みやざきフェニックスリーグ 16チームで唯一の無敗!《阪神ファーム》
10月9日から開催されている『第14回みやざきフェニックス・リーグ』は、きのう9日から第2クールに入りました。第1クールは好天に恵まれ、真夏のような暑さの4日間だったそうですが、その後は一転して曇り空と雨の毎日。そこで14日は、午後の雨予報に備えて試合開始を1時間早めたのに、午後もまったく降らず。思わず「降らんのかいっ!」と突っ込んでしまいました。でも夜に降ったんですよ。これが翌日に影響して…。
15日はアイビースタジアムでのDeNA戦があり、CSもフェニックスも「阪神vsDeNA」だなあと思っていたのに、宮崎は中止。昨夜と、今朝また降った雨で水が表面に出てきてしまって決行は無理とのことで、午前11時に中止が発表されました。でも例によって「その後は降らんのかいっ」という状態が続いたのですが、午後2時頃からしっかり降ったのでグラウンドコンディションと雨予報を合わせての中止ですね。
これが今リーグ初の雨天中止で、8試合中6試合が流れました。よりによって日曜日で、予定されていたファンサービスのイベントもなくなったのは残念ですね。16日以降の予報も傘マークだらけで、ちょっと心配。15日のDeNA戦で先発予定だった竹安投手は、16日のロッテ戦にスライドするそうです。せっかくの実戦機会が減らないよう、皆さんも祈ってください。
なお15日に行われた2試合の結果も入れて、阪神が4勝0敗1分で単独首位です。2位が広島で4勝1敗1分。ということで、まだ負けていないのは阪神だけなんですね。まあ第1クールはCSメンバーの1軍投手陣が登板したので、そのおかげもあるでしょうか。
15日は中止が決まって、正午から再び練習を行った阪神ファーム。野手は隣のはんぴドームで連ティー(連続して打つティー)と、アイビースタジアムの外野を使ってのアメリカンノックでした。投手もウエートトレーニング組のメンバー以外が参加したアメリカンノック。休憩なしで1時間40分もノックを打ち続けた筒井コーチと藤本コーチ、お疲れ様です!この模様は日を改めて、こぼれ話か番外編でご紹介します。
楽天戦は0対0の引き分け
では第2クール初日、14日にSOKKENスタジアムで行われた楽天戦の試合結果です。先ほど書いたように、午後は本降りになるとの予報を踏まえて試合開始が1時間早められました。ただしホームチームの楽天は通常通りの練習で、阪神も当初より10分だけ早く宿舎を出発。着いてからはウォーミングアップとキャッチボール、そして楽天の練習終わりに少しだけティーバッティングはしたものの、フリーバッティングはなし。すぐシートノックが始まって試合に入っています。
なおCS組と入れ替わって才木投手や福永投手らの投手陣と、1軍にいた長坂選手が第2クールから合流しました。
《フェニックス・リーグ》 10月14日
楽天- 阪神 (SOKKEN)
阪神 000 000 000 = 0
楽天 000 000 000 = 0
※9回 規定により引き分け
◆バッテリー
【阪神】青柳-メンデス-伊藤和-島本-松田 / 長坂
【楽天】古川(7回)-森原(1回)-小野(1回) / 堀内
◆二塁打 神:緒方
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]二:西岡 (2-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
〃中:荒木 (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
2]遊:北條 (4-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
3]三:西田 (4-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
4]左:陽川 (3-1-0 / 0-1 / 0 / 0)
5]指:原口 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0)
6]右二:板山 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
7]一:今成 (3-0-0 / 0-0 / 0 / 0)
8]捕:長坂 (3-1-0 / 2-2 / 0 / 0)
9]中右:緒方 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
青柳 5回 75球 (3-4-2 / 0-0) 142
メンデ 1回 14球 (0-2-0 / 0-0) 154
伊藤和 1回 20球 (0-2-0 / 0-0) 145
島本 1回 13球 (0-1-0 / 0-0) 142
松田 1回 16球 (1-1-1 / 0-0) 147
《試合経過》 ※敬称略
まず阪神の攻撃です。1回は三者凡退。2回は先頭の陽川が中前打するも、1死後に盗塁失敗など3人で片付けられました。3回は2死から緒方が右翼線二塁打を放ちますが、西岡は三振で得点なし。4回は2死から陽川の四球のみです。5回に板山が右前打、1死後に長坂が中前打して一、三塁とチャンスを作ったものの、緒方の三ゴロで板山がタッチアウト、荒木も三ゴロで無得点。
6回と7回、そして楽天2人目の森原に代わった8回も連続で三者凡退。9回は3人目の小野から1死後に西田が中前打を放ちながら後続を断たれ、結局は散発5安打で0点で攻撃を終えています。
