9歳以下の子供達はタブレット型端末を使ってインターネットで何をしているのか(2020年公開版)
好奇心旺盛な子供達にとって、タブレット型端末は魔法のアイテム的存在であることは言うまでもない。その子供達はタブレット型端末でどのようなインターネットのサービスを利用しているのだろうか。その実情を内閣府が2020年4月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」(※)の内容から確認する。
次に示すのは調査対象母集団のうちタブレット型端末(汎用のもの。学習用タブレットや子供向けタブレットは除く)でインターネットを利用している人における、その利用内容を複数回答で尋ねた結果。動画視聴をしている人がもっとも多く、8割台を示す形となった。なおグラフの横軸の項目部分は報告書の並びに準拠している。
一番多い利用内容は動画視聴で86.2%。スマートフォンでは79.7%だったが、タブレット型端末ではそれより6.5%ポイント高い。画面が大きいことやWi-Fiを使っている可能性が高いのが要因だろうが、子供達にとってタブレット型端末がスマートフォン以上に動画視聴端末と化している実態が浮かび上がる。
次いで多いのはゲームで48.4%。さらに勉強・学習が27.2%、音楽視聴が15.1%と続く。スマートフォンと比較して勉強・学習の値がやや高めに出ているのも、タブレット型端末の特性を活かしているともいえる。
ニュースや電子書籍の利用率がほとんどゼロに近いのはスマートフォン同様。
これを回答者(子供)の年齢階層別に区分したのが次のグラフ。ただし回答該当者はゼロ歳では1人、1歳は15人など区分した上では少数で、多分の統計的なぶれが生じているため、傾向的なものを見る程度の精度でしかないのにはご注意されたい。
動画視聴は8割台から9割台の高い値を維持(ゼロ歳は実質的に1人が観ているまでの話なので精査からは除外)。他方ゲームは年上になるに連れて利用率が上がっていくが、7歳をピークとしてそれ以降はやや値が落ちる。勉強・学習は5歳をほぼピークにそれ以降はおおよそ横ばい。
情報検索はおおよそ小学生に上がってからの利用となる。特に小学3年生の時点ではタブレット型端末を使ってインターネットを利用している人のうち3割近くの人が行っている計算となる。音楽視聴は(ゼロ歳を除けば)1歳で20.0%と高め、それ以降は値が落ちて5歳で9.6%にまで減るが、それ以降は再び増え、9歳では26.4%との高い値を示す。
スマートフォンとは多少の違いがあるが、大体利用目的は動画視聴とゲーム、そして勉強・学習、音楽視聴に集約されている。あるいは提供している保護者としても、これらの用途で使えればそれでよいと考えているのかもしれない。あるいは元々、その利用に限定して使わせているケースもあるだろう。
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※青少年のインターネット利用環境実態調査報告書
今件は「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」内の「低年齢層のインターネットに関する利用実情」の報告部分が該当する。同調査は2020年1月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を持つ保護者を対象に、同年1月10日から2月14日にかけて行われたもので、保護者による子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は3000人、有効回答数は2225人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ61人、38人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。
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