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ゴルフ界のレジェンド、フィル・ミケルソンは、わずか4年間でギャンブル借金、4000万ドル!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 米国の国民的スターであり、ゴルフ界のレジェンドでもあるはずのフィル・ミケルソンが、2010年から2014年のわずか4年間で、ギャンブルによる4000万ドル(約51億6000万円)の借金を作っていたことが明かされ、ゴルフ関係者もファンも仰天させられている。

 昨年11月に、自著を出版する目的でミケルソンにインタビューした米国人ゴルフライター、アラン・シプナック氏が今月(5月)の出版に先駆け、その抜粋の中で明かした。ミケルソンがスポンサー契約をほぼすべて失うに至ったあの問題発言を明かしたのも、同じシプナック氏だった。

 当時、ミケルソンはラスベガスのギャンブル王、ビリー・ウォルター氏らと親密に交流しており、ウォルター氏は2017年にインサイダー取引で逮捕され、5年間の刑務所生活となったが、試合会場でFBIから事情聴取まで受けていたミケルソンは、推定100万ドル(約1億3000万円)の高額な罰金を支払って、自由の身となっていた。

 しかし、4000万ドルの借金は、ミケルソンの身に重くのしかかっていたという。黄金期のミケルソンの収入は、年間ちょうど4000万ドル前後だったそうで、税金等々を差し引くと。手元に残ったのは、その半額以下。それでも破格の「年収」だった。

 だが、プライベートジェットを所有して専用パイロットを雇い、豪邸には専用シェフを呼んでパーティーを繰り返す豪遊生活を送っていたミケルソンは、本業のゴルフにおいては、エージェントや専属コーチ、専属キャディ、専属トレーナーといった「チーム・ミケルソン」にも高額を支払っていたため、借金返済に充てるお金を差し引くと、収支は「ほぼ、とんとんの状態」だったという。

 そして、優勝から遠ざかった2014年から2017年は、「年収」が激減したため、収支は「とんとん」から赤字に変わった。プロ転向当初からの長年の相棒キャディだったジム・”ボーンズ”・マッケイと2017年に決別したのも、そんなミケルソンの台所事情が原因だったそうだ。

 今年2月にミケルソンの問題発言を暴露し、そして今度は彼の多額の借金を暴露したシプナック氏は、昨年11月にインタビューを行なった際、なぜミケルソンがさまざまな秘密を赤裸々に語ったかについては「フィルはアドレナリンが出るのを感じるのが好きで、私が彼の秘密をいつどうやって明かすか、明かさないかを、ドキドキしながら眺めたかったのではないか。公けにされたら、『あれは公けにはしない約束だった』と主張する計算だったのではないか」とも綴っている。

 それが本当なら、ミケルソンはギャンブル的な興奮を味わいたくて赤裸々に語ったということになる。その結果、スポンサー契約をほぼすべて失い、試合にも出られず、契約金も賞金も稼げない状況に陥っているのだとしたら、「開いた口がふさがらない」としか言いようがない。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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