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お盆に帰省したら実家の冷蔵庫パンパン、どうする?冷蔵庫は認知症の確認にもつながる #専門家のまとめ

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
(写真:イメージマート)

食品ロスに関する仕事をしていると「実家の冷蔵庫がパンパンで、どこに何があるかわからない」という話を耳にする。高齢の親が何でも冷蔵庫に詰め込んでいるという。住んでいる家の近所に食料品店がない場合、一度にたくさん買って家に貯めておく必要はあるが、冷蔵庫にあまりに詰め込みすぎると食品ロスになってしまう。そこで、高齢の親が住む実家へお盆に帰省した際、どのように冷蔵庫を整理したらいいか、まとめてみた。

ココがポイント

▼冷蔵庫の中で居場所を決める。普段あまり食べない日持ちするのは上段へ、消費・賞味 期限が迫っているものは手の届きやすい棚へ

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▼マスキングテープにマジックで消費期限・賞味期限を大きい文字で書く。調味料は容器の裏側に賞味期限が書いてあるので表に貼る

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▼基本となる調味料「さしすせそ」のうち「せ(醤油)」と「そ(味噌)」を冷蔵庫に。保存性の高い砂糖と塩には賞味期限がない

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▼家庭から出る食品ロスのうち47%が野菜。野菜室を紙袋で仕切る、市販の野菜保存袋を使う、干す。棚の真ん中の送風口を塞がない
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エキスパートの補足・見解

冷蔵庫に入れる量は、全体の50〜70%程度におさめるとよい。その方が、食材が冷えやすいし、どこに何が入っているかもわかりやすい。地震や台風に備えて食材を備蓄したい場合、冷蔵保存が必要な食材ではなく、常温保存できるパックご飯やレトルト食品、そうめんやパスタなどの乾麺、魚や果物類などの缶詰を、使っては買い足す「ローリングストック法」で常備しておきたい。

高齢の親の場合、冷蔵庫にあふれるほど食材が詰まっていたり、どれも賞味期限が切れていたり、同じものを大量に買っていたりしたら、記憶力や判断力の衰えや認知機能の低下の可能性も考えられる。お盆に実家へ帰省したら、まず冷蔵庫をのぞいてみることをおすすめしたい。

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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