NY原油14日:世界的な株安が嫌気され、続落
NYMEX原油10月限 前日比0.63ドル安
始値 44.78ドル
高値 44.97ドル
安値 43.59ドル
終値 44.00ドル
引き続き過剰供給に対する警戒感が強く、期先限月主導で続落した。
世界的な株式相場の軟化の影響もあり、アジアタイムから戻り売り優勢の展開になった。なおゴールドマン・サックス・グループが原油価格見通しを引き下げたショックも残る中、需給緩和状態の長期化警戒が、原油相場を押し下げている。本日は45ドルの節目を抵抗線に、下値切り下げ傾向が鮮明になった。
石油輸出国機構(OPEC)は、2016年のOPEC非加盟国の産油量見通しを前月から日量11万バレル下方修正した。原油相場の急落でシェールオイル生産環境の悪化を報告し、今後はどれだけの減産圧力が生じるのかに注目するとされている。これは、11日に発表された国際エネルギー機関(IEA)の月報を追認する内容になるが、マーケットの反応は限定的。シェールオイル生産に鈍化傾向が見られることは、間違いなく国際原油需給バランスに対して引き締め要因になる。ただ、これで過剰供給が解消されるのかは別問題であり、マーケットでは需給リバランスの動きは初期段階に過ぎないとの慎重な評価が優勢になっている。なお需給リバランスの必要性が高いと見られる中、原油相場に対しては水準切り下げ圧力が目立つ。本日は期先限月が下げを主導しているが、これによって期先に対する期近限月の下げ過ぎ感が緩和されていることもネガティブ。なお、順ザヤは高水準を保っているが、サヤバランスの修正をこなしながら下値切り下げを打診する展開が続く見通し。
価格が上昇すればシェールオイル生産は回復する可能性が高い以上、少なくとも原油相場の反発余地は限定されよう。短期スパンでは株価次第の不安定な相場展開になり易いが、需給面からの支援がみられない状況に変化は生じていない。なお、株価が主導権を握った相場展開になっているが、需給リバランスの必要性がこれによって薄れた訳ではなく、今後は株価動向のインパクトが限定される動きと連動して、徐々に戻り売り優勢の地合に回帰する可能性が高いとみている。シェールオイル減産の動きを、需給均衡化にまで発展させていくことができる価格水準を模索するステージが続く見通し。