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ガンバ大阪がJ1リーグ戦、5連勝!<試合後のG大阪監督・選手コメント>

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ガンバ大阪のホーム・万博記念競技場で開催されたアルビレックス新潟戦。両者動きの少ない堅い展開が続く中、後半立ち上がりにG大阪のエースFW宇佐美貴史が均衡を破る先制点をあげると、同点にされたあとの84分にもFWパトリックが決勝点を奪い2−1で勝利。リーグ戦5連勝を飾った。以下、両監督およびG大阪選手の試合後のコメントをお届けする。

●アルビレックス新潟/柳下正明監督

ガンバも新潟も非常に出来は悪かったと思います。出来が悪かったというのはアクションが殆どみられなかった。ペースもすごくゆっくりでそれをなんとか新潟としては動き出して、テンポの速いサッカーをしたかったのですが、なかなか…後半失点してから少しテンポが上がったくらいで、90分を通して自分たちのリズムではできなかった。

今シーズンずっとちょっとした「え?」というところで失点が続いているので、これをなんとか断ち切っていかないと残りの試合もズルズルいってしまう。いくらいい試合をしていても勝ち点3をとるのが難しい流れになってしまうので、トレーニングをする期間は殆どないけど、できるだけ早くコンディションを戻して、メンタル的にも回復させてやっていきたいと思います。

ー後半、鈴木、成岡選手を入れて背後をつくところからチャンスを作りましたが。

例えば前半もボールを奪っても前線の動きがなくて、ボールが動かず、横に横に動く。あるいはセカンドボールがとれずにむこうにテンポ、リズムを作られる。そこで1つ成岡を入れてボールを拾えるように。で、2トップに武蔵を入れたのは、向かい風になるので背後のボールがとまるということでいれて、DFラインの背後をつこうと思ったのですが、まあ、1−1に追いついたあとも少しリズムは作れたとは思います。ただ、ガンバの方が良かったというか、きっちりとチャンスを決めてきて勝ち点3に繋げたと思います。

ーえ?という失点が多いという話でしたが、1点目もまさにそういう失点でした。

東口もやりましたが、GKとしてはやってはいけないことだと思います。(清水戦での東口くんの映像ずいぶん何度も流れたので…)もちろんみていますし、ちょっとした…最初に両方で気が悪くて、どこかぼーっとしているようにみえたのですが、そういうところが出たんじゃないかと思います。

ーメンタルの回復をという話もありましたが、戦術的なことより、そこが変われば上向きになるということでしょうか。

いつもいっているんですが、試合が終われば、次の試合の準備をする、と。で、勝つためにやっている訳だから、前の試合を負けたことで下を向いている選手は戦えない。終わった試合は1日は反省はするけど、また次に向かってしっかり準備をしてほしい。それはグランドに出て来た瞬間にらわかるので。日々練習をみられている記者のみなさんは分かるかと思いますが、今週は入りが悪かったですよね。甲府の試合が終わった翌日、入りが悪かった。そういうところがでてるんじゃないかと思いますので、明日が大事になると思っているのでしっかり準備をしたいと思います。

●ガンバ大阪/長谷川健太監督

よく勝ちました。しんどい試合でしたが、サポーターの声援に後押しされて選手が最後までピッチで戦ってくれたと思います。もちろん運もあったと思いますが、ただ、何より選手が今日の試合に対して最後まで勝つんだという気持ちをピッチでみせてくれたという意味では、本当によく戦ってくれた。

新潟はハードワークをするチームですし、難しい試合になると思っていました。またACLに勝った後の鹿島の試合をみていてもなかなか難しいゲームになると思っていました。想像以上に選手の疲労はきていると思います。また中2日ですぐに松本戦があるし、タフなチームなので少しでもコンディションを回復させてなんとかホームで連勝できるように頑張っていきたいと思います。

