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あいつぐ火災 例年以上の乾燥が一因か?

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
降水量の平年比(5月13日までの1か月)。気象庁HPより。

10日(土)に熊本県で、全国で今年初の真夏日(30℃以上)を観測し、14日には関東などでも真夏日を観測しています。

「えっ、もう?」という声も多く聞きますが、例年より遅い真夏日です。そして、この季節の遅れが、あいつぐ火災の一因になっている可能性があります。

遅かった真夏日

北原白秋が「5月は春と夏のデュエット」と表現したように、5月は乾燥と暑さが同居する季節です。

真夏日になることも珍しくはなく、全国初の真夏日となると、すでに4月に観測済みという年が多いです。「暑さ」という面から見ると、今年は例年より季節が遅れぎみです。

春先と同じ低い湿度

また、季節の遅れを思わせるのは、空気の「乾燥」にも出ています。今週は雨の日もありましたが、それでもここ1か月の降水量は、梅雨入りした沖縄・奄美などを除き、各地で平年を下回っています。

たとえば、東京の5月1日~13日の平均湿度は58%。これは3月下旬~4月上旬頃の、まだ空気がよく乾いている時期と同じくらいです。最近あいつぐ火災の中には、こういった乾燥が一因となっているものもあるでしょう。

今後も続く乾燥

雨が少ない原因としては、例年5月によくある「梅雨のはしり」が、本州付近ではまだないことが挙げられます。数日間ほど天気がぐずついて、梅雨の予行演習を思わせる日が、まだはっきりと現れていません。

今後、5月中は、梅雨前線が一時的に北上して、雨が降る日もありそうですが、これまでの乾燥を一気に解消するような長雨になる気配はなし。例年以上に、火災に注意を払わなくてはいけない5月となりそうです。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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