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直近の「1シーズン分」で計算すると、ダルビッシュ有の防御率は7位、前田健太は26位、田中将大は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダルビッシュ有 Aug 13, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 通常の1シーズンとほぼ同じ試合数でスパンを区切ると、その直近は「2019年の6月5日から2020年のレギュラーシーズン終了まで」となる。このスパンに、多いチームは164試合、少ないチームは158試合を行った。平均は161.8試合。ポストシーズンとオフシーズンを挟んでいるため、通常の1シーズンと同じではないが、162試合に最も近い。ちなみに、スタートを1日前の2019年6月4日とした場合は平均162.8試合、1日後ろの2019年6月6日なら平均160.9試合だ。

 この「直近1シーズン分」における、投手の各部門トップ10は以下のとおり。防御率、奪三振率、与四球率の対象は、異例の昨シーズンを含むことを考慮し、150イニング以上の51人とした。162イニング以上にすると35人なので、かなり少ない。2019年の162イニング以上は61人、2018年は57人、2017年は58人だった。

筆者作成
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 昨シーズン、ア・リーグでサイ・ヤング賞を受賞したシェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンズ)は、この6部門ともトップ10に入っている。5部門の3人中、ゲリット・コール(現ニューヨーク・ヤンキース)は与四球率が11位(1.95)。ジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)とダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)は、ともに白星が17位(12勝)だ。

 6部門中4部門でトップ10にランクインした投手はおらず、FIPとK/BBのトップ3には、この4人中3人が並ぶ。FIPは、1位がデグローム(2.28)、2位がビーバー(2.58)、3位がコール(2.82)。K/BBは上から順に、ダルビッシュ(8.59)、コール(6.76)、ビーバー(6.72)だ。ダルビッシュのFIP3.03は防御率2.88 と同じ7位、デグロームのK/BB6.40は5位に位置する。

 なお、このスパンに158.0イニングを投げた前田健太(現ミネソタ・ツインズ)は、防御率3.65が26位、奪三振率10.65が17位、与四球率2.34が20位。FIP3.48とK/BB4.56は、それぞれ16位と12位だ。153.2イニングの田中将大は、ダルビッシュに次ぐ5位の与四球率1.70を記録し、K/BB4.34も前田とヒョンジン・リュ(現トロント・ブルージェイズ)に次ぐ14位ながら、FIP4.37は36位、防御率4.69と奪三振率7.38は42位(ワースト10位)だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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