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東京の花粉飛散早まる可能性 2007年以来の記録的暖冬で

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
東京都のスギ花粉飛散開始日は過去10年平均(例年)で2月15日頃である(写真:イメージマート)

 この冬の東京の平均気温は8.2度(12月1日~1月20日)で、2007年以来の高い気温となっています。

 東京都は17日、この春の花粉飛散開始日は来月8日~12日頃となる見通しを発表しました。例年と比べると少し早く、昨年とほぼ同じです。

 ただ、今年と同じ記録的な暖冬となった2007年は過去最も早い1月31日に花粉の飛散が始まったことから、予想よりも早まる可能性があります。

この冬は全国的な暖冬

 天気予報では12月~2月の3か月を冬としています。ちょうど今頃は冬の半ばで、一年で最も寒い時期にあたります。

 この冬、これまでの気温を見てみると、オレンジ色は平年より1度以上、赤色は平年より1.5度以上高いことを示していて、九州から東北地方の広い範囲で、平年を大幅に上回っていることがわかります。

平均気温平年差の45日間平均図(2023年12月7日~2024年1月20日)、気象庁ホームページより
平均気温平年差の45日間平均図(2023年12月7日~2024年1月20日)、気象庁ホームページより

 この冬の東京は晴れの日が多く、平均気温は8.2度と平年を1.6度上回っています。これは2007年の8.4度以来の高い気温です。

花粉の飛散が早まる可能性も

 東京都の花粉飛散開始日は過去10年平均(例年)で2月15日頃です。昨年は2月10日でした。今年は来月8日~12日頃になる見通しです。

東京都のスギ花粉飛散開始日の早い方順位(1985年~2023年)、筆者作成
東京都のスギ花粉飛散開始日の早い方順位(1985年~2023年)、筆者作成

 花粉の飛散が早かった年を調べてみると、ほとんどの年でかなりの暖冬でした。今年もこれに近い暖冬となっているため、花粉シーズンの始まりが早まる可能性があると思います。

来月も全国的に高い予想

 この先は強い寒気の影響で、冷え込みが強まったり、冷たい雨が降る日があっても、寒さは長続きしないでしょう。

 関東甲信地方ではこの先一か月間の平均気温が平年より高くなる確率が70%と、高い確率となっています。

【気象庁1か月予報(1/20~2/19)】ウェザーマップ作画
【気象庁1か月予報(1/20~2/19)】ウェザーマップ作画

 今年の花粉飛散量は多かった昨年と比べると少なくなる見通しですが、例年と比べるとほぼ同じです。

 今後、定期的に雨が降り、気温の高い日が続くようになると本格的な飛散も近そうです。

【参考資料】

東京都:令和5年度東京都花粉症対策検討委員会(第1回)検討結果、2023年10月5日

東京都:令和5年度東京都花粉症対策検討委員会(第2回)検討結果、2024年1月17日

気象庁:1か月予報(1/20~2/19)、2024年1月18日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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