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<ガンバ大阪U-23>首位・秋田から勝利。ホーム3連勝!

高村美砂フリーランス・スポーツライター

万博記念競技場で行われたJ3リーグ17節のガンバ大阪U-23VSブラウブリッツ秋田戦。立ち上がりのピンチをGK林瑞輝が防いだことで勢いを取り戻したガンバU-23は、8分にFW一美和成が先先制点を奪う。その後、26分に秋田にPKのチャンスを与えてしまうが、ここもGK林が体を張って失点を許さない。その林に応えるかのように28分には再びセットプレーからFW一美が決めて秋田を突き放す。後半、75分には再びPKをとられ秋田に得点を許すも、最後まで全員が体を張り、今季4勝目となる白星を奪い取った。試合後の宮本恒靖U-23監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖U-23監督

守備が重要になるかなと思っていた試合で、特に前線からの守備のところが勝つにあたっての重要なファクターでした。首位を相手にして、17節を迎えて、自分たちが半年間やってきたことの成長の証を見せて行こうという話をミーティングでして、そういった選手の頑張りも見えた前半でしたし、ただ守備の部分で1:1での寄せのところがが少し甘かったり、チャレンジ&カバーが甘くなっていたのでたくさんのシュートチャンスを作られた前半でもありました。後半に入るにあたって、守備の質をあげようという話をしたし、それによって後ろのラインコントロールも、時間が進むにつれて野田が試合にフィットしていったのもあり良くなっていった。そういう中でうまく2−0で、もしくは3点目をとってというシーンもありましたが、残念ながら2−1になってしまった、と。ですが、残り時間も、選手がしっかりと頑張ってくれたと思っています。選手が与えられた役割をやりきる気持ちの強さだったり、単純にフィジカルの部分の伸びも感じますし、そういうところができた試合でした。でも大事なのは次に勝つこと、連勝ということを目指して次に向かいたいと思います。

ー試合を分けたポイントとして、1−0にしたあとのPKを林選手が止めたことにもあったようにも感じました。今日はそれ以外にも幾度となく好セーブを見せた、林選手のパフォーマンスについての評価を聞かせてください。

すごく大柄な選手ということではですが、飛んできたボールを確実に弾く、キャッチするという判断の精度はあがっているのを感じます。また、チームがスタートして開幕の頃は外科的な問題でメンバーに絡めなかったりもしましたが、練習からいろんな取り組みをしてきた中で、存在感はすごく感じます。GKは主要なポジションというか、センターラインに質の高いパフォーマンスができる選手がそろってくるとチームの成績につながると思います。今日は本当にセービングの部分でしたが、攻撃の部分でのビルドアップの関わりでの成長も感じるので、今シーズンもっともっと伸びていってもらいたい選手ですね。

ー1点目もそうですが、2トップの攻めに関する関係性が良くなってきていますが、その評価と、後半、中原くんが中盤にいることでガンバらしくボールを繋げてコントロールする時間帯も増えた。そのあたりの評価を聞かせてください。

2トップは北九州戦から続けてきて、やり始めた頃は、お互いに目を合わせながらプレーすることはなかったのですが、今日はお互いをみながら、あ・うんの呼吸でプレーできているところもあったし、ヘディングの競り合いというところにも改善が見られます。一美は前節があまり入りがよくなかったので、最初から飛ばしていけと強調していた中で2点を取ってくれましたが、欲を言えば後半3点目を取れるチャンスもあったので、そこを決めきる力がつけばさらに良くなると思います。でもいいパフォーマンスをしたと思いますし、今後も大夢との関係も高めていってもらいたいと思っています。先週の水曜日、FWの二人だけを呼んで練習をしましたが、そういうところも活かせた試合だったように思います。彰吾に関しては、攻撃に移る際のボールロストを減らすという意味で起用しました。後ろをやる時とは、体力面での違いはあると思ったので1試合持たないかなと思っていましたが、うまく頭をさげずにやってくれた。野田と食野がトップから帰ってきていろんな競争がチーム内で生まれているので、それは各個人の成長につながっていくかなと思っています。

