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NY原油20日:需給緩和への警戒感が強く、続落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油8月限 前日比0.74ドル安

始値 50.76ドル

高値 51.26ドル

安値 49.85ドル

終値 50.15ドル

需給緩和状態の長期化観測を背景に、続落した。

特に目新しい材料などは見当たらないが、国際原油需給の緩和状態が長期化することに対する警戒感が強く、戻り売り優勢の展開になっている。石油輸出国機構(OPEC)の大規模な増産対応が続いている一方、シェールオイルなどOPEC非加盟国の原油生産も高止まりする中、需給緩和状態解消の目処が立たない状況になっている。引き続き製品需給の方には若干のタイト感がみられ、本日もガソリン相場は小幅上昇している。しかし、ガソリン主導で原油安の是正を促すような動きまではみられず、一時50ドル台を割り込むなど下値切り下げを打診する展開が維持されている。

為替相場がドル高気味に推移していることもネガティブであり、原油相場の本格反発を促すシナリオを描くことは極めて困難な状況になっている。需給、為替要因の双方が下げ相場を支持する中、引き続き戻り売り対応が基本になるだろう。引き続き、イラク核合意を受けてイラン産原油の供給増に対する警戒感も強く、50ドル割れ定着を打診する展開が維持されよう。需給緩和状態はほぼ評価が固まっているだけに、後はドル高の進捗状況を眺めながらの相場展開になる。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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