【専門家解説】赤ちゃんが朝4時や5時に起きる「早朝起き」の解決法
育児中の皆さんは
「赤ちゃんが毎朝4時、5時に起きてしまって辛い」
「遅く寝かせても朝4時に起きてしまう…」
「ゆっくり寝るように昼寝を減らしたのに早朝起きする」
など、お子さんの早朝起きに悩むことはありますか?
今回の記事は乳幼児睡眠コンサルタントねんねママが、赤ちゃんの早朝起きに関して
- 早朝起きのデメリット
- 早朝起きする6つの原因
- 早朝に起きてしまった時の対応
- 早起きを改善させようとしてやりがちな失敗例
を解説します。
早朝起きのデメリット
親にとってのデメリット
「早起きは三文の徳」と言われるくらい早起き自体は健康にもよく、とても良い習慣ですが、朝4時…となるとちょっと早起きすぎますよね。
そんなに早い時間に子どもに起きられてしまうと、親は睡眠不足になってしまいます。まだ世間が起きていない中で自分だけがこんな時間に育児している…寝ていたいのに…とネガティブな思考になっていってしまいがちです。
こんな時間に起きてくる子どもにイライラし、睡眠不足で思考能力が低下し、体力も回復しきれていないので子どもに付き合いきれない…となってしまいます。
子どもにとってのデメリット
もしお子さんが夜18時に就寝していて、朝5時に起きているのであればそれはもう十分に睡眠が取れて起床していると考えられます。しかし、21時に寝たのに4時に起きてしまう…これでは7時間しか眠れておらず、睡眠不足だと考えられます。
子どもも大人同様に睡眠不足だと集中力や思考能力が低下し、イライラしやすくなります。赤ちゃんであればちょっとしたことに敏感になって泣く、機嫌よく過ごせる時間がなくなってしまって1日中泣いている、ということにもなりかねません。
また、1日のスタート時間が早朝になるため、生活リズムが乱れてしまう、朝寝が夜の睡眠とつながって長くなりすぎてしまうなどというトラブルも起こりやすくなります。
早朝起きする6つの原因
原因①日中の睡眠不足
早朝起きや夜泣きにつながる大きな要因が日中の睡眠不足です。
日中に十分な睡眠がとれていないと、脳の理性的な部分の機能が弱くなってグズグズしやすくなったり、睡眠の質を悪くしたりしてしまいます。
そうなると、質の悪い睡眠で眠りが浅いので、ちょっとした刺激で目が覚めやすくなってしまうのです。そしてそのまま再度眠りにつけずに起きてしまう、ということにつながります。
ぜひ日中は月齢にあわせた十分な睡眠時間を(無理のない範囲で)取るようにしてみてください。
※数字はあくまで目安ですので、数字に捉われすぎず、お子さんが機嫌よさそうにしているか元気そうにしているかを観察してみてください。下記はあくまでその観察のための目安です。
原因②就寝時刻が遅い
就寝時刻が遅いと子どもが疲れすぎてしまって、原因①と同じく睡眠の質が悪くなることにつながります。
そのため、睡眠の質が悪くなり、起きやすくなることにつながってしまうのです。
最近は共働きのご家庭が多く、保育園のお迎え~食事~お風呂~遊び~就寝とどうしても就寝が遅くなってしまいがちですよね。
しかし、昼寝から夜寝るまでの時間が長いとそれだけ起きている時間が伸びてしまうことになります。可能な限り、早めに寝かしつけをしてあげることを心がけてみてください。
原因③ 朝寝が早すぎる
早朝起きしてしまったときは朝寝が早くなってしまいがちです。そうすると生活リズムが乱れやすくなりますし、それが続くと朝寝が夜寝とくっついてきてしまって区別がなくなってきてしまう、ということが起こったりします。
子どもにとっても「早く起きても、朝寝すればいいんだ!」という考えになってしまいかねません。
1日のスケジュールが確立してくる生後6ヶ月以降は朝8時前の朝寝はできるだけ避けた方がよいでしょう。もし早く起きてしまった場合も、時間や月齢にもよりますが少し頑張って8時くらいまで起こしておくほうがベターです。
原因④ 部屋が明るい
早朝起きの大きな要因の1つが、光の漏れで部屋が明るくなってしまっていることです。質の良い睡眠のために寝室は「真っ暗」が推奨です。豆電球などもなく、真っ暗です(ぐっすり寝られているようであれば、この限りではありません)。
我が家の寝室は遮光カーテンで、端っこの浮いてしまう部分をテープで留め、カーテンレールやカーテンの下のわずかな隙間もすべて布などで覆っています。
※この方法は窓が開けづらくなるので、遮光シートなどの活用もおすすめです!
