フェニックス・リーグ終盤、高山選手は2戦連発!《阪神ファーム》
宮崎市を中心に県内の10球場で開催されている『第15回みやざきフェニックス・リーグ』は、25日で第4クールを終えました。ことしは概ね晴れの日が多く、中止になったのは15日のヤクルト-広島戦(SOKKENスタジアム)のみ。他の14チームは予定されていた15試合をすべて消化しています。
阪神も15試合を終え、9勝6敗という成績。19日の西武戦から4連勝していたのですが、23日のヤクルト戦に負けてストップ。その間、19日から21日まで3試合連続で完封勝利を挙げ、なおかつ19日から23日まで4試合連続の無四球と、投手陣がいい仕事ぶりでした。きのうのドラフト会議で野手優先の指名だったのも、うなずけますね。
きのう25日の日本ハム戦(ひむか)はタイガースの公式サイトによると、青柳投手が先発して5回6安打1失点。そのあと石井投手が2イニングを投げ、5三振を奪って無安打無失点。最後は谷川投手が2イニングで2安打無失点となっています。打線は、坂本選手が2回に2ランと6回には3点タイムリー三塁打で、4打数2安打5打点の大当たり!板山選手も9回の2ランを含む4打数4安打4打点!計13安打で11点を取ったようです。
きょう26日は練習(休養)日でしたが、平田監督の就任後すぐに練習試合が組まれ、アイビースタジアムで韓国の斗山ベアーズと対戦。竹安投手が先発しました。そして27日から最終の第5クールに入り、27日は巨人(ひむか)、28日は楽天(サンマリン)、29日はDeNA(SOKKEN)との3試合を戦って閉幕です。
終盤を迎えたフェニックス・リーグ
では、24日に西都原運動公園野球場で行われたヤクルト戦の試合結果をご紹介します。またまた2日遅れですみません。この日は9日のロッテ戦(アイビースタジアム)、16日のDeNA戦(アイビー)についで3度目となる福永投手が先発。これで予定終了のため、試合後に帰阪しました。25日の青柳投手も当日帰っています。例年通り、第4クール終盤あたりから少しずつ人数が減っていくんですよね。
試合は、福永投手が4回に村上選手のソロをはじめ計5安打を集中されて3失点。8回は石崎投手が3安打に連続四球も絡んで3点を失いました。打線は高山選手の2試合連続ホームランと、9回に1死満塁から荒木選手の遊ゴロで1点返しただけ。それにしてもヤクルトの4番・村上選手はすごいですね。10日の対戦でも谷川投手から2発、守屋投手からも1発の計3本塁を放っています。
《フェニックス・リーグ》 10月24日
阪神- ヤクルト (西都)
ヤク 000 300 030 = 6
阪神 000 100 001 = 2
※特別ルール
◆バッテリー
【阪神】福永-石崎-尾仲 / 坂本-小豆畑(9回表)
【ヤクルト】山中(7回)-平井(1回)-田川(1回) / 杉本-西田(8回~)
◆本塁打 神:高山 ヤ:村上
◆三塁打 ヤ:塩見
◆二塁打 神:坂本
◆盗塁 ヤ:塩見
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]二:植田 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 1)
2]遊:熊谷 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
3]左:江越 (4-2-0 / 1-0 / 0 / 0)
4]中:板山 (3-0-0 / 2-1 / 0 / 0)
〃走:森越 ※板山、負傷により
5]右:高山 (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0)
6]一:森越 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
〃一:荒木 (2-0-1 / 0-0 / 0 / 0)
7]捕:坂本 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃捕:小豆畑 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
8]指:長坂 (2-2-0 / 0-1 / 0 / 0)
9]三:藤谷 (3-0-0 / 2-0 / 0 / 1)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
福永 7回 99球 (10-2-1 /3-3) 144
石崎 2回 29球 ( 3-2-3 / 3-3) 146
尾仲 1回 14球 ( 0-1-0 / 0-0) 147
《試合経過》 ※敬称略
福永は1回、いきなり先頭の塩見にライトフェンス直撃の三塁打を浴びましたが、三振での併殺など3人で終了。2回、3回とヒットや四球などで走者を出すも無失点。しかし4回、先頭の4番・村上に初球をライトへ放り込まれ先取点を許します。さらに3本のヒットなどで2死満塁となって塩見に中前打を浴び、2人を還しました。
3回まで散発3安打で無得点だった阪神打線は、3対0とリードを許した直後の4回裏、連続三振で2死となってから高山が初球をライトへ!文句なしの1発で1点を返したものの、そのあとはまたチャンスなし。一方の福永も5回はヒットとエラーで作ったピンチを併殺でしのぎ、6回は三者凡退、7回もエラーの走者を自身の牽制で刺すなど3人で片づけて追加点を与えていません。
8回は石崎が登板。先頭の村上に初球を二塁打され、連続四球で無死満塁となって、まず7番・奥村に中前タイムリー。続く代打・大村にも中前へ2点タイムリー…計3点を失いました。その裏、坂本の中越え二塁打と長坂の四球などで2死一、三塁としますが、一塁走者の植田が牽制でアウト。無得点です。
