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[高校野球]仙台育英は敗れたが、令和の番付上位校の秋が楽しみ

楊順行スポーツライター
2014年のセンバツ優勝・龍谷大平安の高橋奎二。10年後の来年はどうなる?(写真:岡沢克郎/アフロ)

 そうか、来年のセンバツは横綱2人のうちまず1人が不在か——。ふと、そんなふうに思ってしまったのである。

 開催中の秋季宮城県大会準々決勝で、夏の甲子園準優勝の仙台育英が東陵に1対2で惜敗。東北大会出場を逃し、センバツ出場がほぼ絶望的になったのだ。2022年夏、東北勢として初めて全国制覇を果たし、今春のセンバツはベスト8、そして夏は2年連続の決勝進出という強豪だが、4季連続の出場はかなわなそうだ。

 先日、『令和の甲子園で未勝利の県が2つあります。どこ?』https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3bc079a0c36907b32be4f2d9d99f497ec1034143を掲載した。元号が令和となった19年夏以降、春夏の甲子園が開催されたのは合計7回。そこで記録した勝ち星を47都道府県でランキング化したものだ。それを学校別にすると、18勝4敗の仙台育英は、大阪桐蔭を抑えて堂々の1位。順位は、以下のようになる。表は順位、校名、都道府県、春夏合計の勝敗、カッコ内は春・夏の内訳、おもな戦績。

育英と桐蔭が令和の両横綱。続くのは……

① 仙台育英(宮 城) 18—4 (春5—2夏13—2 22夏優勝・23夏準優勝)

② 大阪桐蔭(大 阪) 13—4 (春9—2夏4—2 22春優勝)

③ 近  江(滋 賀) 12—5 (春4—1夏8—4 22春準優勝)

④ 智弁学園(奈 良)  9—4 (春2—1夏7—3 21夏準優勝)

⑤ 履正社 (大 阪)  8—2 (春0—1夏8—1 19夏優勝)

⑥ 智弁和歌山(和歌山) 7—3 (春0—1夏7—2 21夏優勝)

  山梨学院(山 梨)  7—3 (春7—1夏0—2 23春優勝)

  星  稜(石 川)  7—4 (春2—1夏5—3 19夏準優勝)

⑨ 東海大相模(神奈川) 6—1 (春5—0夏1—1 21春優勝)

  慶  応(神奈川)  6—2 (春0—1夏6—1 23夏優勝)

  八戸学院光星(青森) 6—3 (夏6—3 19、23夏8強)

  広  陵(広 島)  6—3 (春4—2夏1—1 23春4強)  

  明  豊(大 分)  6—4 (春4—1夏2—3 21春準優勝)

  聖光学院(福 島)  6—4 (春1—1夏5—3 22夏4強)

  敦賀気比(福 井)  6—6 (春0—3夏6—3)

 以上が勝ち星ベスト15。ほかに神村学園(鹿児島)と沖縄尚学(沖縄)が5勝で続く。どうです? 仙台育英と、その須江航監督が「高校野球のひとつの理想のチーム」と語り、昨年の神宮大会で敗れた大阪桐蔭が両横綱という感じ。大阪桐蔭はこの夏、大阪大会決勝で履正社に敗れたが、十分な練習を重ねた新チームは黙ってはいないはず。ほかにも夏春連覇を目ざす慶応、春連覇のかかる山梨学院など、強豪校の秋季大会はこれからが本番だ。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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