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小川淳司監督、あと11勝で球団史上3人目の400勝~2019年ヤクルト注目の記録(監督編)

菊田康彦フリーランスライター
ヤクルトの小川淳司監督(80番)は、今年もファンブックの表紙に登場(筆者撮影)

 今シーズン、東京ヤクルトスワローズの選手に期待される記録を「打者編」「投手編」に分けて取り上げてきたが、今回は小川淳司監督(61歳)にまつわる記録を紹介しよう。

代行時代も含め、通算成績は389勝390敗

 小川監督は2010年の途中でヘッドコーチから監督代行に昇格し、翌2011年には正式に監督に就任。2014年限りで一度は辞任し、その後はシニアディレクターとして球団フロントに入ったが、昨シーズンから監督に復帰した。

 代行時代も含め、昨季まで通算817試合で指揮を執っているが、これは球団史上では野村克也監督(1187試合)、若松勉監督(975試合)に次いで3位。これまで389勝390敗38引き分けの成績を残しており、あと11勝でこれも野村監督(628勝)、若松監督(496勝)に次ぐ通算400勝に到達する。

 通算で1つだけ負け越していて勝率は.499だが、最終的に5割を超えると、これもヤクルトの歴代監督では数少ない記録になる。正式な監督としては指揮を執っていない中原宏監督代行(.571)を除けば、過去には野村監督(.532)、若松監督(.518)、そしてチームを初優勝&日本一に導いた広岡達朗監督(.501)しかいないのだ。

スローガンの「躍進」で悲願のリーグ優勝へ

 また、代行時代を除く5シーズンでチームを3回のAクラスに導いているが、これも野村監督の5回(うち優勝4回)、若松監督の4回(うち優勝1回)に次いで球団史上3位となる。野村監督、若松監督の時代にはクライマックスシリーズ(CS)の制度はなく、3度のCS出場に導いたのは小川監督だけだ(他に高田繁監督、真中満監督がCS出場各1回)。

 ただし、リーグ優勝は1度もナシ。正式に監督に就任した2011年はシーズン序盤から首位を独走しながら、10月に入って落合博満監督率いる中日ドラゴンズにひっくり返され、優勝をさらわれた苦い過去もある。それだけにリーグ優勝は小川監督にとって、悲願と言っていいだろう。

 昨年は監督復帰1年目で、前年は最下位に沈んでいたチームを2位に引き上げた。「KEEP ON RISING 躍進」をチームスローガンに掲げた今季、2位からの「躍進」となれば狙うは優勝しかない。まずは監督通算400勝に向けたカウントダウンが今夜、始まる。

(文中敬称略)

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フリーランスライター

静岡県出身。小学4年生の時にTVで観たヤクルト対巨人戦がきっかけで、ほとんど興味のなかった野球にハマり、翌年秋にワールドシリーズをTV観戦したのを機にメジャーリーグの虜に。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身した。07年からスポーツナビに不定期でMLBなどのコラムを寄稿。04~08年は『スカパーMLBライブ』、16~17年は『スポナビライブMLB』に出演した。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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