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キャンプ招待選手にはMVP受賞歴を持つベテランが2人。この人数はさらに増えるかも

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョシュ・ハミルトン(捕手はバスター・ポージー)OCT.30, 2010(写真:ロイター/アフロ)

スプリング・トレーニングが始まった。ノン・ロースター・インバイティー(キャンプ招待選手)として参加する選手には、将来を有望視されるプロスペクトがいる一方で、輝かしい実績を持つベテランも少なくない。38歳のジミー・ロリンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)と35歳のジョシュ・ハミルトン(テキサス・レンジャーズ)は、言うまでもなく後者だ。2人はリーグMVPに輝いたことがある。ロリンズは2007年、ハミルトンは2010年に受賞した。

どちらも、単なる一発屋ではない。ロリンズはフィラデルフィア・フィリーズに黄金時代をもたらした一人だ。フィリーズが2007~11年に地区5連覇を果たした当時、ロリンズはチームの正遊撃手だった。彼がフィリーズで記録した2306安打と479二塁打は球団最多、453盗塁は2位に位置する。

ハミルトンは酒とドラッグに溺れ、ドラフト全体1位で指名された才能を浪費したものの、シーズン30本塁打以上は3度を数える。2008~12年は5年続けてオールスター・ゲームに選ばれており、これはロリンズの3度を上回る。

2人とも、現在の立場は厳しい。ロリンズはキャリアを通して、遊撃を守り続けてきた。二塁ですら、死球を受けた直後に遊撃から移った0.1イニングしかない(守備機会はなく、打者2人が打ち終わった後、遊撃へ戻った)。ジャイアンツの遊撃にはブランドン・クロフォード、二塁にはジョー・パニックがいる。彼らは昨シーズン、揃ってゴールドグラブを受賞した。クロフォードは2年連続だ。

ハミルトンの場合、彼自身の健康維持がまず危ぶまれる上、こちらもポジションが用意されているわけではない。今シーズンは外野両翼に加え、一塁の守備にも挑むが、マイナーリーグでも外野以外を守ったことはない。レンジャーズには2月にマイク・ナポリが加わり、ハミルトンのチャンスはさらに減った。ロリンズもハミルトンも、控えとして開幕ロースターに残れるか、微妙なところだろう。

また、彼らと同じく、MVP受賞歴と現役続行の意志を持ちながら、所属球団が決まっていない選手もいる。2006年にそれぞれのリーグでMVPに選ばれた一塁手、35歳のジャスティン・モアノーと37歳のライアン・ハワードがそうだ。

昨年12月、ホイッスル・スポーツは「ザ・ネクスト・チャプター|ノー・デイズ・オフ(次章|休日なし)」と題し、トレーニングに励むハワードの映像を公開した。モアノーはカナダ代表として、WBCに出場する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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