【富田林市】御加持水とは?瀧谷不動尊の境内から湧き出る霊水は、科学的にも綺麗でコロナ対策もされていた
富田林を含めた南河内の地域は、大阪市内などの都会と比べて自然が多いのはもちろんなのですが、住んでみてわかったことは、水がおいしいということ。
金剛山地のあたりは美味しい水が湧き出ていて、例えば、河内長野市の行者湧水はとくに有名で、多くの人が車で水を汲みに来ますし、千早赤阪村の金剛山登山口にも湧水があって、登山の際に冷たい水を飲むことができます。
ところが、富田林市は金剛山地から微妙に離れた位置にあり、最高峰が金胎児山の標高296.4メートルです。ということは、このような美味しい湧水は無いのでしょうか?
しかし、そんなことはなく、一例を上げると瀧谷不動尊明王寺(以降、瀧谷不動尊)の境内に、美味しいだけでなく霊験あらたかな湧水があります。
それがこちらの「御加持水(おこうずい)」です。寺務所と鐘楼の間に水くみ場がありました。御加持水と呼ばれるものは、瀧谷不動尊以外にも全国の真言宗系の寺院にあるようです。
水の名前である加持(かじ)とは、仏教用語。この言葉は、密教の解釈において、仏が「衆生(しゅじょう:あらゆる生き物)」に対して、大悲(だいひ:苦を救う)を与え「加」(加護)する。「衆生」がそれを受け入れることを「持」(摂取)すると考えているそうです。
瀧谷不動尊の御加持水では、空海が疫病で苦しむ人々に水を加持したところ、苦しむ人が癒されて全治したという言い伝えから、特に眼病に御利益があるとされます。
ところで、非常にありがたい霊水とのことですが、瀧谷不動尊ではそれを水質の専門機関に依頼して水質を調査しています。
それがこちら。昨年の11月に水質を調査した結果が張り付けられています。大腸菌やその他の有害なものが水道水の水質基準を大幅に下回っていて、科学的に安全安心な水であることが証明されています。
とはいえ単なる湧水ではなく、あくまで神聖なお水ということで、手洗いやうがいと言った利用はやめてほしいとのこと。注意しなければいけませんね。
今の時代は、水を飲むための共用のコップと聞けば、コロナ禍の事もあり非常に気がかりですね。ところがこのように紫外線でコップを消毒するようになっています。
こちらの理化学研究所の情報(外部リンク)によれば、紫外線によりコロナウイルスのRNAが損傷して不活化するメカニズムが紹介されています。これなら安心ですね。
空海が眼病を癒したという霊水だけではなく、科学的に非常に良い水質の水であること。さらに利用者に配慮して、共用のコップを紫外線消毒しているという点はすごいありがたいことだと思いました。
また、水の持ち帰りも許されています。
ただし1リットル以上持ち帰ることは不可。500ミリリットルのペットボトル1本くらいであれば持ち帰えられるわけですね。
ということで少しだけ汲ませていただき、持ち帰って美味しくいただきました。
瀧谷不動尊明王寺(外部リンク)
住所:大阪府富田林市彼方1762
電話番号:0721-34-0028
開山時間:6:00~16:30
アクセス:近鉄滝谷不動駅から徒歩15分