がどうしたらいいのかわからなくなる。
無業の状態に陥った若者が、無業期間中にどのような状態、状況であったかを調査しています。どうしても支援機関にアクセスすることができた若者が対象ですのでバイアスがかかってしまうのですが、それでもいろいろな発見があります。今回の調査は3月下旬での公開を目指して、現在まとめ作業に入っています。
そのなかで、無業期間と若者の状況の変化に着目していたところ、「無業期間が3年を越えると、90%以上が”どうしたらいいのかわからない”」状況に追い込まれていることが見えてきました。
「就労・就学に向けて行動しようと思ったきっかけ」の項目において、そこから行動するための手段をお聞きしています。その際、「どうしたらいのかわからない」についての解答と無業期間を図にしたものが以下になります。
無業となって最初の6ヶ月から3年の間も70%-80%がどうしたらいいのかわからないでいたことも大変驚きましたが、その期間が3年を越えたときに、よりいっそうどうしたらいいのかわからなくなってしまっています。
現在のところ、特に政策的にスポットがほとんどあたっていない無業の若者への支援ではありますが、そのなかでも支援の成果として設定されるのが「就(復)学・就(復)職」です。これに関して、目標をそこに置くのであればまだしも、成果基(目的)が就学と就職だけとなってしまうことに、若者支援分野のみならず、多くの対人サポートに携わる支援者であれば違和感を持っていると思います。
そこで政府や自治体の審議会や委員会で発言をしたり、成果基準変更のためのアクションを起こしています。援助職の現場が勝手にそう考えているわけではなく、成果基準が就学と就職におかれると、仕様書(サービス内容)も準じて設定されていきます。もともとすぐにでも就学や就職を考えている若者にとっては使い勝手がよいサービスかもしれませんが、現状ではそこまで考えられない(ただしいずれは)ところから前に進んで行こうとされる若者はシンドイのではないでしょうか。現にそういう声もお聞きします。
若年無業者においては、就業行動を起こしている「求職型」、就業を考えているが就業行動を取れなくなってしまっている「非求職型」、そして、就学や就職を考えられる段階ではなくなってしまっている「非希望型」に類型化されます。
これは推察にしかなりませんが、無業期間が3年未満であっても70%以上が、3年を超えると90%以上が「どうしたらいいのかわからない」としているのならば、単純に官民関わらず進学や復学、就職や復職のためのサービスを提供している機関に行けばよいということではなく、現状の課題を整理したり、課題解決に向けてどうしていくかを一緒に考え、伴走できるものが必要になります。なぜ求職行動を起こせなくなっているのか、なぜ今後を考えられない状況にまで陥ってしまっているのか、個人の側面と環境や社会の側面から勉強していきたいと思います。
今回の調査に各地から協力していただいたNPO法人は、厚生労働省の政策である、ほぼ唯一の国としての若年無業者対策である地域若者サポートステーションを運営しているところが多く、冒頭にも書きましたが調査対象者はそれらの支援機関にアクセスできた方にほぼ限られています。
調査対象者は以下のようになっています。