変わって投手陣。立ち上がりに先頭・島井への死球があった青柳ですが、そのあとは見逃し三振など無難に抑えました。2回は1死から6番・八百板に左前打と盗塁を許すも後続を断って、3回は三者凡退。4回は3番・西田の右前打と5番・中川への四球で2人を塁に置くも無失点。5回は2死から9番・山田の中前打のみ。青柳は3安打無失点です。
6回はメンデスが登板して2番からを三振2つと中飛で三者凡退。7回の伊藤和は先頭・中川を遊ゴロエラー(直前にバウンドが変わって北條は捕れず…公式記録ではないけど『H』のランプ点灯。しかしチームの記録と証言などからエラーということで)、そのあとバッテリーエラーにより二塁へ進めますが、2奪三振などで0点に抑えました。
8回は島本が三者凡退に切って取って、9回は松田が登板。先頭の三好に左前打されバッテリーエラーで二塁へ、続く北川は四球で無死一、二塁となったものの出口は見逃し三振!最後は八百板を投ゴロ併殺打に打ち取り、0対0の引き分けで試合終了です。
青柳には“見栄え”をも意識させる
試合後は敷地内のドームでバッティング、隣接するグラウンドでランニングなどが行われました。登板した投手陣は松田投手以外の4人がグラウンドの外周を走り、他は野手と同じようなメニューです。あちこちで色んな選手にちょっかいを出す、とにかく明るいメンデス投手については後日ゆっくりご紹介します。お楽しみに。
まず高橋建投手コーチの談話です。青柳投手については「悪くなかったと思いますが、細かいところはありますね。彼にはフォアボールは出してほしくないんで。勝負した結果のフォアボールと本人には聞きましたが、このフェニックスでは、それも出さないようにしてほしかったですね」と説明。
勝負した結果であろうと、ですか?「はい。ボール、ボールと来てしまったんでね。初球に勝負球でファウルを取るならいいけど。そういう“見栄え”まで意識させて、窮屈な状況にしてしまったのはありますけど」。ただ四死球を与えてから崩れなかった点について聞かれ「そのあと抑えるのも大事。でも出してからよりも崩れる前に、未然に防ぐことも大事です。未然に防げるレベルには来ているので」と答えた高橋コーチ。
5イニングでの交代はCSを意識してのことだったようです。「5回までをしっかりクリアしてくれと試合前に言ったんですよ。そういうところで理由づけして、本人に意識させるため(あえて)ブルペンで急に言いました」。終わってからもピッチングをしていたことは?「試合で75球だったので、本人は長いイニングを投げるための“100球”というのを意識しているのでしょう。本人が言ってきましたよ、投げたいと。それが向上心になる。自分で言うことが大事ですね」
またメンデス投手が早い回に登板したこともポストシーズンに備えてと思われます。「2軍の抑えはメンデス、という形だったんですが、早い回で先発のあとに投げさせて準備してもらうことにしました。あとの7回、8回、9回は若いピッチャーでしびれる場面を投げるという起用法」と高橋コーチは話しています。
来年に向けて=今の準備
次に選手のコメントをご紹介しましょう。青柳晃洋投手は「僕の中で四死球は課題。フェニックスリーグの間は、打たせて取ったりをテーマにやっていきますが、きょうは1つフォアボールが出たんで…」と、そこはまだ反省のようです。5回で75球という数は?「もうちょい少なくできると思います」
終わってから投球練習場での追加ピッチングはやはり「きょうは5回と決まっていて、でも100球は投げておきたかったので追加で投げました」とのこと。CSなどポストシーズンを意識しているかと聞かれ「意識は、そんなにしていませんけど先発として来年につながるようにと。いつ呼ばれてもいいように準備しながら、来シーズンにつなげていきたいと思います」と答えた青柳投手でした。
メンデス投手は「どこで投げたいとか、あんまりないけど、呼ばれたらいつでも投げられるよう準備をしている。自分の練習もそういうつもりで取り組んでいます。バックアップできるようやっていきたい」と言っています。
原口文仁選手も、青柳投手と同じようなことを話していました。来年に向けてにしろ、ポストシーズン出場を見据えてであるにしろ「やることは同じです。つながっている」と。この日はノーヒットでしたが「そんな日もあります。感覚は悪くないので、しっかり結果が出るように頑張ります」とサラリ。左わき腹はもう痛みもないそうですよ。
北條史也選手に一応聞いてみたところ「あれはエラーです」と一言。藤本敦士内野守備走塁コーチも「エラーです。イレギュラーしても、相手が右打者であることや足の速さなどを頭に入れておけば防げるはず。本人もエラーと思っていますよ」との回答。なお、このとき投げていた伊藤和雄投手は「僕はどちらでもいいです。点を取られていたら自責にかかわってくるけど、取られていないので」と、穏やかな反応でした。
最後に、合流した長坂拳弥選手について山田勝彦監督代行の言葉です。「藤井コーチにも叱られていたけど、2ストライクからワンバウンドで股間を抜けるって…。1軍でいい経験して、1球の怖さを感じたはず。もう一回、気を引き締めてやってほしい」。記録は暴投かなと思ったのですが、わからないので試合経過では“バッテリーエラー”と書かせていただきました。1試合1つはバッテリーエラーがある、ということを本人も気にしています。宮崎で課題を克服しましょう!
<掲載写真は筆者撮影>