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ライブレポート:RYTHEM、20周年感謝祭ライブで奏でた極上のハーモニー

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
photo by RYTHEM

●プレミアムなソールドアウト公演

アニメ『NARUTO-ナルト-』のエンディングテーマに起用されたシングル『ハルモニア』のヒットなどで知られるシンガーソングライターユニットRYTHEMが、2024年6月29日に日本橋三井ホールにて、20周年ありがとう感謝祭『新たな物語。これからもてんきゅっ♪』を開催した。

photo by RYTHEM
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筆者がRYTHEMと出会ったのは、00年代冒頭、カルチャー雑誌『Barfout!』の編集をやっていた頃。90年代末、MISIAや宇多田ヒカル、椎名林檎の登場によってJ-POPシーンが成熟し、ヒット争いが壮絶なシーンにおいてRYTHEMは新しい風を吹かせた。シンガーソングライターの二人が生み出す流麗なるハーモニーが心地よい、フレッシュかつピュアなポップソングを生み出してくれていたのだ。

●約14年ぶりのニューアルバム 『ウタタビ』をリリース

RYTHEMは、高校の同級生だったYUIとYUKAによって2002年3月、高校の部活の休み時間に結成。2003年5月21日にアニメ『NARUTO』のEDテーマ「ハルモニア」でデビュー。8年間の活動を経て2011年に解散。その後、YUIはNeat’s(新津由衣)、YUKAはyucat(加藤有加利)としてソロ活動を行なっていたが、2021年5月21日に公式YouTubeチャンネルで再結成を発表。昨年からの20周年イヤーを駆け抜け、感謝祭をテーマとしたライブとなった。

しかもライブ当日には、約14年ぶりのニューアルバム 『ウタタビ』をリリースしたことも話題となった。驚くべきは二人による息のあったクオリティーの高さだ。

https://lgp.lnk.to/KS1Lyq

アルバムは、3月20日に先行配信リリースしたた武部聡志プロデュースの「星風」ほか、過去曲を踏襲した楽曲や新たな扉を開ける新曲など、過去と現在、未来を繋ぐ過程を旅する作品集へと仕上がった。

photo by RYTHEM
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●せつなくも優しさに満ち溢れるハーモニー

定刻すぎ、鳴り響く耳覚えあるSEと拍手。アナログかつキュートなステージセットがRYTHEMらしい。二人は赤いファッションに身を包みステージ中央、キーボード&ギター弾き語りから始まるバンドサウンドで登場。オープニング曲は00年代のポップアンセム「ハルモニア」だ。せつなくも優しさに満ち溢れるハーモニーで紡ぐRYTHEMの世界が幕を開けた。

続いて、ハンドマイク姿で向き合いオーディエンスを軽快に盛り上げていく「てんきゅっ(ニューサマー便)」。ウクレレのイントロダクションから柔らかなメロディーへと誘う「ブルースカイ・ブルー」など、ライブを彩るポップチューンによってオーディエンスを沸かす。

「こんばんは、RYTHEMです! 本日はお越しいただきましてありがとうございます」(YUI)

「今日は、3ヶ月も前にチケットソールドアウトしました!」(YUKA)

「1年前に20周年イヤーに突入しまして、それから1年間。今日は20周年ありがとうの締めくくりをみなさんとできたらと思っています。皆さん楽しみにしてくれていましたでしょうか?」(YUI)

「皆様の顔が全部見えます! みなさん一人一人と目を合わせて心を通わせて届けていきたいと思います」(YUKA)

大きな拍手と歓声で答えるオーディエンスたち。会場は、ポジティブかつあたたかな雰囲気でいっぱいだ。楽曲は、RYTHEMの魅力をじっくり&しっとりと伝えていくバラード「蛍火」、「ツナイデテ」。ミディアムにメッセージとメロディーが心に突き刺さる「願い」を歌い、再びMCタイムへ。

「RYTHEMの曲は、いろんな思い出があります」(YUI)

「だって20周年になりましたからね!」(YUKA)

