今年度の硬貨の製造枚数が過去最少に。100円玉と10円玉は製造減。最も枚数が多いのは何故か500円玉
財務省は15日、2022年度に製造する硬貨の枚数が6億2907万枚(2034億1600万円)になる見込みだと発表した。キャッシュレス決済の進展や銀行での硬貨取り扱い減少などを受けて、年度当初の計画から2割強(1億8500万枚)引き下げた。財務省によると、比較可能な03年度以降では最少となる(15日付日本経済新聞)。
製造する硬貨の枚数は2011年度の約8億枚が最少となっていた。最も多かったのが2003年度の約13億9000万枚であったことから、その半分以下となる。
今回、当初の計画から枚数が引き下げられたのは100円玉と10円玉となる。100円玉は3億4400万枚から2億枚に。10円玉は1億200万枚から6100万枚に引き下げられた。10円玉の製造枚数が1億枚を下回るのは初めてだとか。
ICチップを使ったプリペイド型電子マネーやQRコード決済を使ったキャッシュレス決済の普及に加え、ゆうちょ銀行が2022年1月からATMで硬貨を入金する際に手数料をとり始めるなどしたことで、硬貨の取り扱いが減少したことが要因とされる。
ただし、500円玉については当初の3億6500万枚から変更はない。今年度、硬貨のなかで最も多く製造されるのが500円玉である。自分の小銭入れのなかで500円玉が一番多く入っていたことはなく、不思議に感じた。この理由は何か。
昨年11月1日から新しい500円玉の流通が始まり、2021年度は3億2000万枚発行されており(新硬貨は2億枚)、新硬貨への乗り換えが意識されて今年度も発行額が多くなっていたと考えられる。ちなみに新硬貨発行前の2020年度は500円玉が1億700万枚に対して100円玉は4億8966万枚となっていた。
この500円の新硬貨発行という特殊要因を除くと、さらに発行枚数は少なくなっていたと考えられる。