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【訃報】大山のぶ代さん 悪役に水の専門家 「ドラえもん」以外の意外な顔 #専門家のまとめ

河村鳴紘サブカル専門ライター
(写真:ロイター/アフロ)

 国民的人気アニメ「ドラえもん」のドラえもんの声優などで知られる大山のぶ代さんが亡くなったことが各メディアで報じられ、SNSで話題になっています。大山さんの記事を紹介しつつ、意外な“顔”も振り返ってみます。

ココがポイント

名ぜりふ「ぼく、ドラえもん」をアドリブで生みだし、原作の故藤子・F・不二雄氏が(中略)認めるほど
出典:日刊スポーツ 2024/10/11(金)

大山のぶ代の声を50音すべて録音して合成する。オーディションで他の声優さんを決める。(中略)二つの案が持ち上がっていた
出典:文春オンライン 2023/11/04(土)

認知症で闘病中の声優で女優、大山のぶ代(81)が、12月上演の舞台(中略)で、5月の病気発表後、初仕事にのぞんだ
出典:産経新聞 2015/7/25(土)

PSP『ダンガンロンパ希望の学園と絶望の高校生』プロモーションムービー

※大山さん演じるモノクマの声は40秒ごろから1分35秒すぎまで

エキスパートの補足・見解

 大山さんは、昭和31年に俳優デビューを果たし、米テレビドラマ「名犬ラッシー」の吹き替えをきっかけに声優業を開始。アニメ「サザエさん」の初代カツオなども有名ですが、やはりドラえもんの声で知られています。唯一無二の声ゆえに、後任を苦しめることになるほど。裏返せばハマり役だったのです。

 そして衝撃的だったのは2015年の病の公表でしょう。認知症について誰もが考えるきっかけを作り、闘病を明かした書籍はヒット。そして闘病中でも仕事への情熱を失わなかったすごみ。夫は、NHK初代体操のお兄さんだった俳優・砂川啓介さんで、二人の関係に心を動かされた人もいたのではないでしょうか。

 意外な顔と言えば、大山さんは、旧厚生省の「おいしい水研究会」のメンバーで、水の研究家として講演をした際に新聞に掲載された記事がいくつもあります。また1998年のシンポジウム「21世紀のエネルギーを考える」について読売新聞の記事では、パネリストとして参加した大山さんの鋭い発言もあります。「ぜいたくな暮らしが身についてしまった。『体を使わないので太っちゃったわ』と言ってエアロビクスに行き、お金を払って自分のぜい肉を落とす」などと、現代人の矛盾を突いています。

 もう一つ意外な顔と言えば、大山さんが悪役も担当したこと(ただしコアなゲーム・アニメファンはご存じの通り)。ゲーム「ダンガンロンパ」シリーズでは、モノクマという悪役の声を演じて支持を得、同作は人気になり、アニメ化もされました。「ドラえもん」しか知らない人がモノクマを見ると、その演技に驚くことになると思います。

 大山さんの病気は多くの人の知るところであり、どこかで覚悟していた知らせですが、やはり残念でなりません。大山さんの逝去が報道されてから、アニメに興味がない人たちが「ドラえもんが亡くなった」とそろって口にしていること。それこそが大山さんの偉大さの証明と言えそうです。

サブカル専門ライター

ゲームやアニメ、マンガなどのサブカルを中心に約20年メディアで取材。兜倶楽部の決算会見に出席し、各イベントにも足を運び、クリエーターや経営者へのインタビューをこなしつつ、中古ゲーム訴訟や残虐ゲーム問題、果ては企業倒産なども……。2019年6月からフリー、ヤフーオーサーとして活動。2020年5月にヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞。マンガ大賞選考員。不定期でラジオ出演も。

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