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日本からも参戦!!美しき“マッスル美女”たちの祭典『マッスルマニア』の可能性とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
過去の受賞者たち(写真提供:SPOMAX/MUSCLE MANIA KOREA)

韓国で高まりつつある“マッスル・ブーム”。そのブームの火付け役となった美ボディ&ボディビルの祭典『マッスルマニア・コリア』の主催者であるSPOMAX社のキム・グンボン代表は言った。

「体が健康なら心も健康になる。心身ともに健康なら人生も豊かになる。それが『マッスルマニア・コリア』が世に伝えていきたいメッセージです」と。

感動マッスル美女まで登場!!

実際、『マッスルマニア・マニア』は単なる健康志向や筋肉自慢の範疇では収まらなくなりつつある。

例えば今年4月の『2017 MAX Q マッスルマニア・オリエント・チャンピオンシップ』に出場したイ・ヨンファは、突発性難聴というハンディキャップを乗り越え、“ファッションモデル“部門・グランプリを獲得したが、ひたむきなその姿は、トレーニングを躊躇する人々に勇気を与えたに違いない。

(参考記事:写真20連発!! “マッスル美女”イ・ヨンファの一日に密着…筋トレから本業、シャワー室まで!?

彼女に対してはキム代表も「ハンディキャップがありながらも、まるでシャネルのデザインのようにすばらしい肉体を作ってくる」と称賛を惜しまない。

また、同じく4月の大会では、健康的で美しいプロポーションから“2017年最高のフィットネス・スター”とも呼ばれているキム・ジミンという新星も誕生している。

もともとは俳優養成学校で講師を務めていたが、1年半前からトレーニングで体を鍛えるようになり、見事、“ミズ・ビキニ部門”でグランプリに輝いた“若きマッスル美女”だ。

「イ・ヨンファ、キム・ジミンのほかにも、現役チアドルのチェ・ミジンや女優のパク・スヒョンさんなど、話題の人物たちが次々と出場していることが『マッスルマニア・コリア』への認知度アップにもつながっています」とキム代表も語る。

参加者比率が60%。一般の“美ボディ自慢”たち

しかも、興味深いのは参加者たちの比率だ。毎回、男女合わせて600人以上がエントリーしているが、最近は一般参加者の比率が高くなっているというのだ。

「最初の頃はトレーナーやヨガ講師、ダンサーなど、主にフィットネス産業に従事される方々が多かったのですが、最近は弁護士、カジノディーラー、インテリアデザイナー、バイオリニスト、薬剤師、美容師、看護師、保育士など、さまざなのです。一般参加者の比率が60%を超えるようになりました。この事実は、“体を鍛えて人生を豊かにしよう”“体を鍛えて人生を変えよう”という、一般大衆たちが抱く願望の裏返しとも言えるでしょう」

そんな人々の熱気が集まる『マッスルマニア』の2017年度下半期大会が、くしくも本日9月22~23日から行われる。

(参考記事:【写真と動画で見どころ解説】韓国美ボディの祭典「マッスルマニア」を楽しむ方法)

「実は日本からも5名ほどの選手がエントリーすることになっています。日本ではまだ『マッスルマニア』が定着しておらず、また、『マッスルマニア・コリア』の入賞者はアメリカで行われる『マッスルマニア・フィットネス・ユニバース・ウィークエンド』にアジア代表として出場できることもあって、日本からの参加者も増えているのです。私たちにとっては光栄なことであり、大会の面白みや楽しみも増したと言えるでしょう」

また、韓国メディアの間で注目の的になっているのは、日本でも開脚始球式の様子が写真週刊誌で大きく取り上げられた“マッスル美少女”チェ・ソルファの『マッスルマニア』再出場だ。

チェ・ソルファは2016年4月に行われた『2016マッスルマニア世界大会選抜戦』で初出場ながら見事に4冠を達成。一躍、“次世代のマッスル・クイーン”と呼ばれるようになり、今はタレントとしても活動している。そんな彼女がふたたびコンペティションに挑み、その美ボディを披露するということで注目が集まっているという。

日本を参考に「スポテイナー」を育成したい

一般参加者が増え、大会でスターになった選手がふたたび戻り、日本からもエントリーがある『マッスルマニア』。まさに活性化するばかりだが、だからこそ、今後は『マッスルマニア』に対する期待も一層大きくなっていくだろう。中学生のころにはX JAPANをよく聞いていたというキム代表も、日本のマッスル業界をモデルにしたいと話す。

「最近、『マッスルマニア』に俳優の金子賢をはじめ日本人選手が出場していることもあって、日本のマッスル業界についてはよく知っています。日本では過去に、マッスルミュージカルなどが行われていますよね? 韓国でもそういったものにチャレンジしたいと思っています。大会のイメージを損なわない範囲で、メディアと連携してパフォーマンスを前面に押し出していきたい。スポテイナーを広めていきたいんです」

スポテイナーとは、「スポーツ」と「エンターテイナー」を合わせた造語で、韓国ではバラエティ番組や映画にも出演しているレイヤンなどが、その代表格だろう。

(参考記事:応募は数千人! 美ボディだらけのオーデション番組まで生み出す韓国“スポテイナー”とは?)

インタビュー中のキム・グンボン代表
インタビュー中のキム・グンボン代表

つまり、今後はフィットネスだけでなくパフォーマンスでも人々を魅了できる業界にしていきたいというのがキム代表の夢というわけだが、その華やかな目標の根底には、強い志がある。

「私の父がよく言っていた言葉に、“身旺財旺”というものがあります。体が健康なら、人生も豊かになるということです。私自身も幼いころから柔道で培った体力が、いまビジネスで活かされていますが、マッスル・ブームがさらに広まって、人々がトレーニングを通してより健康になってもらえたらうれしいです」

体が健康なら人生も豊かになるということをテーマに、韓国だけではなく日本でも通用するメッセージだろう。韓国で人気高まる『マッスルマニア』。日本でも近い将来、『マッスルマニア・ジャパン』が開催される日が訪れるかもしれない。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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