一般道路でのシートベルトの着用率ナンバーワンの地域をさぐる(2021年公開版)
JAF(社団法人日本自動車連盟)と警察庁は2021年1月14日、自家用乗用車などの利用者を対象に2020年10~11月に実施した「シートベルト着用状況全国調査」の結果を発表した。それによると一般道路での運転者の着用率は99.0%、高速道路などでは99.7%と高い割合だったのに対し、後部座席同乗者はそれぞれ40.3%・75.8%だった。
これを一般道路について都道府県別に精査し直したのが、次以降のグラフ。まずは運転者の着用率。元々どの県でも着用率が高いこともあり、グラフの区切りにおける最低値が92%となった。
着用率が最も高いのは島根県の99.9%、次いで長崎県の99.8%。一方、もっとも低いのは大阪府の97.6%、次いで三重県の97.9%。0.数%ポイントの差異は誤差と見てもよいレベルだが、最上位と最下位の地域との間には2.3%ポイントもの差が出ている。今回最上位の長崎県は前年でも第2位に位置しており、上位の地域が単年による偶発的な着用率の高い・低い状態にあったわけではなく、地域的傾向による結果であることがうかがえる。
続いて助手席同乗者。利用状況を想定すれば分かる通り、着用率そのものは運転者とさほど変わらないはずなのだが、実態としては運転者よりも低めの値が出ている。
トップの着用率を誇るのは栃木県の99.0%、次いで福岡県の98.6%、島根県と長崎県と富山県の98.5%。助手席の着用率上位陣は、運転者のそれと連動性が高いように見える。
他方、低着用率は沖縄県の88.3%をはじめ、高知県の89.7%、茨城県の92.1%など。運転者の着用率も低い場所が多く、高着用率の地域同様に「運転者と助手席同乗者との間における、シートベルト着用率の相関関係」がある程度は存在していることが認識できる。
最後に後部座席。全体的に値が低いこともあり、グラフ横軸の区切りの最低値がゼロとなっていることに注意。
トップは群馬県の61.8%、次いで長野県の59.4%、香川県の58.4%。今回年は8地域が5割超えとなった(前回年は該当地域は5地域)。最悪値は沖縄県の15.8%、次いで宮崎県の19.7%など。9地域では後部座席同乗者のシートベルト着用率が3割を切っている状況にある。
運転席・助手席同乗者と後部座席同乗者のシートベルト着用率の関連性は一部で連動性があるように見えるが、運転者と助手席同乗者との間のような比較的はっきりしたものは見受けられない。一方で地域性としては、後部座席同乗者のシートベルト着用率は西日本ほど低く、東日本ほど高い傾向があるようにも見える。これは昨年から継続して見られる動きで、さまざまな要因による結果として、傾向のようなものが出ているのかもしれない。
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