【富士宮市】身近で四季折々の自然を鑑賞できる『小田貫湿原』~天気が良ければ富士山も望めますよ!~
田貫湖北側に湿原があることを知っていますか?
実は私、富士宮に住んでいながら、今まで市内に湿原があることを知らずにいました。
多くの湿原が消失する中、『小田貫湿原』は富士箱根伊豆国立公園(富士山地域)の第2種特別地域に位置し、富士山西麓では唯一の残された湿原で、環境省の「重要湿地」にも指定されています。
かつて田貫湖周辺は、一帯が杉の大森林だったそう。地震によるものか、台風などによるものか、特定はできていないようですが、1140年頃の土砂の崩壊により4m以上の堆積物で大森林に生育していた杉が埋もれたと考えられているようです。
その中で腐敗することなく掘り出されたものは、神代杉として白糸会館などに展示されています。推定606年と推定されている神代杉は、根回りの直径約3m・樹幹の直径約2.5m・短径約1.9mの楕円形の断面があり、見る人を圧倒させます。
そして、神代杉を抜き取った跡が湿原化し、小田貫湿原になったとも言われているそうです。
小田貫湿原は標高約680m、田貫湖から直線で約500m北(徒歩15分程度)に位置し、東・中・西の3つに分かれていて大小合わせて120以上の池が点在しています。
駐車場からは舗装はされていないもののしっかりと遊歩道が作られているので、重装備していなくても気軽に立ち寄れます。(ちなみに冬に来た時には、雨上がりで地面が滑りやすくなっていました。雨上がりなどは気を付けて歩いてくださいね)
一番大きい西側の湿原は約1.5ヘクタールもの広さがあり、中央には木道が掛けられ、四季折々の湿性植物(アサマフウロ、カサスゲ、ノハナショウブ、モウセンゴケなど現在63種が確認されています)やアオイトトンボ、コサナエなど多種類のトンボや蝶、両性類などの湿原特有の動植物を間近で観察することができるそう。
昨年の12月に訪れたときには、ほとんど枯葉になってしまい寂しい雰囲気の小田貫湿原でしたが、今の時期は青々とした湿地植物が元気良く茂っていました。
前回訪れたときは曇っていて気が付きませんでしたが、湿原に架けられた木道からは富士山がこんなに綺麗に見えました。
あいにくトンボの時期にはまだ早かったようで見られませんでしたが、その名に負けじとウシガエルがぐぉんぐぉんと低音を響かせていました。
5月の花のようなイメージのある花菖蒲ですが、花菖蒲の原種と言われる野花菖蒲の見頃は6月~7月。この辺りは少し涼しいせいか野花菖蒲の葉が見られましたので、開花はこれからのようです。開花時期に訪れたらまた違った風景を楽しめそうです。
また看板には8月~9月に準絶滅危惧種でもある浅間風露も見られると書いてありました。
身近で四季折々の自然を鑑賞できる『小田貫湿原』。少し足を延ばして、訪れてみてはいかがでしょうか?
小田貫湿原:富士宮市猪之頭字菅ノ沢2267