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背番号1といえば?「鳥谷!」 2人の野手が新たに1番を背負う理由

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
背番号を6から1に変更したKIAのチェ・ウォンジュン(写真:ストライク・ゾーン)

高校野球でエースナンバーといえば背番号1。しかしプロで1番を背負う投手はあまり見られない。今季、NPB12球団で背番号1の投手は斎藤佑樹(北海道日本ハム)、松井裕樹(東北楽天)の2人だけだ。

一方、韓国はというとKBOリーグ10球団中、8投手が背番号1をつけている。

 SKワイバーンズ キム・テクヒョン

 トゥサンベアーズ ハム・ドクチュ

 キウムヒーローズ ハン・ヒョンヒ

 サムスンライオンズ ユン・ソンファン

 ロッテジャイアンツ ソン・スンラク

 LGツインズ イム・チャンギュ

 KTウィズ チョン・ソンゴン

 NCダイノス ユ・ウォンサン

残り2球団では今年から2人の野手が1番を選んだ。その理由は何か?

ハンファイーグルスの遊撃手ハ・ジュソク(24)は今年、背番号を16から1に変えた。

「去年の成績が良くなかったので新たなスタートを切りたかった」

ハンファは昨季3位の好成績で11年ぶりにポストシーズン進出を果たしたが、ハ・ジュソクは打率2割5分4厘で前年の2割8分台から数字を下げる悔いの残る年だった。

心機一転、背番号を16から1に変えたハンファのハ・ジュソク(写真:ストライク・ゾーン)
心機一転、背番号を16から1に変えたハンファのハ・ジュソク(写真:ストライク・ゾーン)

内外野をこなせるKIAタイガースのチェ・ウォンジュン(21)は6から1への変更だ。

チェ・ウォンジュンは「高校時代にピッチャーで1番をつけていて、周りの人から1番が似合っていると言われた。自分でも好きな番号だし、(背番号1だった)シム・ドンソプ投手が入隊して空いたのでつけることにした」と話した。

チェ・ウォンジュンはプロ3年目の昨季、初めて100試合以上に出場。ベテラン野手がレギュラーを占めるチーム内で、数少ない若き主力選手として活躍を見せている。

投手出身らしく美しいフォームでホームに送球するチェ・ウォンジュン(写真:ストライク・ゾーン)
投手出身らしく美しいフォームでホームに送球するチェ・ウォンジュン(写真:ストライク・ゾーン)

ハ・ジュソクは「背番号1にはいいイメージがある」と言って、最初に思い浮かぶ選手に勢いよく、阪神の鳥谷敬(37)の名を挙げた。長らくショートで活躍し、今季再び定位置復帰を目指す鳥谷のことは、同じショートで右投げ左打ちのハ・ジュソクにとって憧れの存在だ。

ハ・ジュソクは他の背番号1の選手として山田哲人(東京ヤクルト)、現役時代のリュ・ジュンイル現LG監督の名を挙げた。韓国では投手が多数を占める背番号1だが、ハ・ジュソクにとっては名内野手の印象が強い。

特守を受けるハ・ジュソク(写真:ストライク・ゾーン)
特守を受けるハ・ジュソク(写真:ストライク・ゾーン)

ハ・ジュソクとチェ・ウォンジュンは2017年11月に行われた24歳以下を中心とした大会、アジアプロ野球チャンピオンシップで代表入りした間柄。しかしお互いが背番号を1に変えたことは知らなかったという。

ハンファとKIAはどちらも沖縄でキャンプを実施中で、両チームが今年初めて顔を合わせるのは2月28日の練習試合だ。

(関連記事:12球団のキャンプ日程が出揃う 韓国球団との練習試合は23試合

「自分の背中は見られないので似合っているのかわからない」と話すハ・ジュソク。KBOリーグに2人しかいない背番号1の野手は、その日お互いの背中を見て感想を交わすことになるだろう。

近年、世代交代がなかなか進まないと言われる韓国球界。プレミア12、東京オリンピックが近づく中、球界の未来を引っ張る20代のハ・ジュソクとチェ・ウォンジュンが代表チームの背番号1を争うような活躍を見せると、今季は一層熱いシーズンになるだろう。

※本記事は筆者がスポーツ朝鮮に韓国語で寄稿したコラムを、スポーツ朝鮮の承諾を得て日本語で加筆し再編集して執筆したものです。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FM那覇)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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