一筋の光すらも敏感な赤ちゃんにとっては睡眠を妨げる要因になります。時計の読めない赤ちゃんは、明るくなってくると「あれ?もう起きる時間かな?」と思ってしまうのです。
真っ暗な部屋は大人にとっても良質な睡眠につながりますので、遮光カーテン(一級遮光、できれば100%完全遮光のもの)の導入はぜひおすすめします。
原因⑤うるさい
道路際や線路際の立地のお宅の場合、朝5時頃になると音がうるさくなってくるということがあるかと思います(繁華街にお住いの方は夜中の間中うるさいかもしれませんね)。そういった音が目を覚ます要因になっていることも考えられます。
必ずしも何にも音がないのが良いというわけでもありません。赤ちゃんがお腹の中で聞いていた音に近いサーサーという砂嵐のような音(ホワイトノイズ)は他の音をかき消してくれ、赤ちゃんを安心させてくれる効果があります。
スマホのアプリでもありますので、周囲の騒音や早起きして出社するパパが忍者のように支度しているという場合は試してみることをおすすめします。音を鳴らすのは頭の上は避け、枕元から2m程度は離すようにしてください。
原因⑥暑い/寒い
就寝中のエアコンはタイマーにされている方が多いかと思います。
タイマー設定が必ずしも悪いということではないのですが、その場合明け方になってくるとエアコンが停止してから時間が経って暑すぎたり寒すぎたりということが起こりやすくなります。
子供は暑がりなので、大人が少し肌寒く感じるくらいの20~22度が適温(夏はもう少し高くてもOK、冬は18〜19度程度が目安)です。その温度に保てるように空調を調整することで、室温による不快感がなくなってぐっすり眠れることにつながります。
室温ごとの服装はこちらの動画も参考にしてください。
早朝に起きてしまった時の対応
対応①6時までは寝室で過ごす
4~5時に起きてしまっても、「じゃあ起きようか」とリビングに移ったり、リビングでテレビを見せたりすることはおすすめしません。
「起きれば遊べる!」と覚えてしまい、リビングで遊びたくて、テレビが見たくて、どんどん早く起きるようになってしまいかねないためです。泣いてもぐずっても、できれば6時までは寝室で夜のねんねタイムとして過ごすようにしてみてください。
対応②6時になったらカーテンを開けて「おはよう!」
太陽の光を浴びることは昼夜の違いを覚えるために重要です。大げさなくらいに「おはよ~!!」と元気よく挨拶してあげてください。
朝起きてから最低でも15分程度日光を浴びることによって、ホルモンバランスが整い、昼夜の感覚を養うことにつながります。
出社前のパパとの交流時間として、朝の時間を使うこともおすすめします。特に早寝に整えると夜には遊べなくなってしまう!というパパの場合は、この朝の時間を活用してみてください。
早起きを改善させようとしてやりがちな失敗例
失敗例① 夜寝られるように昼寝を減らす
「昼寝しすぎているから夜寝られなくなるのかも?!」そう思って昼寝をあまりしないようにセーブさせてしまうご家庭は実は少なくありません。
ですが、原因①にも記載のように日中の睡眠不足が早朝起きの原因になってしまいます。意外ですが、日中はしっかりと昼寝をさせてあげることが、朝までしっかり寝てくれることにもつながるのです。
失敗例② 早起きしないように遅く寝かせる
「早朝に起きてしまうのは早く寝かせすぎているからだ!」と就寝時刻を遅くしようとする方、とても多いです。
ですが、これもとてもよくある勘違いで逆効果になってしまう可能性が高いです。理由は原因②のように就寝時刻が遅くなることで疲れすぎて、睡眠を邪魔するストレスホルモンが溜まってしまうことや生活リズムが乱れることによって変な時間に起きてしまうようになる、ということが挙げられます。
パパの帰宅を待ってお風呂に入れているから遅くなってしまう…などという場合は、パパは朝担当になり、お風呂はママに入れてもらうなどと調整してみることをおすすめします。
目安は19時〜21時くらい。できるだけ早く寝られると良いですが、保育園のご都合などもあるので、できる範囲で早く寝かせられるようにしてみてくださいね。