思わず感動で涙するファンたち。当時小学生で、今回はじめてRYTHEMのライブを観る方もいるフレッシュな空間だ。

●アジアなど海外人気も高い名曲「万華鏡キラキラ」

「次の曲は、素敵な三日月に乗って歌いましょう!!!」(YUI)

photo by RYTHEM
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ステージ上の三日月に腰掛け、コーラスワークが荘厳な「ラプンツェル」を歌う二人。RYTHEMの二人にしかできない距離感の近いドラマティックな歌唱表現、そんな奇跡的なシーンが目の前で繰り広げられながら、アジアなど海外人気も高い名曲「万華鏡キラキラ」へ。その後、バンドがはけてステージには二人だけで当日リリースのアルバムから距離感の近い日常系ポップな「Mr.G」、さらに2010年にリリースしたアルバム『リズム』から「all-ways」をプレイ。

YUIのエレピ演奏中にバンドが戻り「A Flower」、「再愛」、「メロディ」を奏で、オーディエンスとのコール&レスポンスを楽しみながら、最新アルバムから「20thリズム」を披露。

本作が持つ芳醇かつ軽快なポップセンスは、令和の音楽シーンにRYTHEMの健在を表明するナンバーとなった。もし、最新のRYTHEMとは? そんな問いに答えるのにぴったりなキラーチューンの完成だ。

続いて、オーラスへとアップテンポな最新アルバムの人気曲「ハモり鳥」、「僕らのこどもたち」、「星風」と続き、本編ラストはファンによる投票で人気ナンバーワンとなった名作「ホウキ雲」へ。フォーキーなリフに牽引され、メロディアスな歌心が伝わる高揚感。歌詞で印象的だった“ほんの少しの風が吹きました 最後の魔法は弱い心も信じること”。そんなフレーズが、琴線をやさしく刺激してくれた。RYTHEMの歌は、ぼくらの気持ちにそっと寄り添ってくれる。そんな光のようなナンバーなのだ。

●エバーグリーンな宝物のような楽曲たち

鳴り止まないアンコールの拍手。会場スクリーンにはツアーで巡った全国各地の映像が総集編のごとく投影され、二人はステージに舞い戻り、来年2025年5月24日,25日に当日と同じ会場である日本橋三井ホールにて2DAYSライブが決まったことを告げた。しかも、二日間でセットリストが丸々変わるという。喜びで沸きあがるオーディエンスたち!!!

その後も、ツアーグッズやアルバムの説明をしながら、愛すべきバンドメンバーを紹介。たくさんの感謝の気持ちを述べ「Homey」へ。さらに、アンコールでお馴染みの「三日月ラプソディー」を長めにプレイ。会場中がひとつとなる大合唱のフィナーレとなった。

色褪せることのないリアルタイムにエバーグリーンな宝物のような楽曲たち。

RYTHEMが生み出す音楽とは、そんな輝きを解き放つことを再認識させてくれたステージとなった。そして、RYTHEM の活動はまだまだ続いていく。

なんと、2024年9月にビルボードライブツアー横浜&大阪が決定。ピアノに武部聡志、ギターに佐々木"コジロー"貴之を迎えるスペシャルなライブとなりそうだ。ぜひ、令和時代に躍進する最新のRYTHEMの二人をチェックしてほしい。

photo by RYTHEM
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<INFOMATION>

【ビルボードライブ横浜】(1日2回公演)

2024/9/5(木)

1stステージ 開場16:30 開演17:30

2ndステージ 開場19:30 開演20:30

【ビルボードライブ大阪】(1日2回公演)

2024/9/9(月)

1stステージ 開場16:30 開演17:30

2ndステージ 開場19:30 開演20:30

【チケット一般発売中】

billboard YOKOHAMA

http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=15027&shop=4

billboard OSAKA

http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=15028&shop=2

【RYTHEM 2025年 2DAYSライブ】

日程: 2025年5月24日(土)、25日(日)

会場:日本橋三井ホール

※公演の詳細は、決定次第RYTHEM公式ホームページにて随時発表いたします

5th Album「ウタタビ」

発売日:2024/6/29

価格:¥11,000+税

MHCL-3090〜3091

内容:CD+BD

https://lgp.lnk.to/KS1Lyq

https://lnk.to/Mp0LiU

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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