受講者数が300名超え!さらなる拡大も期待されるアスリート特化型ビジネススクール・ABUが目指す未来
アスリートの受講生が急拡大。Athletes Business Unitedが描くビジョンと今後
「アスリートにセカンドキャリアという言葉はいらない」
そんな熱い言葉でアスリートたちの心を掴み続ける中田仁之氏。アスリートの未来を支えるべく、アスリートに特化したビジネススクール「Athletes Business United(以下、ABU)」を運営する代表である。
アスリートと事業を作り続ける彼が目指すのはアスリートへの事業譲渡と、その先にあるアスリート自らの力で歩んでいけるキャリアの形成だ。
今回はそんな中田氏に新しく始まったトークン事業「ABUトークン」や、すでにABUをきっかけに立ち上がったプロジェクト、今後のメディア露出について話を聞いた。
(*記事中の画像で表記がないものはABU及び中田仁之氏の提供)
アスリートに特化したビジネススクール・ABUの現在
ーABUの現在について教えてください。
中田 ABUは2020年に設立したアスリートに特化したビジネススクールです。プロ野球選手やJリーガーなどのトップアスリートから、各競技の選手、アマチュアアスリートの選手、障害スポーツのパラアスリートなどさまざまなアスリートたちが在籍しています。
受講生の年齢も10代から40代と幅広く、ビジネスを学んで就職のサポートをしたり、独立起業のサポートなど、アスリートたちの次の1歩を応援するスクールとなっています。そして、設立してから、もうすぐ3年になりますが、これまでのべ305名の受講生がいます。
会社としては、取締役として元フジテレビアナウンサー田中大貴氏や元Jリーガー近藤岳登氏などスポーツに熱い気持ちを持ったメンバーと共に運営しており、アスリートたちの人生を盛り上げるため尽力してきました。
ー今後の具体的な目標を聞かせて下さい。
中田 現在の受講生は、アーリーアダプターだと考えています。新しいものに対して、関心を持ち、積極的に参加してくれる人が集まっているので、マジョリティーを呼び込めるよう進化するのは、もうまもなくだと思ってます。
現状として3年間で300名以上の受講生が集まりましたが、今年も新規で100名の増加を目指しているんです。その50%が継続すると想定して受講生の累計が600名と今の倍に増やせることを目標としています。
そのため今後は、より幅広いアスリートに受講していただけるよう、学生向けのコースも作る予定です。就職したい大学生がABUに来て、自分で学ぶことのできる場として利用できるよう準備をしています。
学生の間で認知を広げていくことを目的に、学生向けのコースに関しては無料でやろうと考えており、すでにいくつかの大学の野球部やサッカー部と相談しているところなので、今後の展開に期待していただきたいところです。
*「アスリートを採用したい」、以下はABU紹介の動画、受講生の生の声があげられている。
新たに動き出したABUトークン。目的は「アスリートとの事業づくりコミュニティ」の創出
ーまた、リリースが出ましたトークン発行などについても詳しく教えてください。
中田 ABUトークンという名前で、2023年の2月1日から3月15日まで初回の募集を開始しています。
目的は、アスリートとともに事業づくりをするコミュニティを作ることです。事業づくりの第一弾としては、ABUの女性アスリートが集まった「女性アスリートプロジェクト」として、スポーツを楽しむ女性向けの商品を企画販売する計画を行っています。
最初の商品は、リカバリー効果のあるマッサージクリームの開発を目指しており、このトークンプロジェクトで集まった資金がそのままマッサージクリームの開発資金となり、今後の事業化の手助けになるという形です。
マッサージクリームは化粧品を製造している会社にご協力いただいて開発中です。そして、できあがった商品は、EC販売はもちろんリアルの店舗でも販売したいと考えており、現在動いています。
事業化できた際、我々としてはその事業をアスリートに譲渡したいと考えています。トークンを利用して事業を作り、アスリートにパスする。これも我々ABUにしかできないアスリートのネクストキャリアのサポートだと考えています。すでに参加者が100名集まっており、合計120万円を超える資金が集まっています。
ー化粧品事業のほかに展開を考えている事業はありますか。
中田 農業の六次産業化プロジェクトを計画中です。アスリートが全国で様々な農業に取り組み、彼らが作ったものを集めてレストランを作りたいと検討しています。ここに石川直宏さんに関わっていただく予定です。すでにお米づくりをしているアスリートもいます。
農業を始めるハードルは「売り先がJAしかない」というところにあります。もし、確実に農作物を買い取ってくれるレストランがあれば、アスリートたちも農業が始めやすいと考えプロジェクトを立ち上げる予定です。
