紙の本の自炊代行に著作権侵害判決。では手元の本はどうすれば良いのか?
所有者の代わりに紙の本を電子化するサービス“自炊代行”は著作権侵害だとして、作家らが自炊代行業者に対して差し止めを求めていた裁判で、本日、東京地裁が著作権侵害だとする判決を下しました。
書籍の電子化代行2業者に差し止め命令 著作権侵害で東京地裁 :日本経済新聞(2013/09/30)
朝日新聞デジタル:「自炊」代行めぐる著作権訴訟、作家側が勝訴 東京地裁 - 社会(2013/09/30)
業者側が控訴するかどうか続報が出ていないので、これで決着するのかは今のところ不明ですが、現時点では自炊代行は認められないことになりました。
個人的には自炊代行はOCR化などのサービス料金や期間の面で利用を見送っていたのですが、今回の判決で自炊代行そのものの未来が閉ざされてしまって“いつか利用したい”どころではなくなってしまいました。
そうなると困ったのが、手元に残った行き先のない本の山です。
本は減らしたい、しかし手元には残したい
我が家は、というよりどこの家庭もそうでしょうが、そんなに本を置いておけるほど広くありません。長年かけて増えていった本たちは、いまや邪魔な存在です。
もちろん、邪魔になった本を捨ててしまえばその問題は解決しますが、本の中身は捨てたくありません。いつかまた必要になるかもしれない――そう考えると、なかなか捨てることができません。
しかし、このままだといずれは本に埋もれて床が抜けてしまいます。新しい本を買うこともままなりません。
つまり、本そのものは減らしたいのですが、中身を捨てたくないのです。人間ってワガママな生き物ですよね。
自力による本の電子化は手間もお金もかかる
そこで登場したのが紙の本の電子データ化、“自炊”なのですが、これを自分でやろうとすると手間もお金もかかります。
専用のスキャナーに4万円、本の裁断機に1万円(いずれもAmazonで人気の商品)。これだけでたくさんの本が買えます。そしてそれを購入したあとは自分で本を切って、スキャナーにセットして、読み込んで整理して……ああ、もうどれだけ時間がかかるかなんて考えたくもありません。
ハッキリ言って、めんどくさい。
そこで登場したのがその面倒を代わりにやってくれる“自炊代行”なのですが、今回の判決で著作権侵害とされたため、この方法は採れなくなりました。
では代わりの方法は……となると、さきほどの自力しかないんですよね。だって他人にやって貰ったら著作権侵害って認定されてしまいましたから。
でも、自力ではやりたくありません。
本を増やさないために本を買わない
じゃあどうするか? となったとき、“できるかぎり本を買わない(増やさない)”がボクの中での選択となりました。
随分前から、ちょっと気になる程度の本は図書館ですますようになりました。インターネットで見かけて「面白そうだな」と思った本は、だいたい図書館で借りられます。
もちろん人気ドラマ『半沢直樹』の原作やそのほかテレビで話題になった本などは100人待ち、200人待ちで借りるのは難しい、というより3年待ち4年待ちが当たり前で借りるのはほぼ不可能なので、そういう本だけ買うようにしています。
そしてこの方法なら、年に1個、収納用のボックスを増やすぐらいですみます。今は電子書籍もあるので、電子書籍を読むのは苦手ですがどうしても読みたい場合はそちらで買うようにもしています。
ただ、この結果で作家というか出版社は満足なんですかねぇ……。
もちろん著作権法は守らなければいけません。法律は大事ですよ。でも、それを優先してお客が本を買わなくなって、という結果を望んでいたのでしょうか。
この先どうなるかは分かりませんが、とりあえず手元の本、皆さんは今後どうしますか?
ちなみに片付けるなら天馬株式会社の『いれと庫』が便利です。コミック本はホームセンターで売ってるもので十分ですが、A4雑誌にはいれと庫、いいですよ。