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センバツ出場32校決定。2010年代の47都道府県ランキングは……

楊順行スポーツライター
2018年に春夏連覇の大阪桐蔭は2010年代の勝利数ダントツ(写真:岡沢克郎/アフロ)

 第93回選抜高校野球大会の選考委員会が行われ、出場32校の顔ぶれが決まった。いずれも好投手の畔柳亨丞、小園健太、代木大和を擁する中京大中京(愛知)、市和歌山や明徳義塾(高知)。さらに仙台育英(宮城)、敦賀気比(福井)、智弁学園(奈良)、大阪桐蔭といった強豪が顔をそろえた。離島からミラクル躍進を果たした大崎(長崎)、21世紀枠の4校を含め、8校が春夏通じて初出場というのもフレッシュだ。中止になった昨年の第92回からは、12校がリベンジ出場を果たしている。

センバツに強い都道府県は?

 昨年が中止になったから、今回は2020年代として、そして令和として最初のセンバツになる。19年は元号が変わる直前で、平成最後の大会だったが、試みに2010年代のセンバツの成績を調べてみると……都道府県順位は、以下のようになる。

1  大 阪 33勝10敗 優勝3準優勝2

2  東 京 16勝16敗 準優勝1

3  福 井 14勝8敗1分優勝1

4  愛 知 13勝7敗  優勝1

  京 都 13勝12敗 優勝1

   北海道 13勝13敗 準優勝1

7  和歌山 12勝10敗 準優勝1

8  埼 玉 11勝7敗1分優勝1

  福 岡 11勝7敗  準優勝1

  奈 良 11勝11敗 優勝1

  兵 庫 11勝11敗

12  神奈川 10勝8敗 優勝1

  群 馬 10勝9敗2分

14  熊 本  9勝9敗

15 岐 阜  8勝5敗

   栃 木  8勝6敗

青 森  8勝7敗 準優勝1

18 沖 縄  7勝5敗 優勝1

静 岡  7勝5敗

千 葉  7勝6敗 準優勝1

滋 賀  7勝7敗1分

岩 手  7勝8敗

23 鹿児島  6勝7敗

愛 媛  6勝8敗 準優勝1

広 島  6勝8敗1分

高 知  6勝11敗

27 石 川  5勝4敗

長 崎  5勝5敗

香 川  5勝6敗 準優勝1

徳 島  5勝6敗

三 重  5勝7敗

32 大 分  4勝3敗

福 島  4勝4敗

茨 城  4勝6敗

35 宮 城  3勝6敗

36 山 口  2勝7敗

37 山 形  1勝3敗

山 梨  1勝3敗

新 潟  1勝3敗

秋 田  1勝4敗

宮 崎  1勝6敗

岡 山  1勝9敗

43 佐 賀  1敗

長 野  3敗

富 山  3敗 

鳥 取  3敗

島 根  3敗

 10勝以上の13都道府県は、優勝や準優勝で勝利数を稼ぐことが多いが、それのない群馬では、健大高崎が12年の初出場から7勝しているのが目立つ。今大会、何勝を上積みするか……。ほかに勝率5割以上なのは青森、栃木、千葉、静岡、岐阜、石川、滋賀、長崎、熊本、大分、沖縄で、青森の8勝はすべて八戸学院光星によるものだ。逆に、10年代のセンバツ未勝利県は長野、富山、鳥取、島根、佐賀の5県。とくに佐賀は出場さえ18年の伊万里の1回こっきり、しかも21世紀枠だった。ほかにも秋田、山形、山梨、新潟、岡山、宮崎が10年間で1勝どまり。勝率にして1割という岡山や宮崎以外は寒冷地で、枠数との兼ね合いで出場校自体が少ないせいもあるだろう。

横綱はやはりあのチーム

 チーム別では、センバツの勝利数はこうなる。

1  大阪桐蔭 21勝4敗 優勝3

2  敦賀気比 12勝4敗 優勝1

  履正社 12勝6敗 準優勝2

4  浦和学院 10勝3敗 優勝1

  龍谷大平安10勝4敗 優勝1

6  智弁学園  9勝4敗 優勝1

  智弁和歌山 9勝5敗 準優勝1

8  東海大相模 8勝2敗 優勝1

  日大三   8勝4敗 準優勝1

八戸学院光星 8勝6敗 準優勝1

  健大高崎  7勝3敗

12 東邦    6勝2敗 優勝1

秀岳館 6勝2敗

 10年間で6勝以上はこの13校だけで、三重、報徳学園、高松商、興南が5勝で続く。今大会には大阪桐蔭、敦賀気比、智弁学園、東海大相模など、10年代のランキング上位校が出場するのが見ものだ。参考までに、夏も合計した2010年代のチーム勝利数ベスト10は以下の通り。

1  大阪桐蔭   42勝6敗 優勝6

2  八戸学院光星 24勝12敗 準優勝3

3  履正社    21勝9敗 優勝1準優勝2

4 敦賀気比   19勝9敗 優勝1

作新学院   19勝10敗 優勝1

仙台育英   19勝10敗

7 東海大相模  18勝5敗 優勝2準優勝1

日大三    18勝8敗 優勝1準優勝1

9 聖光学院   16勝10敗

明徳義塾   16勝14敗

 抽選会は、2月23日。あとは、緊急事態がなんとか沈静化して、大会が無事行われることを祈りましょう。

スポーツライター

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は63回を数え、観戦は2500試合を超えた。春夏通じて54季連続“出場”中。著書は『「スコアブック」は知っている。』(KKベストセラーズ)『高校野球100年のヒーロー』『甲子園の魔物』『1998年 横浜高校 松坂大輔という旋風』ほか、近著に『1969年 松山商業と三沢高校』(ベースボール・マガジン社)。

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