ドラフト候補が続々!! 廣畑敦也は雨に散る【第46回社会人野球日本選手権大会デイリー・リポート4】
第46回社会人野球日本選手権大会4日目は、前日と同様に降雨の中で3試合を行なった。プロが注目する逸材が次々と登場したが、第2試合には大卒2年目の指名解禁組でトップを走る廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)が先発した。
対戦相手の日本新薬は、パンチ力を秘めた福永裕基、俊足好打の舩曳 海ら野手のドラフト候補も擁する打線に、ベテラン左腕の榎田宏樹が先発と、優勝候補の一角を占める強豪だ。立ち上がりの廣畑は慎重になり過ぎたか、2四球で二死一、三塁のピンチに立たされたものの三振で切り抜ける。
すると、2回表に敵失で無死二塁のチャンスをもらい、二ゴロと宮崎 新の右前安打で首尾よく1点を先制。廣畑の調子も尻上がりで、6回までは日本新薬の打線を散発の2安打に抑え込む。だが、7回裏の日本新薬は、一死から代打の黒川卓也が粘って四球を選び、同じく代打の大畑建人は初球を右前へ。板倉健人も三遊間を割って満塁にすると、続く大崎拓也は遊ゴロも併殺崩れで同点とする。
さらに、8回裏にも二死一、二塁と攻め立て、黒川が中前に落として2者が生還。廣畑のスピンが利いたボールに力勝負を挑まず、センター中心に打ち返そうとする意識で攻略した日本新薬の攻撃は見事だった。そして、4投手のリレーで三菱自動車倉敷オーシャンズの反撃を許さず、3対1の快勝で二回戦へ駒を進めた。雨の中で力投した廣畑は、7安打5四球の内容を振り返って粘り強さを今後のテーマに挙げたが、「ボール自体は素晴らしい」とスカウトの評価は変わらないようだ。
日本生命はクラブ王者をシャットアウト
第1試合では、5月の第45回全日本クラブ野球選手権大会を制した全足利クラブが、社会人屈指の名門・日本生命に挑戦した。先発の中田智暁は持ち味の制球力を武器に、日本一を狙う強力打線に的を絞らせない。
だが、常に手堅い野球を貫く日本生命は、主砲の2本の犠打をいずれも得点に結びつける。4回裏に先頭の上西主起が左前安打を放つと、四番の廣本拓也はきっちり送る。ここで五番に入った早野僚馬が中前に弾き返して1点を先制する。さらに、6回裏には先頭の上西が敵失で出ると、またも廣本が送りバント。ここでも早野が左前安打でつなぎ、越智達矢の遊ゴロの間に2点目を奪うと、続く7回裏も犠打を絡めて3点目を挙げる。
このリードを、先発の高橋拓已がテンポのいい投球で守り切る。全足利クラブも9回表に連打で一死一、三塁と食い下がったが、高橋は連続三振を奪って完封した。日本生命は二回戦で、昨年の都市対抗王者・Hondaと対戦する。どんな展開になるのか楽しみだ。
強豪対決はセガサミーに軍配が上がる
セガサミーとNTT西日本による第3試合は、昨年の都市対抗準々決勝と同じカード。2対7で完敗したNTT西日本としては、何としても勝ちたい一戦だ。期待を込めて先発に起用した吉川貴大は、2三振で力強く立ち上がる。しかし、2回表のセガサミーは四番の澤良木喬之と北阪真規の連打で無死一、二塁。吉川貴は犠打を阻止するなど二死まで漕ぎ着けたが、ここから連打を浴びて3点を奪われ、マウンドを濵﨑浩大に譲る。
その裏にNTT西日本も1点を返したが、セガサミーは3回表に澤良木と北阪の連続ソロ弾で2点を追加。NTT西日本は早くも三番手に大江克哉を投入する。大江は昨年のドラフトで上位候補と目されながら指名がなかったものの、その悔しさを糧に成長ぶりを示す。4回以降はセガサミーの打線の勢いを止め、5回裏に2点差まで詰め寄ると、8回裏にはセガサミーのドラフト候補・横山 楓から2点を奪って試合を5対5の振り出しに戻す。
それでも、セガサミーは焦らない。9回表に先頭の本間 諒が二塁打を放ち、犠打で一死三塁に。NTT西日本も必死の継投で凌ごうとしたが、二死から根岸晃太郎が右前に運んで決勝点。最後は石垣永悟が締め、互いに持ち味を発揮した勝負を制した。
(写真提供/小学館グランドスラム)