ビジネスも社会貢献も。アスリート教育市場の拡大を目指す
ーすでにABUで立ち上がっているプロジェクトや、今後の成長を感じているプロジェクトについて教えてください。
中田 元Jリーガーである馬場賢治氏が立ち上げた新たなアパレルブランド「マインドプラス」は、ABUでも非常に応援しています。
彼はABUから輩出したアスリート社長の第一号で、2年ほど前に現役を引退したあとアパレルブランドに挑戦したいとABUを通じて、相談を受けました。
ぜひ我々としても応援したいということで、まずはクラウドファンディングで拡散を図り、その後EC販売をメインにしたD2Cモデルで、ポップアップを開催したり、スタジアムのイベントで物販をするなど、1年間運営してきました。
そして2022年7月に株式会社化して、現在は株式会社マインドプラスとして活躍しています。
ほかにもパラアスリートの中澤朋希氏がJリーガーと一緒にタッグを組んで、「共生社会」を目指した事業を作るためにクラウドファンディングを実施しました。
実際に地域の学校に行って、生徒さんに弱視を体験できるゴーグルをつけてもらい、目が見えない人の生活を体験してもらうなど、障害者と健常者が一緒に暮らせる社会を実現するためのイベントや講演を開催しています。
また、農業を通じて共生社会を作る活動も行っており、事業に関するサポートは我々ABUが担当しました。
ー昨年、ヒーローズアワードにご出席されて、さまざまな方に出会われたと思います。そのなかでシナジーは生まれたのでしょうか?
中田 シナジーの1つとして、ABUを含めた3社で共同イベントを計画中です。今後のアカデミックなアスリート教育市場を作っていくために、現在動いています。
社会貢献を目指す団体様と、事業を作ることを目的としたABUがタッグを組むことで、参加してくれたアスリートたちのなかで社会貢献に進みたい人は社会貢献に、事業を作りたい人はABUに、というようにアスリートの流動性が高められると考えています。
社会貢献とビジネス、社会貢献とアスリートのキャリアは非常に親和性が高いと考えているので、3社がタッグを組むことで新たなシナジーを生んでいきたいです。
ーアスリートが行うビジネスにはネガティブなイメージもあるかと思います。中田さんが、アスリートとの事業づくりに信念を持っている理由を教えてください。
中田さん 今までビジネス経験のないアスリートが我流で行ったビジネスが上手くいかず、ニュースになっている場面を皆さんもよく目にしてきたと思います。
失敗ばかりが報道されていることで、本来は成功事例もたくさんあるのにもかかわらず、悪いイメージばかりが先行してしまっているのが現状です。
しかし、本来はスポーツの世界で力を尽くしてきたアスリートたちには努力する才能やビジネスを形にする才能があると考えているので、我々はそんなアスリートたちを支援していきたいと考えています。
4/1にABUの冠番組・ラジオ関西「アスカツ!」スタート!
ー今後、メディアへの露出を考えているとお聞きしましたが、それはどんな形でしょうか。
中田 4月1日から毎週土曜日の夜、ラジオ関西でABUの冠番組が放送される予定です。「アスカツ!」というタイトルで、「アスリートの活動」や「明日への活力」、「明日も勝つ」などいろいろな意味を込めました。
メインパーソナリティはABUの受講生であり、講師も務めている西岡詩穂さんが担当します。彼女はフェンシングの元日本代表で、2大会連続でオリンピック出場を成し遂げた方です。僕と西岡さんが進行を務め、ABU取締役の田中大貴さんがプロデューサーをいたします。
この番組は経営者とアスリートをゲストに呼んで、それぞれの生き様やこれからのビジョンについて対談していただき、聞いているリスナーの方の明日を生きるエネルギーにしてもらおうというコンセプトです。
まずは半年間2クールは続けていきたいと考えているので、皆さまにもぜひお聞きいただきたいですね。
アスリートの挑戦、ABUの挑戦
ー今後の会社としての展望について教えてください。
中田 今から4年後の2027年に東京プロマーケットでの上場を目指しており、その2年後にマザーズでの上場を視野に入れ、計画しています。
ー最後に、ABUの受講を考えている方にメッセージをお願いします。
中田 5月に第9期の受講生募集がスタートしますので、興味がある方はぜひ参加していただきたいです。
無料で学べる学生特化コースが4月にスタートする予定です。高校生や大学生、専門学校生はぜひ気軽に受講してみていただけると、さまざまな学びがあると思います。
また、受講だけでなくアスリートを盛り上げたい、アスリートを採用したい企業の方も我々のコミュニティに入っていただくことで、応援したいアスリートを直接支援することができるので、ぜひみんなでアスリートの世界を盛り上げていければと思っています。
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(了)