『それって⁉実際どうなの課』で話題の双子姉妹が目指すもの。恋に生きる役と背を向ける役で舞台に
森川葵の“ワイルド・スピード”などがSNSのトレンドに上がる『それって⁉実際どうなの課』で、太りにくい食べ物・食べ方の検証企画に出演している双子姉妹、MIOYAE。そっくりな美形の2人がざっくばらんな掛け合いをしながら、食べては体重を計る姿が毎回話題を呼んでいる。女優、モデルなど幅広く活動し、ゲームやアニメから舞台化した『うみねこのなく頃に』にも揃って出演。2人の素顔から目指すものまで聞いた。
性格が違うから互いに補い合ってます
――お2人は性格も似ているんですか?
MIO 違いますね。私が姉でYAEよりはしっかりしたキャラです(笑)。
YAE 私は自由奔放というか、やりたいと思ったら、すぐ行動に移すタイプです。
――子どもの頃から仲良しでした?
YAE そうですね。ずっと一緒にいました。
MIO 今も2人暮らしをしていて、一緒にお出かけしたり、買い物に行ったり。
――喧嘩することはなく?
MIO たまに、洗濯をどっちがするかとか些細なことで、言い争いをするくらいです(笑)。
YAE 性格が違うのが逆に良くて、お互い足りないものを補っている感じがします。
――思春期の頃とか、悩みごとを相談し合ったりも?
YAE 私が何でもベラベラ話すので(笑)、隠しごとはありません。
MIO 悩みごとだけでなく、家に帰ってきたら「今日何があった」とか、全部話してきます(笑)。最近でもずっと。
一緒に『女王の教室』を観て芸能界に憧れて
――一緒に踊るCMもありましたが、2人ともダンスをやっていたんですよね?
YAE 部活と習いごとでやっていました。
MIO 私は部活は吹奏楽部とクッキング部でしたけど、ダンススクールには一緒に通っていて。
YAE ダンス部では都大会で最優秀賞を受賞してます。メンバーに紛れて頑張っていました(笑)。
MIO 吹奏楽部では私はクラリネット担当で、副部長もやっていました。
――MIOさんはダンス部には入らなかったんですか?
MIO 中学から一緒の仕事が多かったので、学校では部活とかは別々にしていたんです。大学もあえて別のところに入りました。
――芸能界に興味を持ったタイミングも同じでした?
MIO 同時でしたね。
YAE 小学生の頃、ドラマの『女王の教室』を観て、女優というお仕事を知って。
MIO 志田未来さんに憧れました。
YAE 「どうやって泣いているんだろう?」と話していた記憶があります。「タマネギを切っているのかな?」とか(笑)。同じ年代でテレビで活躍されている方がいることに、刺激をもらいました。
オーディションで「双子の姉も連れてきて」と
――事務所にはどう入ったんですか?
MIO オーディション雑誌で、応募券を貼って書類を送れば、いろいろな事務所の方が見てくれるという募集があって。応募券は1枚しかなかったから、2人でジャンケンをして、勝ったYAEが応募しました。今の事務所が声を掛けてくれて、面接まで行ったら「双子の姉も連れてきて」という話になったそうで、便乗させていただきました(笑)。
YAE そのまま2人で事務所に入って、ドラマでデビューしています。
――そのデビュー作が、志田未来さん主演の『小公女セイラ』ですね。
YAE そうなんです。いきなり夢が叶っちゃいました(笑)。
MIO 「志田さんと同じエレベーターに乗ってる……」みたいな(笑)。幸せすぎてヤバかったです。でも、学ぶことも多くて。お芝居への集中力とかプロ意識とか、見ていて勉強になりました。
――今は女優だけでなくモデル、タレントと幅広く活動されていますが、それもお2人の共通の意向で?
MIO そうです。全部楽しくて、全部好きなので。
YAE やり甲斐もあるし、全部を極めたいです。
最初の企画は思い出すだけでお腹いっぱいに(笑)
――『それって⁉実際どうなの課』の反響は大きいですか?