ースタメンをかえた理由と、後半のメンバー交代の理由、効果を。

日程的な部分で、少しでも休ませたいという思いはありましたが、そうも言っていられない展開でした。オ・ジェソクも少し足の状態が前半をみていて気になったので、大事になる前に交代しました。リンスはリンスで持ち味は出してくれたと思いますが、風下だった前半は非常に足元のボールが多くなり、新潟にプレッシャーをかえられてしまった。パトリックをを入れて前への推進力を出そうと思いました。試合の内容的には褒められたものではなかったですが、勝負に対して、貴史のゴールもそうですが、なにがなんでも点を獲るんだという思いが、ああいうゴールに繋がったんじゃないかと思います。

ー宇佐美選手の得点シーン。」東口選手がやられたのと同じ感覚だと思いますが。当然GKには注意しろという話をされたかと思いますが、一方で攻撃陣にああいうチャンスも狙えというような指示はされましたか?

いや、大前にも教えたことはないですので(笑)。さきほど言ったように、どんな形であれ自分がゴールをとって、チームの勝利に貢献するんだという気持ちが相手の隙をつくようなプレーに繋がったんじゃないかと思います。

●MF倉田秋

今日の前半はいい流れではない中で我慢して1点獲って、点を獲られてもさらにもう1点獲ってこういう勝ち方ができたのは強いチームになってきたのかな、とは思います。(2点目も倉田選手のパスからでした)あれはパトの技術もあってで、僕はあわせるだけだったので。でも僕も阿部ちゃんもいいシュートを打っているし、こういう試合で点が取れるようになっていけばいいかなとは思います。(前半パトがいない分、裏へのボールも少なかった)なかなかターゲットになる選手がいなくて、もう少しサイドで起点になる仕方なり出来たら良かったです。(疲労の中で勝ち切れた)買っているから疲労もそんなに感じずに出来ていると思うので、あと残りの連戦もすべて勝てるようにやっていきたい。(内容は重かったですね?)意外と暑かったし、中国からの疲れも意外とあったと思ったんですが、すり減った中でも要所要所はしっかり戦えていたと思う。(後半は間延びしてカウンターの応酬になりました)それで勝ちきれれば問題ないし、どんな形でも勝って行けるチームにならないとアジアも制覇できないので。いろんなバリエーションで勝っていきたいです。

●MF今野泰幸

難しかったですね。新潟もしっかりしたチームでプレッシングも徹底しているし、ボランチもマンマーク気味に来るし、ボランチが下がったと思ったらFWがさがってボランチをマークしてくるしなかなかスペースをみつけるのが難しかったです。(本来のガンバならあれくらいなら剥がせそうな気もしますが、疲労もあったのでしょうか)そうかもしれないです。全体の動きもボール回しのテンポも遅かったし、ボールの走りもあまりよくなくて。芝があまり濡れ手いなかったからか、なかなかテンポがあがらずにビルドアップの面で前半も後半も苦労しました。(疲労はあったと思いますが影響はありましたか?)疲労なのかもしれないけどでももっと出来ると思うしレオシルバもすごい意識した相手でもっとやりたかったんですが。彼はいい選手だと思うし負けたくない気持ちもあって、でも、結構後ろでさばいている感じでそんなに前にこなかったのにここぞという場面で前にきて点を獲られてしまったから。いい選手ですよね、やっぱり。(今野選手もそういうプレーをイメージしていると?)そうかもしれない。でも俺が意識してあがろうと思っているけど、チームとしては俺が真ん中にいる方がバランスがいい気がして。だから今日のレオシルバみたいに、真ん中にいながら、どっしりとしながらディフェンスをしっかりしながらチャンスがあればでていく、と。でもまあ、俺も前半は高い位置でラストパスを出したところもあったし、もうちょいですね、俺も。(お互い後半はカウンターの応酬になりました)そうですね。打ち合いになったとしても少ない人数かもしれないけど全力で戻ってしっかり対応するようにはしているので。危ない場面は作られたけど1点でおさえられたのは良かった。どんな内容になったとしても僕らは結構やれると思うんです。カウンターの応酬の対決でも、遅攻でも、速攻でも負ける気がしないので。(それは心理的な余裕に繋がってる?)そうですね。後半苦しい時間帯もありましたけど、2トップが強烈だからどこかでカウンターがあるだろうというのは頭にあるし、貴史やパトならやってくれるというのも頭にあるので。疲れはあってもしっかりやれているというのはあると思います。

