福島第一原発沖に行ってみた 

5月1日筆者撮影 福島第一原発沖1,5kmから

2016年5月1日、福島第一原発沖の海洋調査を民間で進めている「いわき海洋調べ隊”うみラボ”さん」の調査に同行させて頂き、海からの福島題第一原発の今を見て来ました。

福島第一原発沖海洋調査 左:Yahoo!ニュース個人オーサーの小松理虔さん 右:筆者
福島第一原発沖海洋調査 左:Yahoo!ニュース個人オーサーの小松理虔さん 右:筆者

ルポを通して、海から見たことで分かる福島第一原発の状況をお伝えします。

冒頭のイメージ写真は福島第一原発から約1,5kmのものになります。漁協と東京電力との協定で1,5km以上近くに寄ることは出来ません。

画面左2本の排気筒(煙突に見えるもの)の下にある建物が4号機原子炉建屋、そこから順に3号機、2号機、1号機と並んでいます。

それぞれの建屋の状況については以下の通りです。

東京電力 福島第一原発視察者向け資料(5月版)より抜粋
東京電力 福島第一原発視察者向け資料(5月版)より抜粋
東京電力 福島第一原発視察者向け資料(5月版)より抜粋
東京電力 福島第一原発視察者向け資料(5月版)より抜粋

海から見て分かること

現状の外観は一見どこの原子力発電所か分からないような整然としたものになっています。

私達がイメージ上抱いている見た目ではありません。毎日約7000人に及ぶ廃炉作業従事者の皆さんの成果は外観によく表れています。

ですが事故によって発生した瓦礫はどこに行ったのか?放射性物質に汚染されていますから発電所構内に分別して一時保管されています。

福島第一原発構内北側エリアにある、廃棄物一時保管エリア
福島第一原発構内北側エリアにある、廃棄物一時保管エリア

1~4号機から視線を北に伸ばすと、海抜約35mの高台に白いテントが見えます。将来的に原子炉建屋を増設するために確保されていた土地(7,8号機の建設予定地)に作られた瓦礫保管テントです。周辺には野積み型の一時保管も見て取れます。

瓦礫の保管状況の詳細については、4月10,11日に行われた「福島第一廃炉国際フォーラム」にて 東京電力が発表した[福島第一原子力発電所(1F)の廃止措置で発生する固体廃棄物の管理について]を参照ください。

筆者が過去にお届けした記事[福島第一原発の今を見つめて]で発電所構内では一般服でいられる場所が出来たことから、放射性物質の飛散は周辺環境に影響を及ぼさない程度に抑えられていると報じました。

福島原発沖1,5kmの放射線量率は一時間あたり0.019マイクロシーベルトでした。この値は仮に1年間同じ場所に滞在し続けたとして年間積算1ミリシーベルトを下回るものです。私達の日常と変わらない被ばくをする場所と言えます。

海から見えて分かることは以上になります。ここまで読まれた方は「えっこれだけ??なんとなく良くなっていることは分かるけど。。。」となったと思います。

多方面から福島第一原発の今を伝える

東京電力 福島第一原発視察者向け資料(5月版)より抜粋
東京電力 福島第一原発視察者向け資料(5月版)より抜粋

福島第一原発構内からの放射性物質を含む地下水漏えい防止策は多重化されています。

高濃度汚染水を地下に貯めているタービン建屋と港湾内を繋いでいた「トレンチ」と呼ばれる地下空間を閉塞させ、海水を取り込んでいた取水口と呼ばれる場所は埋め立て、ガラス固化剤により地盤改良を行い、海側遮水壁と呼ばれる壁が作られました。これらで堰き止められた地下水はウェルポイント・地下水ドレンと呼ばれる井戸で汲み上げ建屋内に引き戻されています。

東京電力 福島第一原発視察者向け資料(5月版)より抜粋
東京電力 福島第一原発視察者向け資料(5月版)より抜粋

対策の結果、福島第一原発近辺の海の汚染度は事故当時から100万分の1以下になっています。WHO(世界保健機関)が定めている飲料水水質ガイドライン「Cs(セシウム)134,137について1リットル当たり10ベクレル未満」程度まで下がっています。

こちらは福島第一原発構内でのお話しです。私達はじゃあ海の中は?魚は?とさらに疑問を重ねます。

立派な真さばが釣れました
立派な真さばが釣れました

発電所構内だけを伝えつづけても福島第一原発の今は知れても、原発事故後の今を知れるとはかぎりません。筆者は調査の中で真さば、ソイ、メバルを釣ってきました。

今回の調査結果につきましては、Yahoo!ニュース個人オーサーを務める小松理虔さんから報告があがります。是非そちらを参考していただきたいと思いますし、筆者も福島第一原発廻りの海でどのような結果が出るのか、しっかりと抑えたいと思っています。

福島第一原発の今はどうなっているのだろう?

その「今」は発電所の中ばかりではなく、外で起きていることにも目を向けることでより深まると思います。

風評で今も苦しむ福島県の理解にも繋がっていくのではないでしょうか。