2020年の高校野球を回顧する(5) センバツに長崎のミラクル離島! 連合チームも初出場か?

(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 2020年の秋の九州大会を制したのは、長崎・西海市の大崎だった。公立校の優勝は11年ぶりだが、そもそもよほどの高校野球通でも、なじみのない校名。それはそうだ、2年前、清水央彦監督が赴任した18年春は部員わずか5人で、平戸との連合チームで出場していた。つまり、消滅寸前だったのだ。清水監督といえば、コーチや監督として清峰、佐世保実を甲子園に導いている指導者。その下で野球をやりたいと、県内から有望な中学生が人口5000人弱の離島に集まってくる。20年には、全校生徒114人のうち野球部員が4割にあたる47人にあれよあれよと急増したから、これはもうミラクルだ。

人口5000人弱の離島から……

 部員増に比例するように、野球の成長も早かった。19年秋には58年ぶりに県の頂点に立ち、選手権が中止になったこの夏も長崎の独自大会で優勝、そして秋も優勝。右のエース・坂本安司を中心とした投手陣と、勝負どころを逃さない集中打、積極的、かつ抜け目なく仕掛ける走塁。「高いレベルの大会は、いかにミスをしないか」という清水監督のもと、無失策で乗り切った守備陣も手堅く、秋の九州大会準決勝では、延長の末に明豊(大分)を下し、決勝では福岡大大濠に快勝と、文句なしの九州大会初制覇だった。

「冬は、今まで以上に鍛えようかな」とほくそえむ清水監督。清峰のコーチ時代の06年にセンバツで準優勝し、オフのノウハウは知り尽くしているだけに、初出場が確実視される来年のセンバツが注目だ。

 この大崎、2年前には連合チームでの出場と先に書いたが、近年は部員不足による連合チームが目立つ。秋の北信越大会では、富山勢の連合チームとしては初めて、富山北部・水橋が出場。初戦で敗退したものの、来春センバツの21世紀枠・北信越地区候補に選ばれている。その経緯は『富山北部・水橋が21世紀枠地区候補に。連合チーム初の甲子園が見えた?』(https://news.yahoo.co.jp/byline/yonobuyuki/20201212-00212178/)に詳しいのでよろしく。

 センバツの選考委員会は、来年1月29日。ちょっと気は早いが、32の出場校を予想すると……まあ、だれが考えてもだいたい以下のようになるだろう。◎当確 ○有力 △微妙

■北海道(一般選考出場枠1)

◎北海……北海道大会優勝

■東北(2)

◎仙台育英……東北大会優勝

○柴田…………準優勝

△花巻東………4強

■関東(4〜5)

◎健大高崎……関東大会優勝

◎常総学院……準優勝

○専大松戸……4強

○東海大甲府…4強

△東海大相模…8強

■東京(1〜2)

◎東海大菅生……東京大会優勝

△日大三…………準優勝

■東海(2)

◎中京大中京……東海大会優勝

◎県岐阜商………準優勝

■北信越(2)

◎敦賀気比……北信越大会優勝

○上田西………準優勝

△関根学園……4強

■近畿(6)

◎智弁学園………近畿大会優勝

◎大阪桐蔭………準優勝

◎市和歌山………4強

◎京都国際………4強

○京都国際大付…8強

△天理……………8強

△智弁和歌山……8強

△龍谷大平安……8強

■中国(2〜3)

◎広島新庄……中国大会優勝

◎下関国際……準優勝

△鳥取城北……4強

△米子東………4強

■四国(2〜3)

◎明徳義塾……四国大会優勝

◎聖カタリナ…準優勝

△小松…………4強

△鳴門…………4強

■九州(4)

◎大崎…………九州大会優勝

◎福岡大大濠…準優勝

○明豊…………4強

○宮崎商………4強

■21世紀枠(3)

北海道/知内 東北/八戸西(青森) 関東・東京/石橋(栃木) 東海/三島南(静岡) 北信越/富山北部・水橋(富山) 近畿/東播磨(兵庫) 中国/矢上(島根) 四国/川之石(愛媛) 九州/具志川(沖縄)

 なお、明治神宮大会がコロナ禍で中止となったため、優勝校の地区に与えられる神宮枠の「1」が、現状では浮いた状態。そのため日本高野連は、来年1月13日に開催する運営委員会でその扱いを決めるとしている。個人的には、21世紀枠を4校にするのがもっとも公平な気がするが、いかが?