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【NBA】 「八村塁の可能性は無限大だ」 ザック・コリンズ(ブレイザーズ/元ゴンザガ大)インタヴュー

杉浦大介スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

ザック・コリンズ(ポートランド・トレイルブレイザーズ)

1997年11月19日生まれ 21歳

ネバダ州ラスベガス出身 ポジションはセンター

 ゴンザガ大時代はベンチスタートながら平均10.0得点、5.9リバウンドを挙げ、2017年のNCAA トーナメント準優勝に大きく貢献。同年のドラフト全体10位でサクラメント・キングスから指名された後、トレードでトレイルブレイザーズ入りが決まった。2年目の今季はプロの水にも慣れ、ウェスタン・カンファレンス上位を争うチームの控えビッグマンとして確立。前年比で平均得点を約倍増させ、同時にディフェンス面の成長が高く評価されている。

インタヴューは11月20日、ニューヨークでのニックス戦後に収録

今季活躍の鍵はスカウティングとフィジカル

ーー特にディフェンス面での評価が高まっていますが、向上の要因は?

ZC : 今季はより多くのフィルムを見ています。おかげでポジショニングが良くなり、同時に対戦相手のことをしっかりスカウティングするようにもなりました。マッチアップする選手を知っておくのは大事なこと。事前の準備により真剣に取り組んでいることが、ここまでの結果に繋がっていると思います。

ーー1年前はこのリーグのフィジカル面の厳しさにも言及していましたが、その点でも徐々に適応できているのでしょうか?

ZC : それは間違いないですね。今季は自分から当たりにいくくらいの気持ちで臨んでいます。それと同時に、さっきも話した通り、まずは適切なポジションに身を置くことによって、フィジカルの厳しさも軽減できます。

ーー今オフ、ブレイザーズがベテランのエド・デイビスを残留させない決断をしたことは、モチベーション、あるいはプレッシャーになりましたか?

ZC : エドがいなくなったことで何かが変わったとは思いません。僕の頭にあるのは自分のプレーをし、チームの勝利を助けること。どんな役割だろうと喜んで受け入れるし、自分自身にできることをやるだけです。

ーー成長株の一人と目されていますが、さらなる向上に向けての課題は? 

ZC : もっとプレーを安定させることです。特にオフェンス面では自身にできることを確立させ、得点を増やし、あとはリバウンド力もアップさせなければいけませんね。

ーーテリー・ストッツHCはあなたが元ブレイザーズのジョエル・プリジビラを思い出させると発言していました。それについて思うことは? 

ZC : コーチが言ったことですからね(笑)おそらく適切なのでしょう。 

ーー子供の頃に好きだった選手は? 

ZC : レブロン・ジェームズです。レブロンのプレーはよく見たし、あとはティム・ダンカンも見ました。フェイバリットを挙げるとすればその2人です。

今季の八村のプレーは支配的

ーーところでゴンザガ大の情報は今でもフォローしていますか?

ZC : はい、していますよ。今季はとても良いチームになっていますね。優れたメンバーが揃っていて、見ていても楽しいチームです。

ーー元チームメートの八村塁の成長をどう見ますか?

ZC : 彼は凄いプレーヤーになりますよ。もうその過程にいる感じがします。今季ここまでのプレーは支配的で、素晴らしいシーズンを過ごすでしょう。このまま成長すれば、彼の可能性は無限大だと思います。

ーーカレッジ、NBAの両方を知る先輩として、八村の今後の課題は?

ZC : プレー云々よりも、このゲームの理解度ですね。まずは英語をさらに上達させること。彼の英会話の進歩は素晴らしいですが、英語が母国語ではない選手がアメリカにおけるバスケットボール用語をすべて完全にマスターするのは簡単ではない。それができれば、コート上でのコミュニケーションもさらに円滑になる。逆に言えば、それ以外に彼に問題はないと思います。

ーー最近、八村と話しましたか?

ZC : それほど長くではありませんが、夏の間に逢って話しました。英語は本当に上達していて、彼の努力には感心させられました。凄いと思います。このままさらに前に進んでいってほしいですね。

スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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