染CYCLING CAPは間違いなく僕のベストワーク/株式会社comme-nt 佐々木享さん
デザイナーとして数多くのクライアントワークをこなす株式会社comme-ntの佐々木享さん。仙台市内の老舗染工場「永勘染工場」とタッグを組んで開発した「染CYCLING CAP」が話題となりました。
幼いころから、図画工作が好きだった
佐々木さんは、青森県 平内町という漁師町の出身。絵を描くこと、図画工作が幼いことから好きだったそうです。その中でも特に好きだったのがねぶたでした。
「なにかあるとねぶたを描いていましたね。デザインに興味を持つ一歩手前としてそういうことがあって、そのうちにデザインを勉強したいと考えるようになりました」。
宮城大学を卒業後、グラフィックデザイナーとして活動を続けてきた佐々木さん。デザインの面白みはどのようなところに感じるのでしょうか。
「デザインは、形だけのもの じゃなくてやっぱりにじみ出てくるものだと思っています。嘘はつけないです。いいデザインというのは、そのモノやコトの本当の魅力や価値を よりよく伝えることができるものだと思っています。なので、そういうデザインができたときに楽しいなと 思います。僕、表面的なかっこいいとか見た目おしゃれみたいなものには興味があまりなくて」。
自転車好きの佐々木さんが
踏み出した夢への一歩
佐々木さんはプライベートでは日頃友人とグループライドを楽しんだり、レースに出場したりするほどの自転車好き。どのようなところに魅力を感じるのでしょうか。
「長くなりますよ(笑)。 用途が幅広くて、スポーツ用途と交通の側面がある。そして、老若男女誰でも気軽に乗れること、あと人が出せるエネルギーを最大化させるっていうのがすごい発明だと思うんです。僕自身は学生時代に譲り受けたロードバイクで、しばらく 街乗りの用途として乗っていて、2014年にスポーツとして乗り始めました」。
そんな佐々木さんが、自らの持ち込み企画として、仙台の老舗染工場「永勘染工場」に提案したのが、染CYCLING CAPです。いつかアパレルを手掛けてみたいと思っていた佐々木さんの夢への第一歩でした。
「永勘さんの手ぬぐいでつくりたいと思いまして、社長の永野(仁輝)さんに提案したところ、OKをいただいて。本当に楽しくて、関わったスタッフも本当にみんな楽しみながらプロジェクトを成しえることができました」。
そんな佐々木さんにデザイナーとしてのゴールを伺いました。
「昨年この仕事を作り出して、こういう仕事をもっとしたいなと思いましたね。染CYCLING CAPは、自分のデザイン人生の中で間違いなくベストワークだと思っているんです。全体のストーリーと関係性を含め、みなさんの力を借りながらゼロから作った仕事は初めてでした。課題や魅力を発掘して、結びつけて形にするということは、もっとあちこちにあるはず。なので、こういう仕事をしたいですね。10年、20年たって振り返っても『面白い仕事だったな』って言える仕事をこれからもしていきたいですね」。
この染CYCLING CAPは、まだまだ序章。これから佐々木さんとその仲間たちによって、どのようなプロダクトが生まれていくのか、楽しみです。
染CYCLING CAPの誕生秘話は、「暮らす仙台」でもご紹介しています。ぜひご覧ください。