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「笑顔うつ」と「HSP」との関係や対処法について。

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

「何となく身体が重く感じる」「些細なミスが増えた」「働くことはできるけど、家に帰るとぐったりして何もできない」などのような状態が続いていませんか?

同僚や友達の前では普通に話せるのに、一人になると抑うつ状態になってしまう人は、もしかすると『笑顔うつ』になっているのかもしれません。

他の人よりも敏感な気質を持っているHSPが、笑顔うつを発症する可能性が高いことをご存じでしょうか?

今回は笑顔うつとHSPの関係、笑顔うつの特徴、HSPが笑顔うつにならないための方法について紹介します。

現代社会で増えている『笑顔うつ』とは?

笑顔うつという言葉を、SNSやインターネットで見たことがある人もいるかもしれません。

笑顔うつは海外では「smiling depression」と呼ばれており、正式な名称ではありませんが、軽度から中等などのうつ病や適応障害に該当すると言われています。

笑顔うつの人は普通の人と同じように仕事をしたり、友人と遊んだりすることができますが、家に帰って一人になった途端電源が切れたように何もできなくなるという特徴を持っています。

また、通常のうつ病であれば、表情が乏しくなったり感情表現が薄くなったりするなど、周りから見ても気付きやすいですが、笑顔うつの場合は人前では笑うことができるため、気づかれにくいという特徴があります。

HSPは笑顔うつになりやすい?

HSPは外部からの刺激に敏感、共感力が高い、感受性が豊かなどといった特徴を持っています。

人の発言の裏を読み取ることや、表情から感情を察することが得意なため、場の雰囲気を壊さないように気を使いすぎてしまうことがあります。

そのため、本当は嫌だと思っていることでも引き受けてしまったり、苦手な人に対しても友好的に振る舞ってしまったりするなど、ストレスや疲労が溜まりやすい傾向があります。

このようなことから、HSPの人は笑顔うつになりやすい傾向と言えるでしょう。

笑顔うつの特徴

人前では普通に振る舞うことができる

笑顔うつは、「人前では普通に振る舞うことができる」という特徴があります。

仕事をしたり、同僚や友人とは普通に話すことができるため、自分自身も笑顔うつの症状に気づかないことがあります。

また、自分がどんなにつらくても周りにそれを悟られないようにしてしまうところがあり、無理に笑顔を作っていることも多いです。

一人になると電源が切れたようになる

人前では明るく振る舞おうとしていますが、一人になった途端電源が切れたようにぐったりしてしまう人が多いです。

職場から家に帰ると何もやる気が起きない、趣味をする気力がない、お風呂に入るなど身の回りのことをするのも面倒くさく感じてしまうという人は、笑顔うつの可能性があるので注意が必要です。

外にいるときは落ち着いているのに、一人になると涙が溢れてきたり無気力になったりする人も笑顔うつの疑いがあります。

注意力が低下し、ミスが増える

笑顔うつになると人前では明るい自分でいようとするため、気づかないうちに疲労が溜まり、注意力が低下していることが多いです。

以前までしなかったような些細なミスが増えたり、朝になってもなかなかベッドから起きられず遅刻ギリギリになってしまうことが増えます。

頭がうまく働かない、考えがまとまらない、仕事中にぼーっとすることが増えた、遅刻や欠勤が増えたなど以前とは違う行動を取っている場合、笑顔うつやうつ病の可能性があるので注意が必要です。

笑顔うつを放置するのは危険?

笑顔うつの人は、自分の本心を隠してしまう人がとても多いです。

相手への配慮や気遣いができる人が多く、無理に明るい雰囲気を作ってしまうこともあります。

しかし、そうした行動によって他人からは「悩みがなさそう」「この人なら愚痴を言っても受け止めてくれる」「仕事を引き受けてくれそう」などと思われてしまい、内面と外面のギャップが生じて苦しんでしまう人も多いです。

「悩みがなさそうでいいよね」「いつも明るいよね」という言葉を周囲からかけられることで、孤独感や孤立感が生まれることも少なくありません。

そのため、自分は明るくて悩みがない人間なんだと自分自身で思い込もうとして、さらに症状が悪化することもあります。

笑顔うつが悪化すると、うつ病や他の精神疾患を引き起こしてしまう恐れがあるので、放置せずになるべく早めに医療機関にかかることが大切です。

HSPが笑顔うつにならないための対処法

頑張りすぎない

笑顔うつにならないためには、頑張りすぎないことが大切です。

笑顔うつになってしまう人の大半は、真面目で頑張り屋だったり、自分よりも他人を優先する人が多い傾向があります。

しかし、頑張りすぎてしまうとどんどん心が消耗していき、笑顔うつを発症する原因になってしまいます。

「何でも自分でやらなければ」という考えは捨てて、時には周囲にサポートを頼んだり、できないことはNOと言える勇気が必要です。

また、最近疲れてきてるなと感じた場合はしっかり休養を取ることも大切です。

たとえば、疲れているときは家事を最小限にする、何もしないでダラダラする時間を設けるなど、自分を労わるようにしましょう。

心身の不調を受け入れる

「疲れているだけ」「睡眠不足が続いているせい」だと思い込んで、体調の異変を見落としてしまうケースがあります。

しかし、そのままにしていると笑顔うつやうつ病になってしまう可能性があるのでとても危険です。

笑顔うつにならないためには、自分の心身の不調を素直に受け入れることが大切です。

体調が悪いときや心が疲れているときは、「今日は体調が優れないから残業しないで早めに帰ろう」「気分が乗らないから遊びの誘いは断ろう」というように、自分の体調に合わせて予定を変更するようにしましょう。

また「最近疲れてるな」と思ったら、栄養たっぷりの食事を摂ったり、十分な睡眠をとるなど、生活を見直すことも大切です。

まとめ

笑顔うつは、普通の生活を何とか送ることができるため、気づいた時には症状が進行していたということも少なくありません。

さらに人前では笑顔の仮面を被っているので、周りからなかなか気づいてもらえずに、一人で苦しい思いを抱え込んでしまうことも多いです。

HSPは周りの状況を見て空気を読むことが得意なので、他の人よりも笑顔うつになりやすい可能性があります。

「もしかして笑顔うつかも?」と感じた際には、症状が重くなる前に精神科などの専門の医療機関に相談するようにしましょう。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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