久保建英とウーデゴール。レアル・マドリー復帰が噂される2選手の行き先は。
レアル・マドリーで居場所を確保するのは、どちらだろうか。久保建英と、マルティン・ウーデゴール。切符は一枚ではないかもしれない。だが席が複数用意される保証がないのも確かだ。
若くして才能を認められた久保とウーデゴールだが、彼らは今季開幕前にマドリーからレンタル放出されている。久保はマジョルカに、ウーデゴールはレアル・ソシエダに新天地を求めた。
■2人のクラック(名手)
マドリーは今季、フェデリコ・バルベルデが台頭している。ルカ・モドリッチ、トニ・クロース、カゼミーロというジネディーヌ・ジダン監督にとって絶対的な存在だった3選手に割って入るプレーヤーが現れ、ついに中盤の序列が崩れ始めた。
久保とウーデゴールの共通点は、いずれも左利きであることだ。そして、それは彼らのアドバンテージになり得る。バルベルデ、モドリッチ、クロース、カゼミーロ、全員が右利きだからである。
久保は今季のリーガで、16試合に出場(出場時間1046分)して1得点1アシストを記録している。シュート数13本、ドリブル数21回、パス本数261本、ボール奪取数47回という数字を残している。
ウーデゴールは17試合出場(出場時間1530分)で4得点5アシストを記録。シュート数21本、ドリブル数48回、パス本数972本、ボール奪取数102回だ。
両者は、マジョルカとソシエダで攻撃のアクセントになっている。注目したいのは、ウーデゴールのボール奪取数だ。ヘーレンフェーン、フィテッセというオランダの2クラブで「武者修行」した男は、逞(たくま)しくなって、リーガに戻ってきた。その証が、データに表れている。
■限られた席
マドリーは、2019-20シーズンのスペイン・スーパーカップで優勝を飾った。エデン・アザール、カリム・ベンゼマ、ガレス・ベイルを欠きながら、準決勝でバレンシアを、決勝でアトレティコ・マドリーを破り、タイトルを獲得。ジダン監督にとって、9回の決勝進出で9回の優勝という「パーフェクト」が達成された瞬間でもあった。
バルベルデ(移籍金500万ユーロ/約6億円)、カゼミーロ(移籍金500万ユーロ/約6億円)、イスコ(移籍金3000万ユーロ/約36億円)、モドリッチ(3500万ユーロ/約42億円)、クロース(移籍金2500万ユーロ/約30億円)...。彼らの移籍金合計額は、ネイマール一人のものに、遠く及ばない。
フロレンティーノ・ペレス会長の「若手推進プロジェクト」は功を奏している。
一方、マドリーは来季に向けてファン・デ・ベーク(アヤックス)、レイニエル・ジェズス(フラメンゴ)を手中に収めようとしている。彼らが加入すれば、マドリーとの契約を残すプレーヤーは36選手に上る。
選手に用意されている席は、決して多くない。激烈な競争に勝ち残った者だけが、栄光に向かう権利を得る。