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村田修一を引退に追い込んだ最大の要因は「若手育成の優先」か?

豊浦彰太郎Baseball Writer
来季以降はこのパワフルな打撃は見られない。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

昨年オフに巨人を自由契約になった村田修一は独立リーグでプレーしながらNPB復帰のチャンスを窺っていたが、結局期限の7月末までに獲得に乗り出す球団はなく、今季限りでの引退を表明した。とても残念なことだ。

Yahoo!には、こんなニュースが掲載されていた。

実績も実力も人望もあった村田 立ちはだかった12球団「若手育成優先」方針

この記事を読むと、この国のスポーツマスコミの問題点が良くわかる。各球団とも若手への切り替えを進めて行かねばならないのは事実だが、これが彼ほどの実績と実力を持つ選手にオファーが全くないという不自然な状況に対する最大の理由だろうか。何も村田はレギュラーポジションの確約や一定額以上の高額なサラリーを求めている訳ではないのだ。現在、クライマックスシリーズに向けて鎬を削っている球団は、それこそ残り2ケ月間(プラスCS)のためのレンタル移籍感覚で、低年俸で「取りあえず獲っとく」手もあったのだ。しかも、助っ人外国人(いやな表現だが)のように、一軍登録枠の問題もない。ところが、なぜだれもそうしないのか。

12球団が揃いもそろって「若手育成」だけで獲得を躊躇している訳ではない、と勘繰るのが普通だと思う。なにかそれを阻む構造的な問題がNPBにあるのか?妙な横並び意識があるのか?また、選手会が本件に関し全く動いていないのも怠慢だと思う。その部分に全く入り込まず「若手育成が優先でした」で終わらせているのは、ジャーナリズムとして果たしてどうだろうか。

世間では数日前からアマチュアボクシング界の不祥事でもちきりだ。しかし、報道されていることが全部事実だとすると、国内に数誌あるボクシング専門誌は今までそのような問題の存在を本当に知らなかったのか。業界に忖度し、見て見ぬふりをしていたのではないかという疑問は禁じえない。

村田報道に関しても、同じような根っこの部分の問題を感じてしまう。

Baseball Writer

福岡県出身で、少年時代は太平洋クラブ~クラウンライターのファン。1971年のオリオールズ来日以来のMLBマニアで、本業の合間を縫って北米48球場を訪れた。北京、台北、台中、シドニーでもメジャーを観戦。近年は渡米時に球場跡地や野球博物館巡りにも精を出す。『SLUGGER』『J SPORTS』『まぐまぐ』のポータルサイト『mine』でも執筆中で、03-08年はスカパー!で、16年からはDAZNでMLB中継の解説を担当。著書に『ビジネスマンの視点で見たMLBとNPB』(彩流社)

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