ー一番選手の成長として感じられているところと、野田選手、食野選手についての評価を聞かせてください。

成長を感じるところは、開幕当初はチームとして戦えていなかったり、試合の流れで、どこが危ないのか、どこがチャンスかを嗅ぎわける力がなかったのですが、今は意識の部分で、ここは体を張らなくちゃいけないとか、2度追いしていかなくちゃいけないというというような、要するにプロとして求められるものに対して応えなきゃいけない、応えるんだという意思の強さは強くなってきているように感じます。もちろんボールを止める、蹴るといったところもそうですし、あとは中盤でのヘディングが成長しているなと感じます。競り合いのところだったり、それをパスにする部分で。あと野田は実質、水曜日の午後から合流したんですが、そこで今までこのチームがやってきたやり方を説明しながら練習して、彼は理解力も高いし、試合の後半に進むにつれてよくなっていったと思います。ただもっともっと出来るはずなので、求めていきたい。食野は、去年から一緒にやっていますし、もっと状況判断をよくしてもらいたいと思います。良さというか、相手を交わしたり…前半の立ち上がりには相手の深いところまで入っていってクロスをあげるというシーンもありましたが、それを試合の中でたくさん見てもらいたい。それをうまく整理させてやらせることかなと思っています。

●DF野田裕喜

(短い時間でこのチームに適応しました)短かったですが、中身の濃い練習ができたと思っていますし、そこは続けてやっていきたいです。(野田選手が以前ここでやっていたときは4バックでやっていて今は3バックでやっている。監督とも話をしながらやってきて、どの辺りを一番意識してプレーしていましたか?)3バックの真ん中なのでやっぱり攻撃のときは、自分だったりヤンだったりがボールを持って主導権を握れれば良かったんですがそれは課題として残りました。また守備に関しては、やっぱり後半のきつい時間もしっかりラインコントロールだけはやろうと。そこはつねさんにも4バックの時から言われていたことだったし、3バックの真ん中になってよりそこは強く意識していました。(ゲーム自体も久しぶりでしたよね)そうですね。復帰後も練習試合もしていなかったので、少し不安でしたけど意外とできたので良かったです。どっしりと構えるというか、真ん中で…彰吾くんみたいに運動量多く前にいけるタイプでは無いので、今日はまずは守備からというところで意識していました。(後半は前とうまく連動するなどうまく馴染んだように見えました)そうですね。前半はやっぱりどんな感じやろうっていうのもあって、でも無失点でいけばいいやと割り切ってできたので、後半はしっかり自分の中で修正できたのかなと思います。(大事なところで林選手がPKをとめてくれたり、チームとしてもあそこで流れが変わらずに戦えたのも大きかった)そうですね。二つ、PKをとられたんですが、それ以外で失点できないというのは評価できるんじゃないかなと思います。

●GK林瑞輝

(立ち上がりのシーンを止めたことで自分自身も勢いに乗れたところもあったんじゃないですか?)僕自身もそう思っています。あの1本が大きかったなっていうのは試合中も思っていました。ただ、開始早々俺のところまでボールが来るのはチームとしてあってはならないことですが、自分も今年J3を戦ってきた中で、ああいうのも想定して試合にのぞめているので、あれを…どんな試合でもああいうのを止めていけるように、あの時間で失点したら苦しいっていうのはわかっているだけに次の試合でも、ああいうのは気をつけて、チームのみんなにもしっかり伝えてやりたいと思っています。(PKは相手のコースも少し甘くきた)あれは…僕が良かったというより相手のコースが少し甘かったので、僕自身はよっしゃっていう気持ちは思ったよりは少なかったですね。でも壮が与えたファウルで…あそこを止めてあげないと壮も苦しくなるだろうなっていうのがあって。彼は同期っていうのもあるし…そういう思いもあって絶対に止めてやろうと思って止めれたのでそれはほっとしました。今日はフィールドの選手がかなり…ここ最近はそうですけど、前線の選手がかなり守備をしてくれているので、僕はピンチが多い中でも止めてやるっていう気持ちにもなるので。それが今日も勝ちにつながって良かった。(2点目も反応はしたけどコースを突かれた)そうですね。一応コースは読めたんですが、相手のキックがうまかったと感じました。(今シーズン、松代くんとやってきて、自分の一番の変化はどこに感じますか?)松代さんもそうなんですが、宮本監督もビルドアップに参加するようにということを言われていて、GKの部分は去年から継続しているものがあるんですが、攻撃の部分で、自分としてはこの体格だけに何か武器になるものを、と思っていて、チームとして僕をうまく使ってくれている感じがするのでありがたいです。そういう攻撃の部分で少し今年は貢献できているのが大きいかなと思います。

●FW一美和成

勝てて嬉しいです。1点目、郡からいいボールがきたので一人かわして決めるだけでした。2点目もボールもよくて、あわせるだけだったので決まって良かった。ハットトリックも狙っていたんですが、チームの勝利の方が大事なので勝てて良かったです。相手が首位ということで、入りから前からどんどん行こうと言っていました。ホームで3連勝もすごく嬉しい。ただ連勝がないので、連勝できるようにしていきたい。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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