YAE すごくあります。よく街中で「番組観てるよ」と声を掛けてくださいます。
MIO 業界で観ている方も多くて、いろいろな現場でスタッフさんに話題にしていただきます。
――検証中は3日間、ずっと籠っているんですか?
MIO ほぼ籠っています。舞台の稽古や他の仕事があるときだけ、2人で一緒に出ます。
YAE 退屈は全然しません。
MIO あっという間に時間が過ぎていきます。
――今までで特に印象深かった企画という?
MIO だいたいYAEが検証する側だから、どう?
YAE 最初にやらせていただいた「野菜から食べる」は、食べる量がいつもより圧倒的に多くて大変でした。ワカメ250グラムがドンと出てきたり、思い出すだけでお腹いっぱいになっちゃいます(笑)。
――YAEさんは野菜を食べていて「飽きたー!」とも言ってました。
YAE 思ってることが口に出ちゃうんです(笑)。お酢の検証では逆に、お腹いっぱいでも食欲がなくても食べられました。
MIO 好き嫌いはないので、何でも食べられます。
未知なことをやってみたくなります
――YAEさんが検証、MIOさんが比較対象として普通に食べることが多いのは、どう受け止めてますか?
YAE 私は結構チャレンジャーで、未知なことをやってみたくなるので、検証は楽しいですね。
MIO YAEは素直なコメントも言えるんです。私はそういうのを見守りながら、進行のベースを務める立ち位置で、合っているかなと思います。
――最新のライスペーパーと白米の比較では、珍しくMIOさんがライスペーパーを食べる担当でした。
MIO 初めて検証側をやらせてもらって、楽しかったです。いろいろな味にコメントして細かくレポートしなければいけないと、お互いの大変さもわかりました。
――MIOさんはこれまで、キツかった企画はありました?
MIO ないですね。
YAE 食べてるだけだもんね。
MIO うるさいわっ! でも、確かに普通に三食食べているだけなんです(笑)。いつもより量がちょっと多いだけ。
YAE でも、基準がいないと検証が成り立たないので。
MIO 双子にしかできません。
ありのままのリアクションをお届けしてます
――お2人は体重が38キロ台で、さらに痩せる必要はないわけですよね?
MIO ダイエット企画ではなく、太りにくさの検証ということを番組は押しています。私たちは身長も低いし、普段から無理は全然していません。
YAE 体重が減りやすいんですよね。
MIO 食べ過ぎないようにしているくらいです。
YAE でも、番組で検証したことは全部取り入れてます。
MIO お酢とか、検証が終わった日に買いに行きました。
――毎回、検証のときに着る「ライスペーパー」「ご飯」などと書いてあるTシャツは、どうしているんですか?
YAE パジャマにしています(笑)。すごく溜まりました。
MIO フリーマーケットでいけるくらいですね(笑)。
――あの番組で、テレビ的なことは何か意識していますか?
MIO おいしそうに食べる? でも、本当においしいので、ありのままの表情やリアクションをお届けできていると思います。検証結果もすべてありのままです。
ザ・たっちさんを尊敬してます
――同じ双子タレントのザ・たっちの痩せる企画はご覧になっていますか?
YAE 毎回観てます。
MIO リアクションのシンクロ率がハンパなくて、さすがですね。私たちはたまに揃うくらいなので。
YAE 双子の先輩として尊敬してます。
――会ったこともあるんですか?
YAE 何回かあります。1日、付き人もやらせていただきました(笑)。
MIO 以前やっていた『有吉反省会』で、私たちが舞台でザ・たっちさんのネタをパクってしまった反省として(笑)。
――舞台でアドリブで入れたんですか?
