【河内長野市】小山田地域にある日立住宅の謎?元造船会社の住宅だったところは今どうなっているの
ご存じのとおり河内長野市は、昭和の高度成長の時代から、大阪のベッドタウンというポジションとして、市内に新興の住宅地がいくつも作られました。
いろんな名前の新興住宅街が市内に点在しますが、あるとき、不思議な名前の住宅地、「日立住宅」というのがあるのを見つけました。茨城県の日立市?それとも大手電機・造船メーカー由来なのでしょうか?
まず日立住宅というものの由来は、自治体ではなく企業の日立のようです。堺にある日立造船の工場に通う従業員の社宅だったようで、「ベルビュー長野」という名前の集合住宅がありました。
2009年ごろに行った人の情報では、そのころには日立造船の社宅の役目を終え、工事中だったとのこと。
その後建物はリニューアルして、現在はプレスト・コートという集合住宅になりました。調べると家賃情報も出てきており賃貸のようです。
ということで、元日立造船の社宅だったプレスト・コートに行ってみることにしました。画像中央に見える大きな集合住宅です。場所は住吉神社のすぐ東隣、南海千代田駅からバスに乗り、神社前バス停からはすぐのところです。
プレストコートに到着しました。ふたつ上に再現した図と見比べてみると、住宅名や柱の塗装などは違うものの、確かに同じようですね。
下の部分の「日立造船株式會社」の表示部分も無くなっています。
さて、じつはもうひとつおもしろい情報を見つけました。それは小山田にある三角点が、このプレストコートの近くにあるとのこと。
三角点とは、経度・緯度・標高の基準になる点のことで、三角測量という方法を用いて測量標という標識を立てているものです。
三角点の近くに白い細長い杭が立っていることがありますが、これは三角点標示杭と呼ばれるものです。
三角点の標識は地中近くにあるので、多くの場合は近くに白い三角点標示杭を立てて、そのすぐ近くに三角点があることを知らせる役目があります。
一般的には、一辺6cmの白い角材で、長さ1mのものを40cm地中にいれることになっています。
当時の情報をもとに、プレストコート近くに三角点が無いか探してみました。
確かこのあたりにあると思いますが、草が多いためか見つかりません。
ただ、三角点標示杭らしきものが折られた跡がありました。もしこれが本当に三角点標示杭だとすれば、この近くに三角点があるはず。
結局見つけられませんでしたが、上側に鎖でカギがかけられたものがあって少し気になりますね。
これがその折られた跡を拡大しました。ただ三角点標示杭を折ってしまうとは考えにくいので、本当に三角点がこのすぐ近くにあるのかは何とも言えません。
さて、プレスト・コートの南側から北に向かっている道、先ほど三角点が無いか探したあたりから北方向に続く道を少し歩いたところ、戸建ての住宅が並んでいる場所がありました。住宅案内図を見ると「日立住宅」と書いてあります。
個人の戸建て住宅が並んでいるところなので、あまり詳しくは書けませんが、ちょうど住吉神社の北側に広がっている住宅地です。名前からして、かつてのベルビュー長野同様に、日立造船の従業員だったと思われる人が、日立造船まで通っていたと考えられます。
日立住宅が地名のようになっているのは、小山田町に南海小山田団地を建て、それが小山田荘園と呼ばれて今の荘園町になっている事例と同じように、自然と地名として呼ばれ続けたような気がします。
なお日立造船堺工場(外部リンク)は、現在も堺市西区の埋め立て地で稼働しています。
プレスト・コート
住所:大阪府河内長野市小山田町451-149
アクセス:南海千代田駅からバス 神社前バス停から徒歩3分
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