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NY金6日:米雇用統計を受けて、早期利上げ警戒から大幅続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金12月限 前日比16.50ドル安

始値 1,103.20ドル

高値 1,109.70ドル

安値 1,084.50ドル

終値 1,087.70ドル

10月米雇用統計を受けて早期利上げ警戒感が一段と強まる中、大幅続落となった。

アジア・欧州タイムはイベント前のショートカバー(買い戻し)がやや優勢になり、1,105~1,110ドル水準での保ち合いになった。しかし、雇用統計発表後に急落しており、一気に1,085~1,090ドル水準まで値位置を切り下げている。同水準で下げ一服となるも、引けにかけて安値是正を進めるような動きも見られなかった。

10月米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比+27.1万人となり、今年最大の増加幅を記録した。市場予測+18.5万人も大きく上回っている。9月分に関しては速報の+14.2万人から+13.7万人まで下方修正されているが、それを考慮しても極めて良好な数値になっている。平均時給も前年比+2.5%と、2009年7月以来の大幅な伸びを記録しており、雇用者数の増加のみならず賃金環境の改善も確認されている。失業率の5.0%は2008年4月以来の低水準であり、今回の雇用統計全体としては年内利上げ観測を阻害することはなく、逆に後押しするレベルの良好な統計内容と評価できる。

12月米連邦公開市場委員会(FOMC)までは11月雇用統計の発表も消化する必要があるが、今回の雇用統計の数値を見る限りは、余程のサプライズがない限りは、利上げは規定路線化したとみて良いだろう。マーケットでは、非農業部門就業者数が前月比で17万人程度増えれば合格点と見る向きも多かったが、今回の数値は殆どネガティブな項目がみつからない。労働参加率の回復の鈍さといった点には警戒が必要だが、これから年末に向けて更に利上げプレッシャーを織り込んでいくことが要求されよう。

既にFF金利先物市場では年内利上げ派が優勢になっているが、今後も米指標や要人発言などを確認しつつ、金相場は下値模索の展開が続く見通し。ドルインデックスは年初来高値更新を意識する価格水準に到達しており、金相場も年初来安値1,072.30ドル更新が打診されよう。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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