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NY原油11日:ゴールドマンの弱気見通しが嫌気され、反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比1.29ドル安

始値 45.71ドル

高値 45.88ドル

安値 44.16ドル

終値 44.63ドル

米ゴールドマン・サックス・グループが原油価格見通しを引き下げたことが嫌気され、期近主導で反落した。

ゴールドマンは、2016年の原油価格見通しを5月時点の57.00ドルから45.00ドルまで下方修正した。石油輸出国機構(OPEC)の増産が続く中、2016年にかけても過剰供給状態が維持されるとの見方を示している。更に、ベース予想ではないとの注意をしながらも20ドルまで下落する可能性も存在するとの見方を示したことが、投機筋の売り安心感を強めている。これのみで急落する必要性は乏しいが、最近の原油相場反発でもゴールドマンが引き続き需給緩和と原油安を見込んでいることが再確認されたことは、投資家マインドにネガティブ。

国際エネルギー機関(IEA)の9月月報では、OPEC以外の産油国では、2016年の産油量が前年比で日量50万バレル減少するとの見方を示した。これは1992年以来で最大の減少幅であり、原油安が産油体制に大きなダメージを及ぼしていることが再確認できる。ただ、これで過剰供給環境が是正されるかは別問題であり、原油相場の反応は限定された。需給リバランスの動きが始まっていることが再確認できるも、なお原油価格の底入れを促すには減産圧力を強化していく必要があるとの見方の方が優勢になっている。

価格が上昇すればシェールオイル生産は回復する可能性が高い以上、少なくとも原油相場の反発余地は限定されよう。短期スパンでは株価次第の不安定な相場展開になり易いが、需給面からの支援がみられない状況に変化は生じていない。なお、株価が主導権を握った相場展開になっているが、需給リバランスの必要性がこれによって薄れた訳ではなく、今後は株価動向のインパクトが限定される動きと連動して、徐々に戻り売り優勢の地合に回帰する可能性が高いとみている。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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