20年前の「純連」「すみれ」の魅力とは?― 純すみ系の当時の荒々しさを蘇らせた魅惑の一杯が登場
札幌味噌ラーメン。
1955年に「味の三平」が味噌ラーメンを開発して以降、札幌に広がっていったご当地ラーメン。インスタントラーメンである「サッポロ一番味噌ラーメン」や「どさん子」の全国チェーン化によりその名は全国区となった。
そして、本場札幌の味噌ラーメン人気に火をつけたのは「純連」と「すみれ」だ。
1964年に「純連」と書いて「すみれ」と読むお店が札幌・中の島でオープン。店主は村中明子さん。
様々なスパイスの効いた濃厚スープにコシの強い麺を合わせ、表面を熱々のラードで覆った「純連」のラーメンは、当時はある意味異端とも言えるパンチの効いた一杯だった。
その後、明子さんの長男が「純連(じゅんれん)」、三男が「すみれ」としてその味を受け継いだ。そして、1994年に「すみれ」が新横浜ラーメン博物館に出店したことにより、その人気は頂点に達したのである。ラーメンファンの間では「純すみ系」と呼ばれ、不動の人気を誇る。
筆者が「純すみ系」を初めて食べたのは2002年。「純連」高田馬場店(現在は閉店)がオープンした時である。アツアツでスパイシーなスープに麺がプリプリ。今まで食べた味噌ラーメンとは全く違うパンチの効いた一杯に感動したものだった。その後札幌の「純連」「すみれ」を訪れ、その魅力に取りつかれていった。
その頃の感動を再び味わえるとは
都営三田線・板橋区役所前駅から徒歩4分。2020年2月にオープンした「あさひ町内会」という店がある。
店主は「すみれ」系列のお店で13年修業の後、独立。
食券機の横に、「20年前恋した味噌ラーメン」という限定メニューが貼ってあった。
20年前というと2002年。筆者が「純連」を初めて食べた年なのである。もしかして、あの頃の「純すみ系」の味に出会えるのか?
具はチャーシュー、コロコロチャーシュー、ネギ、メンマ、味玉。上に生姜がかかる。麺は中太の「森住製麺」製。
レンゲで一口啜ると、塩度高め、ラード強めのハードパンチなスープに脳天を撃ち抜かれる。
さすがにパンチが強すぎるのではと思って食べ進めていたが、20年前の「純すみ系」は確かにこんな感じだった気がする。しょっぱくても香ばしさや旨味が抜けてくるのだ。
ライスも必須。レンゲにライスを少し乗せてスープと一緒に食べるのも懐かしい。
完成度が高くまとまりの良い現在の「純すみ系」はもちろん素晴らしいが、当時の荒々しさにもう一度出会えたことが嬉しかった。食べ歩きを始めて間もない頃の感動を今一度噛みしめ、「純すみ系」の偉大さを改めて知ることになる。当時からのファンはぜひお試しいただきたい。
あさひ町内会
東京都板橋区板橋3-5-1 リビオタワー板橋 1F
※写真はすべて筆者による撮影