【神戸市東灘区】カワイイ文化のクリエイター 内藤ルネ展 神戸ファッション美術館 6月25日まで
日本のカワイイ文化の先駆けとなった大きな瞳が輝く「ルネガール」の作者である内藤ルネの回顧展が神戸ファッション美術館で開催中です。
内藤ルネの世界観と膨大な仕事遍歴を見られる回顧展
今展の展示物の撮影と公開はOKであることが入り口前に掲げられてます。最近のアート展では口コミ宣伝効果を期待してかSNS公開を容認する展示が増えてきました。
内藤ルネ展のサブタイトルは「Roots of Kawaii」。世界的に広がっているカワイイ文化のルーツがここにあり、という意味合い。今のトレンドにまさに刺さります。
内藤ルネの絵と似たようなイラストを他にも見た記憶があるなと思ってましたが、それは中原淳一のものでした。それもそのはず、内藤ルネは中原淳一のイラストに憧れて絵を描き始めて中原によりその才能を開花させるきっかけをもらったのでした。つまりは師匠と弟子の間柄。中原淳一のイラストを見てからこの内藤ルネ展を鑑賞するとよりその系譜が感じ取れるのではないでしょうか。
瞳が大きくキラキラした女の子、ルネガールの特徴です。イラストに描かれたデザインからの衣装の展示物も多くあります。
ピーチの飛行機の機体にルネガールやルネパンダなどのイラストをラッピングしたコラボ展開。ピーチ機のカワイイラッピングデザイン、開催中は大きな話題になりました。
内藤ルネの出身地の愛知県岡崎市ではルネガールのデザインを使ったデザインマンホールを採用。そのマンホールの展示もあります。
内藤ルネは雑誌「薔薇族」の表紙デザインも担当していました。自身が性的マイノリティであることを晩年カミングアウトしてますが、現在のようにLGBTQの概念が世間に浸透していなかった当時の心境はいかばかりかと想像しました。
ルネガールの明るいタッチとは真逆とも言えるゴシック&ロリータ系のイラストも手掛けています。どちらの世界観が内藤ルネ自身には近かったのでしょうか。
昭和の高度成長期に流行した数多くのファンシーグッズのデザインも手掛けています。その仕事量は展示されているものだけでも相当数あります。これらの展示物を見れば世の中に大きく貢献したイラストレーターであったことがわかります。
昭和時代を生きた人なら見ればどこか懐かしく感じるシールなどのデザイン、これらの多くも内藤ルネがデザインを手掛けていました。当時の小学生などは机やタンスなどにシールを貼っていたものでした。
内藤ルネ展は2023年6月25日まで神戸ファッション美術館で開催しています。
「Roots of Kawaii 内藤ルネ展」デビュー70周年記念特別展
会期 2023年4月8日(土) - 6月25日(日)
開館時間 10:00 – 18:00 (入館は17:30まで)
休館日 月曜日
入館料 一般1,000円、大学生・65歳以上500円、高校生以下無料、神戸市内在住の65歳以上無料、※30名以上の団体割引あり
神戸ファッション美術館
神戸市東灘区向洋町中2-9-1
六甲ライナー アイランドセンター駅下車