MIO 前説で幽体離脱を披露してしまって(笑)。そしたら、『有吉反省会』に呼んでいただきました。
YAE ありがたかったです。
逆の役だと半年間も思い込んでました(笑)
――舞台『うみねこのなく頃に』のEpisode2の上演が近づいてきました。共に使用人ですが、MIOさんがメイド服の紗音、YAEさんが男子の嘉音という役柄は、Episode1でオファーが来たときから決まっていたんですか?
YAE オファーは情報解禁の半年前にいただいて、どの役かは解禁の前日に知らされたんです。それまで私が紗音、MIOが嘉音と、勝手に逆に思い込んでいました(笑)。
MIO なぜかというと、同じ竜騎士07さん原作の『ひぐらしのなく頃に』の舞台でも、双子のキャラクターで出させていただいて。そのときの役の性格的に、今度はこうだろうと。半年間ずっと、その前提で原作を読んだりしていました。
YAE 私はもう紗音の気持ちになっていて(笑)。
MIO それで、明日が情報解禁というところで送られてきたキャスト表を見たら「逆だ!」となって(笑)。双子なので間違えられることもあるので、プロデューサーの方に確認したら「合ってます」と。1日で急いでアニメを観直したり、情報をかき集めました(笑)。
――同じ作品でも観方は変わりますよね。今回はなぜこの配役になったか、聞いたりしました?
MIO 演出家さんに聞いたら、紗音と嘉音の根本的な性格をMIOとYAEに合わせたそうです。嘉音の言いたいことを言うところだったり。
YAE へーっ、そうなんだ。
――紗音のやさしい感じはMIOさんに合っていて?
MIO そうみたいです(笑)。あと、私が人見知りをしないで、いろいろな人と仲良くなるところも、紗音に似てると言われました。
男の子役の声や動きはアニメをマネしました
――YAEさんは最初にあの少年っぽい衣装を着た自分を見たときは、どう思いました?
YAE テレくさかったです(笑)。男の子役は初めてで、ちょっと落ち着かなくて。でも、ウィッグも付けて気が引き締まります。
――演技的にも試行錯誤はありました?
YAE まず声とか動きとか外見的な部分をすごく研究しました。声はアニメをマネて、普段より重心を下げて下から出すようにして、響き方も変えたり。動きも生身の男の子というより、アニメを観て合わせてます。私が猫背なので、背筋を伸ばすことはずっと気を付けていました。
――MIOさんは最初にメイド服を着たときは?
MIO 衣装はめちゃめちゃかわいかったです。それに見合う女の子になりたい気持ちが強くなりました。
――キャラクター的には入りやすかったですか?
MIO この前に別の作品で気の強い役をやっていたこともあって、最初はちょっと苦戦しました。演出家さんに「声を意識するのでなく性格を変えて」と言われてから、演じやすくなって。私自身はみんなとキャーキャー騒ぐタイプですけど、もう少しおしとやかに、人とやさしくていねいに接するように心掛けています。
台詞だけ強くて意志が弱いと役と掛け離れるので
――今回のEpisode2では、紗音と嘉音それぞれの恋模様がカギになっています。
YAE Episode1より圧倒的に紗音、嘉音にスポットが当たっています。作品を背負う責任を感じるようになりました。
MIO 前回は語られなかった、それぞれの心情も描かれていて、葛藤や恋心も深めていけたら。
YAE 大変なのは、私は普段、自分の意志を強く出すタイプではないんです。でも、嘉音には強さがある。台詞だけが強くて意志が弱かったら、役と掛け離れてしまうので、自分が強くならないと。感情を高めて意志を出すようにしています。
MIO YAEがアニメやマンガを見て研究しているのは伝わってきます。稽古でも「ああ、嘉音だな」と思うことが多いです。
――使用人として仕えながら想いを寄せる朱志香の学校に行って、「ショタ彼氏」と呼ばれる場面もあって。
YAE 私が普段ふわふわしているので、男の子としてクールにスッと立つことは意識しています。
恥じらいながら気持ちを伝えるところは似てるなと
――劇中で紗音は恋をまっとうしようとして、嘉音は背を向けています。
MIO 紗音は恋のためなら何でもする感じなんです。何を犠牲にしてもいいくらいの強さは、私にはなくて尊敬します。でも、その気持ちをストレートに伝えるのでなく、恥じらっていることが多くて。そこは私も似ているなと思います。
YAE 嘉音は使用人の自分を“家具”と考えることにかたくなで、自分で壁を作っているように思うんです。それを破る瞬間がないのがもどかしかったり、苦しかったりします。
――嘉音が「永遠にならない恋ならしないほうがマシ」と言うのは、共感できないと?
