柄本佑、町田啓太、はんにゃ.金田哲、毎熊克哉の打毬の勇姿「光る君へ」
☆これは2023年9月11日に掲載した記事にオンエアを見て加筆したものです。
大河ドラマ「光る君へ」(NHK 脚本:大石静)、第7回「おかしきことこそ」では「打毬(だきゅう)」シーンに目を奪われた。
主人公・紫式部ことまひろ(吉高由里子)や倫子(黒木華)、ききょう(ファーストサマーウイカ)などが観戦するなか、藤原道長(柄本佑)が上級貴族の斉信(金田哲)と公任(町田啓太)、助っ人の直秀(毎熊克哉)とともに、平安時代の馬術競技「打毬」を行った。
ロケは、2023年8月22日〜23日に、栃木県壬生市にて行われた。はじめて「打毬」に挑んだ柄本さんのコメントは以下。
「馬を走らせながら、同時にスティックを振り抜くこと」の難しさ
馬を走らせながら地面の毬をスティックで振ると、体が下方にねじれ、馬が止まれの合図と勘違いしてしまう。そう思わせずに走らせ続けないといけないのだとか。
柄本さんの、止まらず走らせ続ける器用さと度胸に現場スタッフは感嘆したという。
打毬とは何か
宮内庁のホームページを見ると、奈良・平安時代、端午の節会の際に行われる宮中の年中行事とある。
馬術競技の「ポロ」とその起源を同じくし、中央アジアの一角に発したものであろうといわれている。
白・赤2組(各4騎~10騎)の間で行われる団体戦で、各組の競技者が、乗馬して、地上に置かれた自組の色の毬を、先に網の付いた毬杖と呼ばれる棒で掬い、ゴール(毬門)に投げ入れる。
平安時代には盛んだったが、その後廃れ、江戸時代徳川吉宗が復興し、いまは宮内庁と山形と青森で継承されている。
2月18日(日)オンエアの第7回放送を見て
道長の体のひねりと表情の臨場感。それを見つめるまひろの表情はすっかり道長の勇姿に心を持っていかれているように見えた。
平安のF4と言われている斉信と公任と、助っ人の直秀も颯爽としていた。笑顔も爽やかスポーツマンの雰囲気。学問にも秀で、運動もできる。すばらしい人達である(ただし、女性蔑視的なところだけは問題)。
ふいに、雨が降ってきて上半身を脱ぐ場面も。これが単なるサービスカットではなく、それによって直秀が道長に射られた傷が見えるという、物語上の必然ある流れであった。
”大河ドラマにはよく「蹴鞠」が登場し、サッカーのリフティングの得意な俳優が活躍するが、「打毬」にも注目したい”と過去の記事に書いたところ、ロバート秋山演じる実資が蹴鞠をやっている場面も本編にあった。形態模写が巧みなロバート秋山だが、蹴鞠にはちょっと苦戦しているようであった。史実では蹴鞠の達人らしいのだが……。
2024 年 大河ドラマ「光る君へ」
作:大石 静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉 慧、黛りんたろう ほか
千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた紫式部の物語。