9回は尾仲と小豆畑のバッテリーで、村上からの3人をピシャリ!するとその裏、1死から江越がショートの内野安打で出て、板山は死球(右足の甲付近?代走に森越)、高山がまたまた初球を中前打して満塁のチャンス!荒木の遊ゴロで併殺崩れの間に1点を返しました。なおも2死満塁で小豆畑は三ゴロに倒れ、試合終了。
山中投手からの1発を評価
試合後の平田監督は、高山選手の2戦連発に「彼のいいところだよね。積極的に初球から一発で仕留める。22日の個別面談で『速い球を、力負けしないスイングで仕留めたい』と言っていたが、きのうもきょうもいいピッチャーからで、しかもきょうは山中でしょう?2試合連続のホームラン、なかなか打てんよ。そのあとのセンター前もライトライナーも非常にいい。今からシーズンに入りたいくらいじゃない?」と笑顔でした。
昨季、今季と悩んでいる部分もあったのでは?「きのう、きょうと三塁ベンチから見ているけど、今はタイミングの取り方がゆったりしている。きのうはストライク、ボールでちょっとナーバスというか、そんな感じだったので、そういうことで左右されるなと。シーズン中も際どいところをストライクと言われたりするんだから『大丈夫、自分なら少々ボールでも打てる』くらいの気持ちで、という話をしたんだけどね」
福永投手について「福永はカウント負けした時に、もうちょっと強いボールとか、変化球がっていうところの精度かな。きょうは粘って粘って、いいピッチングはした。ことしファームで防御率トップでしょ?もうちょっと球の強さと、カウント負けした時の精度を少し上げれば。きょうヤクルトもいいメンバーだからね。ほとんど1軍に出ている選手なので、福永もいい勉強になったと思うわ」と平田監督。
続けて「尾仲も素晴らしい!十分、来年の戦力になれるピッチャーだし。石崎はまだリハビリということで、こっちの指示で真っすぐでと。変化球を投げれば抑えられるところやけど、あえて全部真っすぐでいけっていう指示をこちらが出して打たれているので、あれはもう打たれているうちに入らない」と投手陣を評価しています。
収穫と、次への課題を持って帰阪
選手のコメントは福永投手から。「フェニックス・リーグは一貫してカーブを課題にしていました。きょうは序盤にカーブをうまく使えたし、でもインコース(に真っすぐ)も投げられたと思います」と、この日の試合を振り返り、実りある時間だったかと聞かれ「いやもう、そうですね!」と回答。その日に帰阪し、翌25日からは甲子園での秋季練習に参加している福永投手。ことしのフェニックス・リーグでの収穫を聞いています。
「右打者へのインコースへしっかり投げきれた事です。あとカーブも自分の中でかなり自信がつきました!勝負したり、凡打させたり、カウント取れたり、先発する中で回を重ねるごとに意識をさせることができて、他の球種やインコースのストレートが生きたと思います。意外な収穫はチェンジアップでした!」
そして来季へ向けて、ここで見えた課題は「同じインコースのストレートでも、印象づける胸元あたりの強いボールや、逆に足払いさせられるくらいの厳しい球を投げていきたい!簡単に言えば、精度を上げること。角度のある力強いストレートと、多彩な変化球を低いゾーンに投げ込む、というのが一番の理想です」と話していました。来年は宜野座からスタートできるよう、秋季キャンプでしっかりアピールしてください。
「初球を打たれて」動揺してしまった
次に石崎投手です。すべて真っすぐだったとか。「だって真っすぐのサインしか出ないんですもん。首を振っても、誠志郎が真っすぐのサインを出してくる(笑)。あとで、平田監督が『真っすぐだけでいけって坂本に言ったから』って」。やはり全球ストレート指令が出ていたんですね。
「それより」と石崎投手は続けます。「いや~もう、初球を打たれたんで。準備不足かなあと思いましたよ。村上、いいバッターですけどね。前の試合でも打たれたって聞いて、そこはピッチャーとして抑えないといけないところ。初球ヒットでは周りからの印象もよくないでしょう。それと、そのあとが大切なのにフォアボールとか…。香田コーチにも、あとが大切と言われました」。つまり真っすぐオンリーが原因ではない?「違います。それは関係ないです」
同期の“山山コンビ”がHR競演?
続いて、高山選手が「甲子園でも、あれは入っているんじゃないかなと思います」と振り返った2試合連続ホームラン。それだけでなく9回の中前打も初球を打ったものですね。ただし1球で仕留めたことについてコメントを求められると「課題はそれじゃないです。自分はホームランバッターじゃないんで」とのことでした。
板山選手は9回表の死球で交代したものの、試合後の練習では元気にロングティーバッティング。帰り際に、足は大丈夫かと尋ねたら「鼻ぶつけるわ、足に当たるわ…はあ~」と溜め息です。とはいえ翌25日もタイムリーと2ランなど、しっかり4番の仕事をしていますね。
最後に、23日の試合でバットを真っ二つに折った熊谷選手。帰阪する前に聞いておきたかったのは、そのバットのことです。確か数日前にもうバットケースの残りが1本になっていて、それも折ったはず。では23日に折ったのは誰のもの?「藤谷のバットです」。折った時に代わりのバットを持っていったのも藤谷選手では?「はい」。仲よしコンビだけあって笑顔で、しかも素早く打席へ届けた藤谷選手でした。
それも折れたら…「また藤谷に(笑)」。なぜ宮崎へ持っていったバットが、そんなに少なくなったんでしょう。「ファーム日本選手権で折っちゃったんで」。あ~なるほど。それで、この先は大丈夫?「もうすぐ帰るから大丈夫です!」と熊谷選手はニッコリ。帰るまでは藤谷選手のバットが減っていくんでしょうね。
<掲載写真は筆者撮影>