YAE できません。私は決められた運命なんて打ち破りたいし、叶わないとしても挑戦はしたい。だから、ムズムズしちゃいます。でも、シーンを積み重ねていって、いきなり叫んだり泣いたりすることも多いので、そこには活かせると思います。溜め込んでいたものを爆発させるので。
――普段のYAEさんは急に爆発することはないですか?
YAE あまりないよね?
MIO あるよ(笑)! 私に対しては言います。2人で服を合わせるときに「これがいい!」とか。何か決めるとき、率先して自己主張してくるのは絶対YAEです。
双子で生まれたのは奇跡なので2人で活動を
――こうした2人での活動とは別に、個々でやりたい仕事もないですか?
MIO どうだろう? 2人でやりたいことが多いです。
YAE 私も。双子で生まれてきたのって、奇跡じゃないですか。せっかくだから、2人で活動したいです。
MIO 双子ならではの仕事ができたら。
――そうすると、仕事が限られる面もないですか?
MIO ありますね。ひとつの役を募集しているところに、2人は必要ないとか。そういうときは1人ずつでやりますけど、逆に双子の需要がある仕事は、全部やるつもりです。
YAE 双子といえばMIOYAE、と言ってもらえるように。
MIO マナカナ(三倉茉奈・佳奈)さん、ザ・たっちさんなど双子の先輩の良いところを掴み取って、オールジャンルで活躍できる双子になれたらいいなと思います。
恋愛は別々にしようと思ってます(笑)
――具体的に2人でどんなことをしたいとか、ありますか?
MIO 私の夢は、MIOYAEで大河ドラマに出ることです。朝ドラやNHKの時代劇は出させていただきましたけど、大河はまだなので、いつかは……。
YAE 私は双子のオリジナルストーリーで映画を作ってもらって、主演して、親を招くのが夢です。生き別れた双子が違う環境で育って、再会する物語とか(笑)。
MIO 「私たち、双子だったんだよ!」って、感動の再会をするんだよね(笑)。
――双子で1人の男性を奪い合うストーリーは?
MIO 確かに面白そう。皆さん、そういうのが好きですよね(笑)。
――実際そんな状況になったことはありますか?
MIO ないですね。タイプが違うので。私は思いやりがあって人間性が素晴らしい人がいいです。見た目は良いに越したことはないけど、そんなにこだわりません。
YAE 私はにぎやかで楽しい人。友だちのような感じで、一緒にいると自分も前向きになれるような。
――Wデートをしたり?
MIO いつかしたいね。
YAE 私はイヤ(笑)。
MIO 何で?
YAE 恋愛は別々にしようと思います。
MIO 恥ずかしいからね(笑)。
MIOYAE
2009年にドラマ『小公女セイラ』でデビュー。2人での主な出演作はドラマ『半分、青い。』、映画『十二単衣を着た悪魔』、『Mad Cats』、舞台『ひぐらしのなく頃に~流・明~』、『グッドバイ』ほか。『それって⁉実際どうなの課』(中京テレビ・日本テレビ系)に出演中。9月7~10日に上演の舞台『うみねこのなく頃に~Stage of the golden Witch~Episode2』に出演。
進戯団 夢命クラシックス×07th Expansion vol.8
『うみねこのなく頃に~Stage of the golden Witch~Episode2』
9月7~10日 こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
原作/竜騎士07 脚色・演出/伊藤マサミ(進戯団 夢命クラシックス)