●FW宇佐美貴史

(ゴールシーンについて)GKがもった瞬間。ずっと後ろにいたので、狙っていました。(東口選手があれでとられたけど、FWとしては逆に引き出しの1つになっていたのでしょうか)そうなんですかね? 覚えていたとは思うし、なんとなく…わざと後ろに回り込んでということではないですけど、なんとなくGKが前にいたので…ひがしくんにそういうことが起きた時に、あれってみえないものなんかな、どのくらいの角度まで後ろがみえるかっていう話を雑談の中でしていて。あのくらいの角度であそこでまっていたらくるかなと思ってまっていたらチャンスがきたので。狙い続けていた訳ではなかったんですが。(試合の流れとしては重かったと思いますが、勝ち切れた理由は?)僕自身もそうですし、足が止まっていたと思いますし前半からなかなかゲームがあがりきらない中でラッキーも重なってなんとなく勝ち点を拾えたのは良かったと思いますけど、日程のタイトさを言い訳にするようではダメというか。まだまだこれから試合も続きますし、Jリーグの他のチームとは全く違う日程のタイトさでACLもやっていると思うので、その中でいろんな選手が出てどんどん結果を出していかないと思うし、疲れていてもチームを引っ張っていかないといけないと思うので。今日はそういう意味で僕自身は良くなかったと思いますけどその中でも勝ち点3を拾えるというのはすごくいいことだと思います。(ひがしくんには何か言われました?)「このタイミングでやるなよ、せっかく忘れかけてきたのに」とはいわれました(笑)。(次とればチームの連続ゴール記録に並びます)次とらないと意味がない。あと2つとれば記録残せるので。そうなれば嬉しいですね。(リーグは9試合連続ゴールが最高ですが)毎試合とれれば一番いいですしそういうつもりでやっているのでそうなればいいなとは思います。どんなゴールでも1点は1点なので、どんなゴールであれ1点をもたらす事にかわりはない。それを多くもたらしたいし、欲を言えば今日はあと1つ2つ決定機を決め切れていればもっと良かったと思いますので、そういう部分は反省として捉えています。

●DF岩下敬輔

(苦しい、いつもより重い展開になりましたが)本当になかなからしいサッカーは出来なかったですが、抑えなきゃ行けないポイントとか相手が前に出て来てるなっていう時はしっかりFWもさがってもらって、守備への意識を高めに、というのもうまくチームとしてやれたので。ただマイボールの時間を増やすためにも、前半から僕も含めてミスが多かったのでそこは改善していかなきゃいけないと思います。ただ、コンディション的に厳しい中でもうまく身体を要所要所ではりながらやれたかなとは思います。(後半相手も前線の顔ぶれ変えてきて戦い方も少しかえてきましたが、共通理解をもってできましたか?)戦ったことのない選手がいなかったので、どのくらいの選手か把握していたのでそんなに怖さはなかったけどただ、連戦のコンディションと、前の選手たちとのチームとしての出方が少しバラバラな時に失点とかがあったので、苦しい展開にはなりましたけど、ラッキーでポストに救われたりもして、こういう内容で勝てたのは良かったと思う。(人数がいても点を獲られたシーン、コンディションの影響も?)そうですね。コンディションのせいにするのは嫌なんですけど、あとちょっと足を出せばとれるところで届かないなって言うところもありましたし、そこをカバーしながらやらなきゃいけないのはもちろんなんですが、そこはもっともっと身体を張ったりコミュニケーションで改善していける部分だと思うので、そこは改善していきたいと思います。(攻撃に動きがない中で何度か縦にボールをいれようとチャレンジもしていた。ただいつもよりボールも走らなかったようにも見えました)ずっとナイターの試合だったのでピッチをぬらせればずっとぬれたままでボールも走っていたんですけど、今日は暑くてピッチも乾いてしまってボールも走らない状況で後ろからテンポをあげたかった中で、それもなかなか出来ずにらしさが出なかったんですけど、パトが入ってシンプルに起点にはなれるので、その部分で時間は少し作れたかなというのはあります。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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